昨日、3回目を観に行きました。
周りの友人にも、オススメしてとても好評でした。
 私のオススメの見方は、

漫画「夕凪の街 桜の国」
映画「この世界の片隅に」
原作漫画
映画

ですね!
 映画でカットされた部分を漫画で補足して、もう一度映画を観ると、カットされた部分のカケラを発見出来ますよ。

情報量の多い作品なので、観るたびに新しい発見があって何度見ても楽しめます。 
 2回目は、オープニングの歌が流れた時に既にグッときて涙を堪えました。自分でもビックリした、なかなか無い経験でした。
 そして、最後のクラウドファンディングでの協力者の名前が流れる所で悔しくてしょうがない、こんないい作品に名前が乗り映像館で流されるなんて妬ましい!
 
 公開から約1ヶ月経って、様々な人・サイトで取り上げられてますね。(TVはあんまりですが…)
 評価もとても良く、嬉しい限りです。
私も様々な人の批評を聴いて、考えさせられたり、気づかされる事が多く、また観に行きたくなりました。


 さて、この作品は登場人物の(異常なほど)丁寧な動きや膨大な情報量で、リアリティを追求し、主人公・浦野すずをあの時代のあの街に実在させる事に全力を尽くした作品です。
 ある監督は「アニメの良さは、観客に何をどれだけ見せるかを隅々までコントロールできる事、キャラや背景の動きのタイミングまで操作できるから」と言ってた気がします。
 アニメは実写と違って、勝手に風が吹いたり、鳥が映り込んだりしません。動かしたい物、見せたい事だけを写します。
 なので、この作品の一度じゃ全て捉えきれないほどの一つ一つの人・物・動きにまで、それぞれ意味があったりするのではないでしょうか。そんな事を考えながら見て観るのも、面白いかと思います。 
 その辺の気づいた事・思った事をいくつか紹介してみようと思います。

 





以下ネタバレあり。












花言葉

花は色々な作品で使われますが、季節感を出すだけでは無い、メッセージを込めてる可能性があります。強調して見せてれば尚更です。この作品にも、沢山の花が登場します。
その花をその場面で使う意味などを花言葉を混じえて考えてみようと思います。(個人的で勝手な解釈です)



椿

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↑《作者・こうの史代  漫画・この世界の片隅に(双葉社)上巻 2008/2/12 ISBN978-4-575-94146-3  2〜3ページより

映画序盤の印象的なシーンですね。
コクバ(焚き付け)を拾いに来たすずが、帰りたくないから描かない水原の絵の課題を、すずが描いてあげたシーンですね。
 左にピンクの椿、右に白の椿です。
映画では去って行く水原が左に、それを見守るすずが右に書かれてます。(漫画48〜49p)
 
白の椿の花言葉-申し分のない魅力、完全なる美しいさ、至上の愛らしいさ、理想的な愛情 など
ピンクの椿の花言葉-控えめな美、控えめな愛、慎み深い、恋しく思う など…

 調べてみると、「なるほど!」と思える言葉が並んでます。
 すずが絵を描いてる間に水原が集めてくれたコクバと一緒にピンクの椿が混ざっていたのも印象的です。
 この後、お互い惹かれ合っていたのにも関わらず叶わぬ想い、覚めた夢を暗示させてたんですかね。切ない…。
 
 



○タンポポ


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《作者・こうの史代  漫画・この世界の片隅に(双葉社)上巻 2008/2/12 ISBN978-4-575-94146-3  107ページより》

 映画では沢山登場するタンポポ。
↑のページは、広島から呉に帰ってから元気の無いすずが、回覧板を回した後の帰り道で、タンポポの綿毛を飛ばしているシーンですね。タンポポの綿毛のように、ここじゃない何処かへ飛んで行きたかったんでしょうか…。
 タンポポ占いは、綿毛をひと吹きで全部飛ばすと恋が叶うや願いが叶うなど言われてますが、漫画でも映画でも綿毛は残ってますね…。
 この後、帰ってきた周作が一つしかない黄色いタンポポを摘もうとするのを「遠くからきたかもしれないから」と自分に重ねて止めるシーンが続きます。
他所から来た黄色いタンポポは知らない白いタンポポ達に囲まれて何を思うのでしょうか。

・タンポポの花言葉-恋の神託、神託、真心の愛、離別

すずも周作も他にも想う人がいながらも別の人を選びます。
沢山の会えなくなった親しい人達。
右手。
 残る者とそうじゃない者の差は、何だったのか、神が花占いでもするように理不尽に決めているのか。
 あらゆる別れを経験しますが、失わなければ得られなかった事も沢山描かれてます。
 そんな意味でもこの映画の主役の花はタンポポなのではないでしょうか?
 エンディングの曲もタンポポの歌ですしね。感動するスタッフロールなんて初めて観ました。





シロツメクサ

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《作者・こうの史代  漫画・この世界の片隅に(双葉社)下巻 2009/4/28 ISBN978-4-575-94223-1  43ページより》

・シロツメクサの花言葉-幸福、約束、私のものになって、私を思って、復讐

 晴海と右手を失ったすずが目を覚ました後のシーン。
何がいけなかったのか、どこで間違えたのか、自分の居場所は何処だったのかを、過去を思い出しながら苦悩している時に、自分の居場所はあそこだったんじゃないかと思う場所は失った右手が描いた、一面のクローバー畑です。
 あそこに逃げれば二人とも生き延びれたかもしれないとすずが思うシーンにも見えます。
 ですが、私は違うと思っています。
まず、あの板の向こうにあんな広大なクローバー畑は存在せず、(何時も嫌時・気が滅入った時に妄想の世界へ連れて行ってくれた)右手が描いた、すずの妄想の畑では無いでしょうか。
 しかし、もう、魔法の右手は明美と共にこの世にありません。あのクローバー畑は残酷な現実から解放された世界、あの世ではないでしょうか。
 つまり、「私の居場所はあそこだったんだろうか」とは、残ったものが魔法の右手が無く径子に恨まれ、家の仕事も一人で出来ない役立たずな自分という辛い世界なら、いっその事一緒に死んでしまいたかったという事ではないでしょうか。
  
 初見は、晴海が死ぬシーンは唐突すぎて、どちらかといえばこのクローバー畑で初めて目頭が熱くなる人が多いのではないでしょうか。




以下、映画版ではあまり出てない花。

花言葉-精神の美、優雅な女性

リンドウ
花言葉-正義、誠実、悲しんでるあなたを愛する






 花関連を調べてまとめたのは以上です。
他にも気になる植物では、カボチャや、玉音放送後のすずが泣き崩れた場面の畑に咲いて板の黄色い花(ウリ科?)など、まだまだ気になる物もあります。
 その他、波のウサギの由来や、劇中で歌われてる歌なんかも調べてみると面白しろそうですが、今回はここまでにします。