ココヤシ村で、一発、また一発と花火が打ち上げられてゆく。
星の瞬く夜空を、華麗な大輪が彩ってゆく。
「すーげェなあ!」
「ま、戦勝祝いは派手にやらんとな。」
ルフィが歓声をあげると、サンジは煙草に火をつけながら応えた。
ゾロとナミは、皆が盛り上がっているところから少し離れた茂みの中から、光景を見守っていた。
望んで二人になったわけではない、妙な緊張感が場を包む。
「ゾロ、傷、だい、じょう、ぶ?」
ナミがぎこちなく聞くと、ゾロはあぁ、とだけ呟いた。
「かすり傷だ」
「またまたぁ、そんなこと言って、痛いくせに。」
いつもの調子でナミが意地悪く笑うと、ゾロは訝しげにナミを見る。
「…何よ」
「や。…まぁ、この話はやめとこう。」
「何よ気になるじゃない!言いかけたんなら最後まで言いなさいよ。」
「じゃあ…。」
ゾロが重たい口を開く。
「お前、アーロンに何されてきた?」
「…!」
ナミが戦慄する。その表情に、ゾロはまいった、という顔で俯いた。
「…寝る。眠ィしな。」
「お、おやすみ」
「おやすみ」
(まずった…。「あの顔」は…そういうことだ)
ゾロは先刻の一瞬で確信した。
ナミは――魚人たちからの性的な暴行を受けている。
(殴る蹴るでおびえるような女じゃない、もっと精神をボロ雑巾のようにする、陰湿な
やり方でなければ、アイツがあんなにまでおびえてたことはないだろう。)
「くそ…っ。」
異常な胸糞の悪さにゾロは吐き気まで催した。
急ぎ足で、寝室へ向かう。
幸い、誰もいなかった。一人になりたいときはちょうどいい、とゾロは思った。
外ではドンパチと花火があがっている。
ハンモックで身を横たえさせると、ゾロは目を瞑った。
脳裏に過るのは、妄想。
およそ生き物とは思えない冷たい魚人の手が、ナミを甚振る様。
ナミの白い肌が露わになったところで、ゾロははたと目を開けた。
「なんで起つんだよ…こんな妄想で、俺ァ…。」
ふいに、こんこん、とドアが鳴る。
「ナミだけど。入っても?」
「――ちょ、ま」
「失礼しまーす」
止める前に、ナミは寝室へと入ってきてしまった。
ゾロは、なるべく屹立しているソコを隠すように、ナミに背を向けて寝転がる。
「…さっき、答えられなかったじゃない?」
「別に…いい」
「聞いてよ。仲間だから、知ってほしいことってあるのよ?」
「・・・なんで俺なんだよ」
「だって、ほかのやつらは今お楽しみの最中だし。」
「おたのし…?ああ、花火か。」
(なんでも卑猥な方向へ持っていこうとするな!俺!)
ゾロは心の中でそうひとりごちた。
「アーロンにね」
「私」
「毎日、毎日…」
「それ以上言うなっ!」
ゾロは、かつて敵であろうと見せなかった剣幕で、ナミを怒鳴りつけた。
「・・・・!」
ナミは竦んで、あと一歩で悲鳴をあげるところで硬直した。
「くくく、ははは!あー・・・やっぱりなぁ?」
「ゾロ?」
ゾロはにやにやとしながら、ハンモックを降りて、ナミに歩み寄る。
「その胸も、そのケツも。魚人に育てられたってわけかよ。」
品定めするような目線を送ると、ゾロは大きくにやりとした。
「なんっ…サイッテー。なんなの?ケンカ打ってんの?仲間だからはなs」
ナミが混乱まじりのあきれ顔を背けて、部屋を出ようとするその手を、ゾロはしっかりと掴む。
「…放しなさいよ」
「断ると言ったら?」
「殴るわ、思い切りよ。」
「殴れよ。いつも殴ってるみたいに。」
(何なんだ…なんでこうなった…俺は…何を言っている?何をしている?)
(こいつを傷つけているだけなのに…)
「このっ…!」
ナミの拳が、ゾロの額へと振りおろされる。
しかし、ゾロは微動だにせず、ただいやらしい笑みを浮かべただけだった。
「こうやって…。」
ゾロはナミの手首をつかんで体を引き寄せると、噛みつくように首元へ唇を落とした。
「――っ!ひ!」
「抵抗できねぇようにされてよ…ンでもって。」
「ゾ…ロ…?」
「性感帯を隅から隅まで調べられたんだろ?」
ゾロの唇が、ツーッと首筋をなぞると、ナミの体はビクン、と跳ね上がった。
「や…いや…やめ…」
「顔が真っ赤だぜ、ナミ。」
「い、や…いやああああっ!!」
ナミの叫びは聞こえない。
花火の音にすべてかき消されてしまうからだ。
悲鳴も、喘ぎも、懇願も、すべて。
そして、花火の音が鳴りやんだのも、ゾロによる蹂躙が終わったのも、朝間だった。
事が終って、ゾロはナミを背中から抱いていた。
ナミは、ゾロの腕の中で小刻みに震えている。
「どういう…つもりよ・・・なんなのよ・・・なんでこんな・・・」
「分からねぇよ、俺にも」
「どうして…!」
「なんでだろーな。」
(きっと言ってしまったら、すべてが散るだろう、花火みてぇに。だったらあぶねぇ火薬のまま、持ってたほうがマシなんじゃねぇのか)
(俺へのトラウマで、上書きできたなら。)
(これは、ただの我儘だ。)
fin
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えーお届けしましたのはゾロナミでレイープですねw
ここまで読んでくださってありがとうございます。
お持ち帰り不可となっております、御了承ください。
