子供の頃 夜中のトイレが かなり怖かった 時があった…

当時は 二階建ての実家の 二階に部屋があったが トイレが一階にしかなく 夜中 トイレに行く時は 階段や曲がり角を 何もいないか確認しながら 行っていた

かなりのビビりだったと思う

そんな怖がりなのに ホラー映画は好きだった…

その日は 白い仮面をつけた男が チェーンソーや斧を 振り回す 映画を観た

当然ながら 夜中のトイレが 格段に 怖かった

恐る恐るトイレに向かって 用を済ませた後 トイレのドアを開けると つけたはずの廊下の電気が 消えていた

トイレの近くには 廊下の電気のスイッチは無い

トイレの中で 寝る事も考えたが 意を決して 部屋に帰ろうと すり足で進むと 足に何かが当たった

暗闇で目を凝らすと 歯が落ちていた…

人間 本当に驚くと 声が出なくなって固まる

ちょっとしたら それが 入れ歯だとわかった
なんだ 入れ歯かぁ と思い 拾おうとして屈んだ時に 前の方に 白い着物姿の人影が 視線の片隅に映った…

歯を拾おうとした体勢の私に その着物姿の何かが 近づいてくる

息も出来ないぐらい 恐怖で 固まっている私の 目の前までくると


あぁ そこにあったのね?
見つけてくれて ありがとうね

と 一緒に住んでいる 白い寝巻き(着物タイプ)のひいばあちゃんが 声をかけてきた

固まっている私を他所目に 入れ歯を拾い上げると 暗闇の中を 音も立てずに 自分の部屋に帰って行った