皇位継承の儀はお天気も良く、無事滞りなく一段落して本当に良かつたと心より寿ぎます。

 然し、ここで奉唱歌の「大丈夫」の言葉が昭和初期の私には気になつています。浅学にして以前の詩に「大丈夫」の言葉が使われたことがあつたかどうかは知りませんが、何と言つても言葉の時代差は大きいと思います。

 現在誰一人この奉祝歌に異を唱える人は居なく、自然の言葉で素晴らしいと皆が褒めています。私も褒めたいのですが、この「大丈夫」が昭和初期にはひそかに気になるのです。

 

 詩は、例えば「蛍の光窓の雪」、この言葉に一切が込められて居て、状況の解説は付きません。詩人薄田泣菫の選抜野球大会歌は「陽(ひ)は舞いおどる甲子園」で始まりますが、以前であれば、この「陽は舞いおどる、陽はおどる」のような種類の言葉が「大丈夫」の代わりに来ていたかも知れません。

 例えは適切でないかも知れませんが、結婚式の日は「本日はお日柄もよく」であつて、「大丈夫」は気になる言葉のように思います。

                                            (北斗記)