最近手に入れた本です。 全日本軍装研究会から刊行された『日本の陶器製兵器1 -陶器製手榴弾-』 第2次世界大戦中に、鉄などの金属不足のため生産された陶器製兵器。 戦時中に生産された陶磁器、いわゆる「統制陶器」については考古学からの研究がいくつかありますが、陶器製兵器に関しては研究が極めて少ないのが現状です。 また、それらは主に陶磁器としての側面に重点がおかれた研究でした。 この『日本の陶器製兵器1 -陶器製手榴弾-』は、陶磁器と兵器の両側面から陶製兵器を検討したもの。 豊富な実測図と写真を収録しており、資料としても貴重です。

以下、目次等を記しておきます。 書名:『日本の陶器製兵器1 -陶器製手榴弾-』 著者:山本達也、淺川道夫、草薙大輔 編集:辻田文雄 発行:全日本軍装研究会 発行日:2010年12月31日 全112ページ 目次 第一章 陶器製手榴弾の兵器としての考察 一、手榴弾四型の開発経緯と名称 二、手榴弾四型弾体の生産体制 三、手榴弾四型の結構 四、陸軍型陶器製手榴弾 五、美濃焼陶器製手榴弾 六、教練用陶器製手榴弾 七、陶器製兵器の実戦配備と使用の諸問題 第二章 陶器製手榴弾の陶器としての考察 一、陶器製手榴弾弾体の製造方法 二、各生産地製品の特徴と製造の様相 まとめ 第三章 陶器製手榴弾に関する諸問題 一、生産から配備に関する問題 二、刻印をめぐる問題 三、硫黄島で撮影された映像に関する問題 幕末の陶製手榴弾について(淺川道夫) 日本ニュース「硫黄島に戦雲迫る」の軍装的考察(草薙大輔) 資料編 第三章の最後にある淺川・草薙両氏の論考以外は、山本達也氏が執筆されています。 資料編の項には、幕末の陶製手榴弾に関する文書や、第2次大戦時の陶製手榴弾を分析した米軍資料が収録されています。

この本を発行している全日本軍装研究会は、旧日本軍の軍装などに関する研究団体としてはかなり権威のある研究会のようです。 本書の編集をされている辻田氏はこの研究会の代表で、軍事史研究者として著名な方。 私は不勉強で今まで存じ上げなかったのですが、この分野では有名な方々が関わって作成された本のようです。 奥付をみると、元々はマンガ・アニメ等の同人誌の交換会である「コミック・マーケット」で販売されたもののようです。 なぜこのような本がそういう場所で売られていたのか不明ですが、やはりこういったマニアックな分野に興味がある人もいるのでしょうか。 ただ、収録されている模式図が非常に素晴らしく、おそらくはイラストレーターの方が関わっているのではないかと思います。 その関係で、「コミック・マーケット」でも販売されたのでしょうか。 陶器製兵器に関して、これだけ詳細に検討し、多くの図面や写真も収録したものは見たことがありません。 内容はレベルが高く、このままどこかの出版社から出して頂きたいほど。 「1」となっているので、続編が出るのでしょうか(次は陶器製地雷とか?)