夕空はれて 秋風吹き

月影おちて 鈴虫鳴く

(中略)

「この歌を、地下壕掘りを終えた帰り道、海軍の少年兵たちが口ずさみながら歩いていったんですって。

ご存じ?硫黄島には、16歳の兵隊さんもいたんですよ」

思えば遠し 故郷の空

ああ わが父母いかにおわす

「16歳なんてあなた、まだ子どもですよ。どんなにか、いえにかえりたかったでしょうねえ」

これは硫黄島の総指揮官・栗林忠通さんの遺児の言葉です

戦後、日本に返還された硫黄島をはじめて訪れたときに生還者から

「このあたりを少年兵たちがよく、みんなで歌いながら歩いていたんです。

まだ子どもっぽい声でした。海軍の司令官だった市丸少将は

歌声を聞いて涙を流されたそうです」

通りかかった市丸少将は、咎めようとする士官を黙って制し、

目を閉じて聞き入った。そうです


「散るぞ悲しき」硫黄島総指揮官・栗林忠通・・・梯 久美子 著より

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いま読んでいる本ですが・・・

私は尊敬できる人が一人増えました・・・栗林忠通中将です

また、玉砕の地であった硫黄島においても少年兵の悲惨な最期があったと思うと

心が痛みます・・・