学生時代に社会の授業で習った遣唐使や遣隋使。この時代にどのようにして船が航海していたのか疑問に思った事はありませんか?この記事ではその疑問を読み解いていきます。
この時代において、船が目的地を確認する方法は、主に自然の要素を利用したものでした。以下にその詳細を説明します。
航海技術と方法
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沿岸航海:
- 初期の遣唐使は、朝鮮半島沿岸を経由する「北路」を利用しました。この航路では、陸地を目視しながら航海することができたため、自分の位置を確認しやすく、比較的安全に目的地に近づくことができました。
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天体観測:
- 磁石や正確な地図が存在しなかったため、船乗りたちは星や太陽を観察して進行方向を決定しました。特に夜間は星の位置を頼りに航海を行い、昼間は太陽の位置を利用していました。
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風と海流の利用:
- 航海中は風の向きや海流を利用して進むことが重要でした。特に南路を取る際には、風が有利に働く時期を選んで出航し、期待される風に頼って航海を行いました。ただし、海流に任せることは運に左右されるため、必ずしも目的地に正確に到達できるわけではありませんでした。
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経験則:
- 船乗りたちは、過去の航海経験を基に天候の変化を予測し、航海を行っていました。天候が急変することも多く、予想外の場所に漂着することもありましたが、経験則が重要な役割を果たしました。
天体観測の具体的な方法
遣唐使や遣隋使の時代における天体観測の具体的な方法は、主に以下のような技術と手法を用いて行われていました。
天体観測の方法
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太陽の観察:
- 船乗りたちは、太陽の位置を観察することで方向を決定しました。特に、正午には太陽が南に位置するため、その影の長さを測ることで北と南を判断しました。太陽が昇る位置と沈む位置を記録し、日中の航海に役立てました。
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星の観察:
- 夜間は、星を利用して航海を行いました。特に北極星(ポラリス)は、北の方向を示す重要な指標として利用されました。星の動きを観察し、特定の星座の位置を確認することで、自分の進行方向を把握しました。
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天体の高度測定:
- 船乗りたちは、星や太陽の高度を測定するために、初期の航海用具を使用しました。例えば、象限儀や海用アストロラーベ(海アストロラーベ)などの器具を用いて、天体の角度を測定し、緯度を特定しました。これにより、船の位置をより正確に把握することが可能となりました。
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星座の知識:
- 船乗りたちは、季節ごとに見える星座を熟知しており、これを利用して航海を行いました。特定の星座がどの位置にあるかを知ることで、航海中の方向を確認しました。星座の変化を理解することは、航海の成功に不可欠でした。
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航海日誌の記録:
- 船乗りたちは、航海中の観測結果を航海日誌に記録し、天候や星の位置、進行方向などを詳細に記録しました。これにより、次回の航海に役立てることができました。
これらの方法を駆使することで、遣唐使や遣隋使は、当時の限られた技術の中で目的地を目指して航海を行っていたのです
航路の変遷
遣唐使の航路は時代によって変化しました。初期には北路が主流でしたが、白村江の戦い以降、新羅との関係が悪化したため、南路が開発されました。南路では、九州から東シナ海を横断し、揚子江の河口付近に上陸するルートが取られました。
このように、遣唐使や遣隋使の船は、自然の要素を巧みに利用しながら目的地を確認し、航海を行っていたのです。