毎日新聞(LINEニュース)の誹謗中傷についての記事が出ました。


加害者への誹謗中傷が、判決の中で被害者の思いと矛盾したものとなった。


私は被害者支援として、裁判でのサポートをしました。

判決文が読み上げられる中、『社会的制裁をうけた』との言葉に、松永拓也自身はもちろんのこと、被害者遺族のご家族みなさんが一瞬表情が戸惑っているように見えました。


判決の中では通常、様々な情状面によって減刑されるものです。

例えばとても反省していたり、家族が支えていくので、できるだけ刑を軽くして欲しいなどが、判決の中で考慮されます。

それと同じように、今回は社会的制裁が情状面で減刑理由となりました、


誹謗中傷は、加害者だけではなく被害者側も受けてきました。

『松永死ね』『松永きもい』『松永お前を殺してやる!待ってろよ』など過激な言葉が送られてきたりしました。

殺害予告めいたYouTube動画に苦しめられました。(現在は消されています)その他様々なSNSで、実生活に影響が出るほど様々な誹謗中傷を受けていました。もちろん事案によっては警察にも届け出をしました。


被害者である上、顔も知らぬ方からの言葉に恐怖を感じ、ご家族みなさんが不安な中で生活をされていました。


通常、裁判の中で考慮されるのは加害者の事だけなのはこれまでの判例から分かります。

被害者である真菜さん莉子ちゃんは本当に苦しみながなら命を絶滅されました。遺族である松永さん筆頭にご家族は誹謗中傷をされました。


さて誹謗中傷はなぜ起きるのか?


皆さんなら誹謗中傷はどうして起きると思いますか?

わたしも実際に誹謗中傷をする方と話をした上でたくさん考えました。その中で、誹謗中傷する方にはふたつのパターンがあったと思います。

ひとつは、実生活に不満があったり、情緒不安であったり、自分の主義主張が絶対的な正義と信じ、誹謗中傷をするパターンです。


ふたつめは、たまたま感情がリンクしてしまったパターンです。

同じ遺族であったり

同じ歳のお子さんがいたり

同じ家族構成であったり


共感が度を越えてしまった方もいたように感じます。ですが、この共感をするタイプの方はどちらかと言うと、命の重さがわかってるからこその誹謗中傷でした。


特に前者のパターンは、ただただ誰かを攻撃したくて、今回の池袋暴走事故の加害者や被害者どちらにも怒りも出していたりもしました。


更にはYouTuber の方のパターンもありました。

動画の閲覧数をあげたいのかは分かりませんが、パフォーマンス化された誹謗中傷に松永さんなどご遺族は、とても悩まれていました。コンタクトを取り、やめて欲しいと頼もうか悩んだこともありました。

これは、一次被害(事故そのもの)ではなく二次被害(事故以外の被害)になります。

一次被害を受けた遺族がそんな事で悩まなくてはならないこと自体が二次被害では無いでしょうか。

実はあるYouTubeさんに私からご連絡をさせていただきましたが、既読無視をされました。

見てくれたのならそれで良いと、その時はあえてそれ以上のアクションは起こしませんでしたが、そのYouTuberは随分と言葉を注意してくれるようになったと思いました。ですから少しは役に立ったのだと思います。


中には、『加害者への誹謗中傷は遺族望まぬ』という報道がされた時、誹謗中傷の対象が遺族に変わってしまったという残念なこともありました。

こんな連絡が来たのです   


『お前のために加害者に謝らせようとしていたのに、何様なんだ!』

これを見た時にもちろん、松永は悲しんでいました。

誹謗中傷は連鎖的に起こる物なのだと思いました。


私たちはこの社会的影響をうけ、改めて誹謗中傷のメカニズムを考えるようになりました。


専門家の意見も聞いてみたいですし、防止策を知りたいと思っています。

誹謗中傷ではなく、建設的な議論であったり、あくまで自分の心の吐露であって欲しいと思うのです。


私たちは改めて、この矛盾した法律と社会秩序、そして誰もが傷つかないSNSの使い方もふくめ発信していきたいと思っております。

来年度になりますが、命の里プロジェクトそして天羽プロジェクトにでこの議題を元に活動をしてまいります。


命の里プロジェクト天羽プロジェクト 



一般社団法人関東交通犯罪遺族の会 


SNS中傷で量刑軽く 矛先は遺族にまで…「こんなこと望んでいない」池袋暴走事故が示した矛盾 (毎日新聞) - LINEアカウントメディア https://u.lin.ee/IDY8lZW?mediadetail=1&utm_source=line&utm_medium=share&utm_campaign=talk