日本初の科学機器をご存知でしょうか??
江戸時代の「平賀源内」が持ってきた物です。
平賀源内は江戸時代の博物学者として知られている人です。
↓の人です。
※ウィキペディア「平賀源内」より
この人がいた頃の日本は,ちょうど幕府による鎖国の時代で,
海外との貿易は長崎だけで行われていました。
平賀源内は讃岐(香川)の人だったので,外国の進んだ文明に触れるには,
長崎に留学するしかなかったのでした。
そこで,長崎に遊学した平賀源内は,
当時の幕府から貿易を許されていたオランダの学問(蘭学)を学んだのですが,
そのときに出会ったのが「エレキテル」だったのです。
※ショップ.学研「大人の科学マガジン Vol.22 (平賀源内のエレキテル)」より
エレキテルとは,↑のような箱のことですが,
側面にハンドルがあって,これをグルグル回してから,
箱の上に伸びている金属の棒に指で触ると,バチッと火花が散る。
要するに,ハンドルを回すことによって金属の棒に電気が溜まる,
という道具なのですね。
詳しい仕組みについては,ここでは書きません。
平賀源内は,オランダ語の通訳さんの家で,壊れたエレキテルを発見。
それを修理して,使って,日本の人達を驚かせたので,
平賀源内と言えばエレキテル,と連想されるくらい有名になったのでした。
このエレキテルが,日本初の科学機器と言われるのですね。
彼は主に「百人おどし」といった,人を驚かせるようなことに使った,
と言われますが,エレキテルを修理して私物化できてから,
彼はほんの数年後にお亡くなりになってしまったので,
科学や医学のためにエレキテルを活用するには至らなかったのです。
∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽
一方,海外でもこのエレキテルは広まってきたような時代だったのですが,
海外では,学問のためにエレキテルは使われたようです。
この時代は,電気の学問についてはまだまだ開拓されていませんでした。
雷の正体が電気であるということがようやくわかったような時代ですから。
アメリカの科学者であり政治家でもあったベンジャミン・フランクリンが,
雷雲に凧を近づけて雷の正体を調べる実験をしましたが,
凧をつないでいる手元でバチバチなる様子とエレキテルの様子を比べて,
両者は同じであるということから,雷の正体を暴いたのです。
このようにまだまだ電気について学問が確立していない時代には,
エレキテルが実験のためによく用いられたのです。
∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽
当時は,電気を持つ物同士に力がはたらくことは知られていたので,
この力の大きさについて数式で表現することに試みたのが,
フランスの科学者「シャルル・ド・クーロン」です。
↓は,クーロンの写真です。
※ウィキペディア「シャルル・ド・クーロン」より
エレキテルから得られる程度の電気を使った場合は,
電気同士にはたらく力はとても小さな大きさです。
普通,力学では力の大きさを測る場合はばねはかりを使いますが,
この電気の力はばねはかりでは測れません,力が小さ過ぎて。
だから,クーロンは,「ねじればかり」という物を作って,
それで電気の力の大きさを調べる実験に取り組んだのでした。
ねじればかりとは,↑のような装置ですが,
真ん中に縦に伸びている点線のところに,銀線を用意したものです。
銀線の下端に取り付けてある棒の端に帯電させるのですが,
そこに電気を近づけると,銀線がどれくらいの角度ねじれるか,
ということを調べる装置です。
銀線は,とっても都合の良い道具で,
小さな力がはたらいてもねじれてくれるし,
ねじれる角度とはたらく力が比例するという性質があるのです。
だから,電気の力を測定するには大ヒットな装置なのですね。
というワケで,クーロンがエレキテル・ねじればかりのコラボで,
まず,力の大きさと距離の関係を調べてみました。
すると,力の大きさと距離の2乗が反比例するという関係がわかったので,
クーロンは,
「あ,電気の力の式は,万有引力の式と似ているなぁ」
と思ったのですね。
そこで,万有引力の式
$F=G\Frac{Mm}{r^2}$
の$G$にあたる比例定数を$k$とおいて,電気の力の式は,
$F=k\Frac{●\times ●}{r^2}$
という形になるだろう,と推論したのです。
電気の力の式の中に「●」で書いた文字がありますが,
万有引力で言えば,「質量」にあたる物理量です。
電気の力の場合,「●」はどんな物理量に相当するのか??
これを調べるために,クーロンは今度は,
ねじればかりに帯電させる電気の量を変えていったのです。
2分の1,4分の1,8分の1…,といった感じで。
帯電させる電気の量が半分になれば,はたらく力も半分,
電気の量が4分の1になれば,はたらく力も4分の1になる,
つまり,電気の量と力は比例するということがわかりました。
同じように,ねじればかりに近づける物に帯電させる電気の量も,
力との大きさと比例の関係でした。
さっきの式を見れば,「●」と力の大きさは比例関係にあるので,
どうやら「●」の正体は「電気量」であると言えそうです。
そこで,万有引力の式の中で「$M$」「$m$」と言っていたものを,
電気の力の式の中で「$Q$」「$q$」とおくと,
$F=k\Frac{Qq}{r^2}$
と表現することができるのですね。
こうして,万有引力と電気の力のアナロジー(類推)から,
「クーロンの法則」という新しい法則が発見されたのでした。
ところで,このアナロジーという考え方は,
科学で新しい法則や知識が発見される際によく見られるものです。
詳しい話は別の記事で。
江戸時代の「平賀源内」が持ってきた物です。
平賀源内は江戸時代の博物学者として知られている人です。
↓の人です。
※ウィキペディア「平賀源内」より
この人がいた頃の日本は,ちょうど幕府による鎖国の時代で,
海外との貿易は長崎だけで行われていました。
平賀源内は讃岐(香川)の人だったので,外国の進んだ文明に触れるには,
長崎に留学するしかなかったのでした。
そこで,長崎に遊学した平賀源内は,
当時の幕府から貿易を許されていたオランダの学問(蘭学)を学んだのですが,
そのときに出会ったのが「エレキテル」だったのです。
※ショップ.学研「大人の科学マガジン Vol.22 (平賀源内のエレキテル)」より
エレキテルとは,↑のような箱のことですが,
側面にハンドルがあって,これをグルグル回してから,
箱の上に伸びている金属の棒に指で触ると,バチッと火花が散る。
要するに,ハンドルを回すことによって金属の棒に電気が溜まる,
という道具なのですね。
詳しい仕組みについては,ここでは書きません。
平賀源内は,オランダ語の通訳さんの家で,壊れたエレキテルを発見。
それを修理して,使って,日本の人達を驚かせたので,
平賀源内と言えばエレキテル,と連想されるくらい有名になったのでした。
このエレキテルが,日本初の科学機器と言われるのですね。
彼は主に「百人おどし」といった,人を驚かせるようなことに使った,
と言われますが,エレキテルを修理して私物化できてから,
彼はほんの数年後にお亡くなりになってしまったので,
科学や医学のためにエレキテルを活用するには至らなかったのです。
∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽
一方,海外でもこのエレキテルは広まってきたような時代だったのですが,
海外では,学問のためにエレキテルは使われたようです。
この時代は,電気の学問についてはまだまだ開拓されていませんでした。
雷の正体が電気であるということがようやくわかったような時代ですから。
アメリカの科学者であり政治家でもあったベンジャミン・フランクリンが,
雷雲に凧を近づけて雷の正体を調べる実験をしましたが,
凧をつないでいる手元でバチバチなる様子とエレキテルの様子を比べて,
両者は同じであるということから,雷の正体を暴いたのです。
このようにまだまだ電気について学問が確立していない時代には,
エレキテルが実験のためによく用いられたのです。
∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽-∽
当時は,電気を持つ物同士に力がはたらくことは知られていたので,
この力の大きさについて数式で表現することに試みたのが,
フランスの科学者「シャルル・ド・クーロン」です。
↓は,クーロンの写真です。
※ウィキペディア「シャルル・ド・クーロン」より
エレキテルから得られる程度の電気を使った場合は,
電気同士にはたらく力はとても小さな大きさです。
普通,力学では力の大きさを測る場合はばねはかりを使いますが,
この電気の力はばねはかりでは測れません,力が小さ過ぎて。
だから,クーロンは,「ねじればかり」という物を作って,
それで電気の力の大きさを調べる実験に取り組んだのでした。
ねじればかりとは,↑のような装置ですが,
真ん中に縦に伸びている点線のところに,銀線を用意したものです。
銀線の下端に取り付けてある棒の端に帯電させるのですが,
そこに電気を近づけると,銀線がどれくらいの角度ねじれるか,
ということを調べる装置です。
銀線は,とっても都合の良い道具で,
小さな力がはたらいてもねじれてくれるし,
ねじれる角度とはたらく力が比例するという性質があるのです。
だから,電気の力を測定するには大ヒットな装置なのですね。
というワケで,クーロンがエレキテル・ねじればかりのコラボで,
まず,力の大きさと距離の関係を調べてみました。
すると,力の大きさと距離の2乗が反比例するという関係がわかったので,
クーロンは,
「あ,電気の力の式は,万有引力の式と似ているなぁ」
と思ったのですね。
そこで,万有引力の式
$F=G\Frac{Mm}{r^2}$
の$G$にあたる比例定数を$k$とおいて,電気の力の式は,
$F=k\Frac{●\times ●}{r^2}$
という形になるだろう,と推論したのです。
電気の力の式の中に「●」で書いた文字がありますが,
万有引力で言えば,「質量」にあたる物理量です。
電気の力の場合,「●」はどんな物理量に相当するのか??
これを調べるために,クーロンは今度は,
ねじればかりに帯電させる電気の量を変えていったのです。
2分の1,4分の1,8分の1…,といった感じで。
帯電させる電気の量が半分になれば,はたらく力も半分,
電気の量が4分の1になれば,はたらく力も4分の1になる,
つまり,電気の量と力は比例するということがわかりました。
同じように,ねじればかりに近づける物に帯電させる電気の量も,
力との大きさと比例の関係でした。
さっきの式を見れば,「●」と力の大きさは比例関係にあるので,
どうやら「●」の正体は「電気量」であると言えそうです。
そこで,万有引力の式の中で「$M$」「$m$」と言っていたものを,
電気の力の式の中で「$Q$」「$q$」とおくと,
$F=k\Frac{Qq}{r^2}$
と表現することができるのですね。
こうして,万有引力と電気の力のアナロジー(類推)から,
「クーロンの法則」という新しい法則が発見されたのでした。
ところで,このアナロジーという考え方は,
科学で新しい法則や知識が発見される際によく見られるものです。
詳しい話は別の記事で。