「面白い・・・」
家老が、またもニイッと笑い、刀を右肩上に突き上げるように
構えた。
(あの構えは、ただの八双じゃねえな。あれァ、たしか薩摩の・・・)
写楽が思い浮かべた薩摩の「示現流剣術」は、
この時代、すでに存在していた。
『初太刀(第一撃)に全てをかける』が特徴の、凄まじい剣速の
必殺剣である。
幕末の新撰組も、薩摩のこの剣法には手を焼き、局長の近藤勇が、
「薩摩の初太刀は外せ」と隊士たちに言い聞かせたほどだという。

(色男、大丈夫なのかい? 殺られちまったら、おさよ坊の
 なぐさめようがねえぞっ)

家老に対峙する沢村は、「居合い腰」のまま、家老の初太刀を待っている。
沢村も、家老の剣が示現流であることをわきまえているようだった。

動かぬ沢村。
じり、じりと間合いを詰めてゆく家老。

(これァ、一撃で決まるな・・・)

写楽がそう思った瞬間、先ほど煙管で殴り倒した若侍が、
「ううむ・・・」
と、息を吹き返し、大刀を掴んで立ち上がろうとした。

「おっと、おめえさんは、もうちょっと眠ってな!」

写楽が再び喧嘩煙管で若侍の首筋を強打した、

──刹那!

沢村と家老の身体が、同時に躍動した。


                    (つづく)









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