六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成
あらすじ
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行った新卒採用。
最終選考に残った6人の就活生に課せられたのは「1か月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをする」というもの。
選考の結果によっては6人全員で内定をもらうこともあり得るという。
6人は繰り返し集まり準備を進めた。その過程でお互いを尊敬しあい、「6人全員でスピラに入ろう!」と結束力が高まっていく。
しかし、本番直前に課題の変更が通達された。
「6人の中から内定者を1人選んでください」
ー勝ち残るのは1人だけ。その1人を自分たちで決める。ー
仲間からライバルへ。
閉鎖的な会議室で始まったグループディスカッションに追い打ちをかけるかのように発見されたのは6通の怪しい封筒。
「○○は人殺し」
次々と暴かれていく6人の嘘と罪。
犯人の目的とは。人の本質とは。
「ブランチBOOK大賞2021」大賞
「このミステリーがすごい!2022年版」(宝島社)国内編8位
「2022年本屋大賞」5位
感想
自分が見ている相手はその人の一面でしかないんだな。
当たり前のことだけれど、なぜか相手のことを分かった気になっていることってあるなと気づかされました。
信じていたのに。
裏切るなんて。
騙していたの?
でも、本当は知らなかった一面を知っただけだったりするんだと思いました。
だから、騙されていたのではなく、
物語が進むにつれて明らかになっていったのは、一面だけで「この人はこういう人だ」と信じていた自分自身だったのかもしれませんね。
最後には、みんないい人だと分かって嬉しくなりました。![]()
嘘をつかれたら傷つくし、なかなか受け入れるのって難しいです。
でも、嘘も真実もその人の一面にすぎなくて、見方が違えば「いい人」なのかもしれないですね。
就活が始まる!ということで読んだのに、6人の就活生がすごすぎて焦ってきました。![]()
