医師の説明が終わると、全員で
集中治療室に移動した。



パーを消毒して、白い服を着てマスクをして入る。



室内は想像していたより一人一人のスペースがかなり狭い



皆、窮屈な空間に寝かせられている…といった感じを受けた。



息子は頭に何やら被せられ、酸素マスクをしていた。


本物の酸素マスクを見たのはその時が初めてだった。


血の気が引いているのか!?


青白い顔と酸素マスクのせいか



普段の息子の顔とは違って見えた。



美しい顔をしている。



そして、とても小さな身体に見えた。



この現状すべてが物語りのように思えた。




畳の部屋に戻ると姑が


『手術になって長引くかもしれないから

今の内に家に戻り、家を留守にしてもいいように…

それから
必要な物を用意して来なさい』


と言った。



義妹の車で家に戻ったが



何をどうすれば良いのか判断する能力は残っていなかった。



大きな紙製の袋に衣類などをただ詰め込んだだけで時計が過ぎた。



その間に義妹がコンビニに行っておにぎりと飲み物を買い出しに行ってくれた。




畳の部屋で皆でおにぎりを食べ



6時間経過する時を待った。



私は、その日病院の畳の部屋の中で



長男にわずかな言葉をかけた以外は



何も話せなくなっていた。


星空は深まって行った。



CFSの私の身体は
鉛に押し潰されたような疲れと


脳は
ずっしりと重くへばりついたコールタールのように固まった脳みそ化して



極限の疲労状態を超えて



辺りが黄色く見えていた。


遂に
医師が畳の部屋に


次男の容体を告げに入って来た。




つづくダウン




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