はっきり言って、書評する必要はあんまりないかもですが。
- さまよう刃 (角川文庫)/東野 圭吾
- ¥740
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先日、新型インフルの濃厚接触者となったため、2日間休んでいたのですが(結局シロ)、暇なので、
久しぶりに小説を読んでみました。
山口県光市の母子殺害事件を連想させる、深く、重く、哀しいテーマに取り組んだ傑作です。
途中で読むのを止められない。
妻を亡くし、最愛の娘との暮らし。その平穏な日々は突然終わりを迎える。
花火大会の翌日、娘は遺体となって発見された。
娘は、花火大会の帰りに、不良少年グループに拉致され、蹂躙されていたのだ。
犯人の一人を殺害した主人公は、さらに主犯の少年への復讐を近い、潜伏する。
主人公を追う警察。しかし、刑事は自問する。
「主人公を逮捕していいのか?主犯の少年を守ることになるのではないか?」
刑事は葛藤しながらも、事件解決に進んでいく。
犯人側の人物像の描写が秀逸で(すごく無責任で身勝手)、哀しい宿命を背負った主人公の悲壮さが
一層際立ちます。
少年犯罪に対する処罰について、深く深く考えさせる著作となっています。
この値段はまさにバーゲンプライス。
では、また。