【武蔵野市立吉祥寺美術館】
「出久根育 展」
チェコからの風 静寂のあと、光のあさ
会期:2024年1月20日(土)ー3月3日(日)
行ってきました。
●出久根 育(でくね いく)さんは、
東京都生まれ。
1992年、武蔵野美術大学卒業。
1994年、最初の絵本『おふろ』を発表。
1998年、ボローニャ国際絵本原画展入選。
2003年、グリム童話『あめふらし』でブラチスラバ世界絵本原画展グランプリ受賞。
2006年、ロシア民話『マーシャと白い鳥』が日本絵本賞大賞受賞。
~その後も、数々の受賞~
2022年、チェコ、プルゼニ州西ボヘミア大学ラジスラフ・ストナルデザイン・芸術学部シンポジウムにてイジー・トルンカ賞受賞。
2002年より、プラハ在住。現在に至る。
デビューから30年。
出久根育さんの、今までと“現在”の約200点の作品が並んでいます。
チェコの風土や自然の空気を感じる世界観。
この独特な絵本の世界は、とても好きでした
ほとんどの作品は撮影NGのため”チラシ”の画像や、撮影OKエリアの作品。
↓『マーシャと白い鳥』
(再話:ミハイル・ブラートフ 文:出久根育 偕成社 2005年)
ちひろ美術館蔵
“⾚”が印象的で、赤いりんごの実が画面いっぱいに揺れ、女の子が揺らしている画。
ほのぼのとした本人の子供の頃を元にして描いた絵本や、『あめふらし』のような、求婚者たちに無理難題を言いつけ、99人の男の首を容赦なく切った”エキセントリックなお姫様”の物語を表現した作品があったり
可愛らしい動物や子供たちの作品と思いきや、どこか妖しげなキャラクターたちがでてくる作品など、見ていて全く飽きない。
それほど広くない展示室で、気付いたら1時間ぐらい滞在していました
↓『かえでの葉っぱ』
(作:デイジー・ムラースコヴァー 訳:関沢明子 理論社 2012年)
↑
左:『あめふらし』(作:グリム兄弟 訳:天沼春樹 パロル舎 2001年/訳:若松宣子 偕成社再刊 2013年)
中:『こうさぎとほしのどうくつ』(作:わたりむつこ のら書店 2016年)
右:『わたしのおにんぎょうさん』(作:でくねいく 偕成社 2023年)
『わたしのおにんぎょうさん』は、実話が元。チェコでの生活が長くなり、離れて暮らす両親に喜んでもらいたい、という思いから生まれ、主人公のおかっぱの少女は本人がモデルだそう。
絵本の原画が、直接見られるのは、良かったですね
↓『ぼくのサビンカ』
(文:ラデック・マリー/訳:出久根育 ブロンズ新社 2023年)
↓『チェコの十二ヵ月-おとぎの国に暮らす-』
(理論社 2017年)
出久根育さんの描く子供や動物は、魅力的で可愛らしい表情で登場します。
う~ん
⇩メインビジュアル《わたしはしっているの》は、この展覧会のために描かれたもので、
現在、出久根が展覧会に合わせて制作中の絵本『もりのあさ』(偕成社 2024年刊行予定) につながる世界。なのだそうです。
↓《わたしはしっているの》2023年
チェコの自然、空気、匂い、が感じられる作品ですね。
完成した絵本を読んでみたいです。
記念に買ったポストカード
地元の図書館に”出久根育”さんの絵本が何冊もあることがわかったので、週末にでも読みに行こうと思っています👟
あと数日。3/3(日)まで。
とても素敵な絵本の世界でした。
(2024/2 撮影)