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それでも僕は生きて行く…。

ブログの説明を入力します。最愛の一人娘に突如 襲いかかってきた急性骨髄性白血病… それに立ち向かう家族の話。

サニーキッチンの賢太郎くんが美優に鬼ヶ島さんを会わせてくれた方達と食事会の席を設けてくれた。

結果的にこの方達の存在が美優が息を引き取る僅か2時間半前に鬼ヶ島さんを美優の病室に招くことができた直接的要因になった方達だった…
美優は意識がなくせっかくの鬼ヶ島さんを前にして喜ぶことも話をする事も叶わなかったが…

順天堂病院の脳外科の先生は…
「美優ちゃんは判っていますよ…  お父さんとお母さんが鬼ヶ島さんを約束通りに呼んでくれた事を… 」と言ってくれた…

先生は…
美優ちゃんは受け答えできない状態でも鬼ヶ島さんが病室に来てくれた状況は理解できる病状だった…
という意味をあの時の言葉に含ませてくれた…

本当のとこ それは …
美優本人しか知り得ない事のはずだが…

脳医学専門の自分が…

"判ってる"  と言い切る事が…
きっとこの先でこの夫婦の悲しみを和らげる何かになればと思って言ってくれた言葉だったのかも知れない…

けど先生の美優ちゃんは…  "判ってます"
のおかげで僕達は会わせてあげれたと信じる事ができている…





僕と裕子は少し緊張しながら待ち合わせの店に向かった…

いつもは時間に超ルーズで草野球の集合時間は僕だけ1時間前を告げられる…
ゴルフのスタート時間は30分前を告げられる…

それくらいに僕は時間にだらしない…

でもこの時ばかりは遅れる事に甘えはなく…  もし遅れようものなら自分で自分にバックドロップを決めるくらいのつもりでいた。

裕子
「 ねぇ… いくらなんでも早く出過ぎじゃない?  一時間もあれば着いちゃう距離をなんで二時間半も前に出るの? 」

「 バカだなぁ… 裕子がもし社会でバリバリ働く人だとしたらそんな考えじゃまず出世はムリだな!  いいか! 俺は必ず1度は道を間違える…  て言うか車線を間違えて曲がりたいところで曲がれないんだよ…
流れに乗って進むしかなく気づいたら今いる場所が何処なのかもわからなくなるんだよ! 東京は 千葉とは違うんだぞ…
強引なUターンとかできないんだぞ 」

裕子
「 ふ~ん…  じゃあ電車で行く? 」

「 バカっ! それはもっと危険だぞ!東京には路線がいっぱいあってあれはほとんど迷路だぞ!  地下鉄なんかで迷うと二度地上には出れないんじゃないか?と思うくらいだ…   京成線一本の地元と同じ感覚でいたら泣き見るぞ!」

あーでもない、こーでもない、と言いながら約束の2時間半前キッカリに僕らは家を出た…

約束の地は三軒茶屋で約束の時間は20:00

18:30前には現地に到着していた…(笑)


裕子
「 ねぇ…  早過ぎない…? 」

「 バカ! だから出世できないんだよ…
約束の一時間半前に着いてるのは大人として常識だぞ… 」

裕子
「 …  …  」

「優秀な大人は約束の時間までにゆっくりコーヒーを飲めるくらいの余裕を持つのが基本だよ…  だから東京は喫茶店が多いんだよ」

と言いながら僕らは喫茶店に入ってとりあえず時間を潰す事にした…

コーヒーを2つ頼んでお互いスマホをいじくりながら何となく時間は過ぎていく…   

ずっと家から出ない生活をしているから外の空気が新鮮に感じる…

僕はスマホをいじくるのをやめて窓の外の行き交う人の流れを眺めていた…

まったくの他人事のように眺めながらもこの1人1人にその人なりの物語がありその中で皆 懸命に生きているんだなぁ…
としみじみと感じていた…
その人なりの幸せと喜び、苦しみと悲しみの中を懸命に皆が生きているんだ…

苦難の中で必死にもがいてる人は必ずいる…    僕と裕子ばかりが特別な事ではないんだと思えるようになりたかった…


店内の時計をキョロキョロ見て裕子は何かを悩んでる様子だった…

「 ん⁉  どうかしたか…? 」

裕子
「 ねぇ パパ… あと一時間くらいあるけどさぁ…   これ食べたら食事食べれなくなるかなぁ?  」

と言ってメニューのパンケーキの写真を指差す…

「 はぁ⁉  そんな事悩んでたのか?(笑)」

裕子
「だってぇ…(笑)  」

「 食べなよ(笑)  何で悩むのかわからないけど悩むほどの事じゃないような気がするが… 」

裕子
「あっ!パパっ! また そういう事言ってると美優が怒るんだよ!」

こういう場面は今までも度々あった…

僕から見てつまらない事で悩む裕子や美優をバカにしたような態度をとると美優は決まって…

美優
「 ねぇ!パパ! なんでそうなの? こういう事が気になっちゃう人の気持ちとかわからないのはわかるけどさぁ~ ちょっとは分かろうとその人の気持ちを想像してみようとかって思わないの?  
パパが理解できないだけでパパの感覚が正しいなんて決まってないんだよ~!
あぁ~~ぁ! ムカつく! その自信満々な態度!
誰かパパのことギャフンと言わしてくれないかなぁ~
本っ当! ギャフンと言わしたいよ! 」


「  美優!美優!」


美優
「はぁ⁉ … …  」


「…  …  … 。   ギャフン! (笑) 」


美優
「 真面目に聞けっ‼  ばかっ‼ 」


美優とした会話が瞬時に甦り脳裏をかすめた…

今なら自分以外の人の気持ちを想像できるような気持ちになる…

自分とは違う人の悩める苦悩を理解できずとも判ろうとする努力…  
相手の気持ちを想像してみるということを今まで以上にしたいと思えた…

「 裕子… 後で後悔するくないならイッちゃえよ!  頼んじゃえ!  この後食べる飯がマズかったらどうする⁉   食べとけばよかったーー!と思うぞ!
それに例えお腹いっぱいになって食事が進まなくても誰の迷惑なんかにならねぇよ!
そもそもお前の食いっぷりを見に皆さん集まってくる訳じゃないしな!」

裕子
「 なんかムカつくけど!  よし!食べちゃおう♪  あぁ~  美味しそう♪ 」

以前の僕なら…

"知らねぇよ! 好きにしろよ!"

と言っていたと思う…

裕子とはこれからこの世で二人きりの家族になる…

"子はかすがい"と言うように今まで幾度かの夫婦の危機を美優の存在が救ってきてくれたような気がするが…

これからは裕子と二人の生活 …

裕子の気持ちを想像してみよう

もっともっと裕子の気持ちに敏感になろうと素直に思えた…

腹を痛めて生んだ最愛の娘を失って悲しみを抱える裕子の心をこれ以上余計な事で悲しめるのは残酷過ぎる…

パンケーキを頬張る裕子の笑顔を見ながら素直にそう思えた自分が嬉しかった…

家を早く出過ぎたおかげて時間潰しに立ち寄った喫茶店…
やっぱり優秀な大人はコーヒーを飲めるぐらいの余裕ある行動は基本だなぁ…(笑)

散りばめられた美優からのヒントに気付けるだけの余裕はなるべく持とう…





約束の時間15分前になり喫茶店を出てすぐそこのしゃぶしゃぶ屋さんに到着して予約を入れてくれた"広瀬さん"の名を伝えた…

奥の座敷に通されたがどうやら僕らが一番乗りみたいだ…

タバコを一服しながら皆さんを待つ…

裕子
「 パパ。いつも待たせる側だから待つのが落ち着かないんでしょ(笑)」

「うん…  そうかも…」

別に…  人を待つ事に落ち着かない訳ではなかったが恩人さん達に会う前に思い出していた…

賢太郎くんにお願いした日の事や今野さんと電話で話をした日の事などを…

そして受け答えができずとも鬼ヶ島さん達を前にして涙していた美優の気持ちを考えていた…

僕は我に返りこの先に続く思考を慌てて止めた…   

この先はいつも迷い道に迷い混む…

それを思い出した…

今は電話での今野さんの優しい口調や六本木で会えた広瀬さんの懐の深さ…
美優の為に…  
と思ってくれる賢太郎くんの真剣な眼差しを思い出し優しい気持ちのままでいたかった…

美優が鬼ヶ島さん達を前にしてどんな気持ちで涙したのかを考えると寂しくなってしまう …

それがたとえ…

ママありがとう…  パパありがとう…

だったとしても寂しくなってしまうのは避けられないとわかっていた…




個室の戸が開き…
見覚えのある方が被っていた帽子を取りながら…

ユキオさん
「はじめまして…  よしもとクリエイティブエージェンシーの植野です…」

「 あっ! はじめまして…  高橋です…
美優の父です…   あっ… ハーフ芸人さんで有名な植野ユキオさんですよね…?」

ユキオ
「 いや…!僕なんかはまだまだ有名じゃありませんが…  そうです… そんな感じで最近ちょいちょいテレビに出させて貰っています…  植野ユキオです…」

「 植野さん… 植野さんにもいろいろ鬼ヶ島さんを呼んで頂くのに協力してもらったと聞いております…  
本当にありがとうございました。」

ユキオさん
「 いえいえ…  そんな事ないですよ…
本当に…  もう…   全然…  そんな…  」


やっぱりというか…  

当然そうなってしまうのは仕方ないというか…

ユキオさんは僕ら夫婦を前にして少しだけ…  何を話そうか…   どう接すれば良いのか戸惑っている様子が伺えたが…
それを感じた僕はやっぱり素晴らしい人だと思っていた…
この後集まって来てくれる今野さんにも広瀬さんにも同じ事を思っていた…

美優の完治の願いは叶わなかった…

その結果の中での対面は望んだ僕より望まれた人達の方が苦しいだろうと察していたがそれでもこうして来てくれた事に僕の感謝の想いは強くなっていった…

重く苦しい瞬間が幾度とあると予想できる会食の席に仕事でもない取引先でもない恩があるわけでもない…  
恩があるのは僕らの方なのに重苦しくなるであろう場に来てくれる懐の深さはそのまま人間の大きさを僕に感じさせてくれていた…

ユキオさんに苦しい想いをさせる訳にはいかないぞ!

と思い会話をしようと思った矢先に…

お店の人から…

店員
「 お連れ様お見えでーす。」と…

賢太郎くん、広瀬さん、今野さんと続けて到着してくれた。

今野さん…
僕は立ち上がり今野さんに手を伸ばしてこれまでのお礼を述べさせて頂いた裕子も隣でお礼を伝える…


今野さん
「浩輔さん…  本当にもうお礼の言葉は充分ですから…   今日こうして会うことができて嬉しいです!」

と言って頂いた…

それから間もなくして高橋さんと鬼ヶ島の野田さんも到着して会食が始まった♪

大川原さんと和田さんは仕事の都合で
次の機会にという事で今回は残念だが会う事はできなかった…


食事をしながら美優の事は当然話題にのぼったけど…

想像していた重く苦しい空気にはならなかった…

不思議と皆さんで食事を楽しみ会話を楽しむことが自然とできた…

今野さんは自分でブランドを立ち上げ都心で店を構え日々ハイセンスでクオリティーの高いものを生み出す努力をしている…

広瀬さんはテレビ番組を作る製作会社の社長…

二人共 歳は僕より1つ下だが年上のように感じるくらいの"やってきた雰囲気"を感じる…

重苦しい空気になるのを何となく覚悟していた気持ちも余計な心配に終わった…

今夜集まってくれた方達に甘えて僕も裕子も楽しい空気に乗っけてもらい会話を楽しんだ…

野田さんはユキオさんと芸人の世界の裏話をしてくれてそれを楽しく聞かせて貰って…

広瀬さんは仕事柄 有名人の人達と交流がありテレビではなかなか観れない違った面の話をしてくれる…

今野さんは僕も好きな格闘技の話や今後のご自身の仕事の展望を話してくれたりして…

やっぱり… すげぇなぁ~!  
と思ったのはユキオさんの会話の才能…

とにかく話してくれる事に聞き入ってしまう!

うん!それで! それからどうなったの?

と身を乗り出してしまうくらいに話が上手で…  楽しくて…  ウケる♪

僕と裕子だけではなく自然と皆がユキオさんに集中してしまう…

けどユキオさんはこの場の空気を自分だけの一色にはしない…

しっかり笑いを取ると凄く自然体に別の人に話題をふる…

ふった先の野田さんの話がイマイチな時にはフォローしながら話を盛り上げる!

それが続くと先輩のはずの野田さんにもキツめのツッコミを入れるが野田さんは…   

野田さん
「 ユキオちゃん~!  ありがとう~!
いいツッコミで助かったぁ~ 」

でみんなが笑う!(笑)

まるで計算されてたかのような…

僕は笑いながらも…
ユキオさんみたいな人がコミニティーに1人いればそのコミニティーに孤独を感じる人はいないだろうなぁ♪  と思っていた…

ユキオさんは才能を正しく使っていると思えた…



この夜は本当に楽しかった!

いや… "皆さんに楽しくさせてもらった"

と言った方が正解かな♪


今野さんも広瀬さんも会話の中で近い
将来に楽しみをセットしてくれるように…

広瀬さん
「浩輔さん! 今度〇〇さんの舞台を観に行きましょう♪   面白いですよ♪ 」

今野さん
「 今度は〇〇屋に飯食べに行きましょう!  ほんと旨いですから♪ 」

こんな感じで次の機会を自然な流れで
演出してくれた…

そこに言葉はなくても… 

"改めて…
付き合いはここから始まりますよ。"

と言ってくれた気がして僕の心は…

"また会える。"  
という喜びを感じながら…


「はい!是非またご一緒させてください!  今日はありがとうございました…」

と伝えて…   美優の写真を手に持ち…

「 美優も皆さんに会えてきっと喜んでいますよ…   意識がないのに鬼ヶ島さんに会えて涙を流すほどでしたから…

そもそも美優に鬼ヶ島さんを会わせたいと言ったのは裕子でした…

正直…  
雲を掴むような思いで動き始めました…

それが実現した事は大きな喜びで大きな希望にもなりました…

…  …     …   美優が旅立って …  寂しさの中…

幼少の頃からを自然と思い返す事があります…       僕も裕子も…   

もっとこうしてあげれば良かった…
もっとあぁしてあげれば良かった…
と思う事ばかりです…

強烈な寂しさの中その思いに囚われてしまうと…     口では言い表せないような…
苦しくて…   苦しくて…
それは…昨日も今日もありました…

きっと…  明日も… 
明後日もあると思います…

けど…  けどですね…  
美優が大好きな大好きな鬼ヶ島さんに会わせてあげれたという事を思うと…

僕も裕子も…   
大いに救われる気持ちになります…

親として少しは…   
"やれた"と思える想いが…   …   …    

この想いはきっと…  
明日も明後日もくる苦しみの中から僕と裕子を救ってくれると思うと明日からの日々に勇気を持つ事ができます…

皆さんがして下さったことは…
本当に…  本当に…  僕ら家族にとっては…
大きな大きな意味を持つ有難いことです

本当にありがとうございました…   」


最後になってしまったが…
なんとか泣かずに伝えられたことに…
ほっとした…

今野さん…  広瀬さん… ユキオさん…

賢太郎くん…

皆さん…  とくに何も言わないが…
余計な謙遜もしないでいてくれている…

僕と裕子と美優の…
"感謝の想い"を受け取ってくれた…

そこもまた優しい…


皆さんに会えたら伝えたいと思っていた想いを伝える事ができて心底ほっとした

そして…   
実際にこうして会えて感じた事は…

" 本当に優しい人達だ…
想像していたよりも懐深く優しい "



最後に全員で写真を撮って楽しい夜は終わりを告げた…





店の外で次回を楽しみにしながら軽やかに挨拶を交わし皆さんと別れた…

行きは都内の仲間に会うという事で別々に来た賢太郎くんを車に乗せて佐倉まで送り届けた…

完全に酔っ払った賢太郎くんはいつものクールな感じは消え(笑)いつにも増して饒舌だった…

賢太郎くんが話してくれる会話の中に知らなかった事が沢山あった…

彼も自分の人生を闘ってきたのだと思った…

サニーキッチンで見せる笑顔の裏には闘っている賢太郎くんがいるのを知って…

人の奥深さを改めて感じる…

人を軽く見てはいけない。と肝に命じる気持ちになった…

どんな人でもその人なりの大切なものがある…    その人なりの闘いがある…

みんなが懸命に生きている…

正直…  毎日が苦しい…  1分1秒が苦しい…

悲しみとの闘いというよりも凌いでいるというのが今の僕の闘いだ…

美優がギャフンと言わしたい自信満々の僕は今はいない…

些細なことですぐに心揺さぶられる不安定な今の自分ではいるが…

そんな中でも… 
僕は美優が旅立った日からずっと何か大切なものを見つけようとしている…

日に日に増えていくスピリチュアルな本の中に…

"偶然はない…すべては必然です…
おこる事象すべての事に意味がある"

と書いてある…

それをそのまま納得することなどできない考えを僕は持っている…

けどその否定的な考えは救いにしてるはずの死後の世界の否定に繋がると思い口にせずいた…  

無理矢理にでも自分を洗脳したかったんだと思う…

けどこれからは無理矢理な自己暗示ではなく…  無理矢理な自己洗脳でもなく…

本当の意味を知るために…

"すべては必然…"

この言葉の意味を広く考えてみようとしている自分がいるのを認めた…

" すべては必然… "という言葉が納得できていない自分に苦しさも憤りも感じない…

むしろ納得できなくて当然なのだと思う…

それはこれからの人生の中で知っていくべき事なんだからだと思えた…

僕は裕子と美優に出会えた人生を否定する気持ちは微塵もない…

あるのは感謝だけだ…

仲間にも恵まれた…    

出会いにも恵まれ続けてる…

けど…   どうしても…

美優との別れを自分で望んだなんて思えない…

もし本当にこの世に降り立つ前の僕がそれを望んだのならばそれは僕ではない…

僕であっても断じて僕ではない…

もし…この世に降り立つ前の僕が美優の命と引き換えに"大切な何か"を学ぼうなんて思ってそうしたのなら即刻 僕は僕をやめる…

やっぱり…   " すべては必然 "  なんて…

納得なんてできる訳がない!

と…   思いつつも…   

納得できないのは何かを間違えて捉えてしまっているのか…?

見方を変えたら納得することもあるのか…?

立ち位置を変えてこの言葉の意味を考えたら別の違う意味として見えてくるのか…?

この時期 どうにもならない苦しみの中で
本にすがった…

この世に生きる僕はこの世の単純な事は
解る…     人は生まれて天寿がくれば意思に関係なく死ななければならない…

この事は美優が教えてくれて深く知っている。 あの世があるのも何となく解るし  あると信じている…

この世から…  あの世へ…  

そして…

あの世から… この世へ…

このサイクルの中で永遠に生きて行かなければならないなら悲しい事など設計に入れず幸せな事だけを組み込む事は出来ないのか?

と単純に思ってしまう…

いつか僕の寿命が尽きる時が必ずくる…

あの世である一定の時間を過ごせば僕は

またこの世に修行にくるのだろうか…

あの世で幸せな光に包まれながらも
唯一足りないものが向上心を満たせる
環境だとか …    

要するに厳しい環境はあの世にないのだろうと想像する

今生 僕は自分の魂を鍛えるために自分で決意してこの世に来たのならば来生はないと思う…

あの世で美優と再会して裕子も揃ったなら苦しみのないあの世で永遠過ごせば
こんな苦しみを味わなくて済む…

本には…   魂は向上心があるため今の安らぎが退屈になり また厳しい環境に自分を置きたくなる    と書いてある…

確かに…  
と思ってしまう部分は僕にもある…

何もしない日曜日…

10時くらいに目覚めてダラダラ何もしないで本とDVDとお菓子とコーヒー…

明日の仕事の準備は万端…

何も心配事が思い付かないそんな休日…

昨夜の質の良い睡眠のおかげで体調も悪くない…

裕子と美優も穏やかな感じの日…

好きな本を読みながら手を伸ばせばコンビニで買い込んだポテトチップス…

外を見れば空は快晴…

平和過ぎるくらいに平和はな時間が流れて穏やかな幸せを感じてる休日…

毎日こんな状態が続けばいいなぁ~
これが幸せか~ぁ

なんて事を思ってみても日が暮れて夕飯を食べ終え胃の中の消化が始まったあたりから何故かイライラしてきて突然に筋トレを始める時がある…

それでも満足できずにジャージに着替え
ランニングをしに外に飛び出す!

汗が滝のように出て肺が破裂しそうなくらいになってもそこからさらにギアを上げてのラストスパート…

1日中 本とDVDとお菓子とコーヒー…

食っちゃ寝ぇ  食っちゃ寝ぇしかしていない1日なのに…

呼吸が整う頃には何とも言えない充実感に満たされて…
1日を一生懸命に生き抜いた満足感という錯覚…

そんな日がちょくちょくある…

それが…  本に書いてある… あれか?

あんな感じで皆 安らぎを捨ててこの世に
降り立つのか?

確かにこの世は苦しみ悲しみだけなんて思わない!
幸福と喜び  楽しみだって十分あるのは知っている…


けど…  


来生だって死別の苦しみは


さけられない…


見送る側…


見送られる側…


どっちも嫌だ…


それでもこの世に


修行にこなければ


ならないのなら…


正気でいられる保証は


何もない…


スピリチュアルな本は


僕の悲しみを


やわらげてくれるが…


同時に疑問も


与えてくる…


1つの問いに


1つの答えは返ってくるのか?


悲しみを乗り越えようと


僕らはあの世とこの世を


深く知りたいと思って…


ある種の…


憧れに似た思いが芽生えていた


のかも知れない …  …