『愛と哀しみのボレロ』
原題
『Les Uns et les Autres』
1981年公開
ベジャールが振付を担当。


戦中を生きた人々と、その子供達の世代を描く事によって、戦争の非情さと、その影響を多分に受けつつ未来に向かって生きてゆく事の素晴しさや希望を伝えてくれます。
その人々を、決して美化するのではなく、観ている私達と同じ普通の人々の体験として描いています。
そして、その非情さは、気をつけなければ何度でも繰り返しやって来ますよ、という警告も。
まず、ジョルジュ・ドンの腹筋のうねりから始まります。
役名は、セルゲイ・イトヴィッチ
登場人物が多すぎたり、同じ役者さんが親とその子供の両方を演じたりと、複雑です。
ジョルジュ・ドンはボリス・イトヴィッチと、その息子セルゲイの二役
リタさんは、後にはセルゲイの娘役、つまり自分の孫との二役
主要人物達の中で、エディット・ピアフをモデルとしたエブリーヌ(母)とエディット(その娘)の二役を演じたエブリーヌ・ブイックスは、当事ルルーシュ監督のパートナーでした。
なので、とても魅力的に撮られてますね。
持つべきものは芸術家の恋人
そして私が最も感情移入したのが、この方アンヌさん
(登場人物があまりに多く、ちょっとごちゃごちゃなので、感情移入したい人を数人に絞り、その人を軸に観てゆくと良いかも)
楽団で出会った男性と、幸せな結婚をするのですが
ユダヤ人であるこの夫婦は、生れたばかりの赤ちゃんと共に、強制収容所へと運ばれる列車に。
父親は赤ん坊だけでも助けようとして、母親アンヌの抵抗も振り切り、夜の暗い線路の上に赤ん坊を置きます。
収容所で生き残ったアンヌが、戦後子どもを何十年と探し続け、果たして会えるのかどうかも、映画のクライマックスとなります。
ルルーシュ監督もユダヤ人で、ゲシュタポに連行されながらも辛うじて難を逃れた経験があるそうです。
他にもカラヤンをモデルとした指揮者カール
グレン・ミラーをモデルとした音楽家ジャック。
戦争で、たくさんの登場人物達が亡くなります。
いやいや、ところがボリスさん
あのヒトラーでも、愛し愛された人がいるのです。
各国の戦犯達も、きっと同じでしょう。
それこそが人間の恐ろしさですよ。
「自分は愛し愛される人もいるマトモな人間である」「自分は正しい」と思いながら狂った事をしていくのですから。
映画予告制作現場
次回に続きます













