昨年末、ケアラーズカフェのお客さまをご紹介いただき、
服を作らせていただきました。
認知症のお母さまを在宅介護されている娘さんのご依頼でした。
お母さまは骨折されてほぼ寝たきりの状態で、お着替えに苦労されていたので、
袖が開くようにお作りしました。
お着替えも楽になり、新しいお洋服で気分も明るくなったと、とても喜んでいただきました。
その後もケアラーズカフェでお会いして、お話を伺っていたのですが、
最近は体力がだんだん回復してきて、普通の服でも着られるようになってきたとのこと。
そろそろ暖かくなってきたし、春らしいものを一着お願いしますと、ご依頼をいただきました。
今回は、薄いピンク色の生地で、襟元は春らしい花柄を選んでみました。
襟はスッキリとしたスタンダードな形で、少し身体のラインに沿ったシルエットです。
介護の最中は、お身体の状態がいろいろと変化することもあります。
今回のように、良くなることだってあるんです!(*^^*)
この服をご着用になるとき、お母さまはご自分でボタンをパチパチと留められたそうで、
娘さんはびっくりされていました。
前回は、お着替えの時短のために、ボタンではなくファスナーにしていました。
今回はボタンにしたことで、ご自身で着脱ができたことに、私はとても嬉しく思いました。
今回の服は、袖を開いていませんが、
今後、もしまたお身体の状態が変わったとしても、
お袖を開いたり、ボタンを別物ものに変えたり、さまざまなカスタマイズができます。
身体や環境が変化するたびに別の服を買うことは、時間も労力もお金もかかります。
服をたくさん作れば、環境にもよくありません。
着る人に寄り添う服。
その人らしい、気持ちが明るくなる服。
そんな服を作っていきたいです。