昨年12月の難病カフェで、ご相談をいただいた方のお宅を訪問させていただきました。

パーキンソン病の方で、ズボンを履くのが難しくなってきて困っている、とのことでした。

 

家の中で”レキ”を使っていると仰っていたのですが、「レキ??」がわからなくて調べました。

山登りの際などに使う、2本のステッキなんですね。

(ご本人の承諾をいただいて写真を撮らせていただきました)

 

ステッキを持った状態で、ズボンを履くのはかなり難しいと思います。

片足で立てる筋力はどれくらいなのか、可動域はどれくらいか、お会いしてみたいと思いました。

 

自社アイテムのファスナーの付いたズボンと、

ちょっとした小道具を持参して試していただいたところ、上手くいきそうだったので、

お手持ちのズボンを加工することになりました。

同じようにお困りの方も多いかと思いますので、ご紹介させていただきます。

 

 

こちらは、お客さまがお持ちのジャージのズボンです。

 

両足の前面を切り離して、ファスナーを縫い付けました。

このファスナーは、上下どちらからでも開くファスナーです。

今回は、すそ側から開いてウエスト部でつなぐように縫い付けています。

 

そして、

右の外側と内側に白と水色のフェルトを縫い付けました。

 

左は外側だけに水色のフェルトを縫い付けました。

 

ここで、小道具を用意します。

白の洗濯ばさみに短い紐と長い紐を結びます。

それぞれの先に、水色の洗濯ばさみを結びます。

 

着用する前に、白いフェルト部分に白の洗濯ばさみをはさみます。

長い紐の先の水色洗濯ばさみを右の内側の水色フェルト部分にはさみます。

 

その状態で、両方のファスナーを全開にして、腰に巻き付けます。

ずり下がらないように、短い紐の先の洗濯ばさみを反対側の水色フェルト部分にはさみます。

 

長い紐を右足でまたいで、紐を手繰り寄せて、股の間からズボンの内側を引っ張り上げます。

そして、まず右側のファスナーをつなぎ、左側のファスナーもつなぎます。

※持ち手がふたつありますので、しっかり合わせてからつないでください。

 

ファスナーを下に下げて閉じていきます。

この時、前かがみになりますので、ひざから下は椅子に座ってから閉じてください。

 

脱ぐ時は、上のファスナーを少し開いて、椅子に座って足から抜いてください。

着るときにはファスナーを全開にしますので、

脱いだあとは、すそから上にファスナーを上げて、ふたつの持ち手を重ねて外します。

 

 

言葉にすると長くなってしまいますね。(^_^;)

動画を撮ってみましたので、こちらをご覧ください。

 

 

 

 

足の動きは、紐をまたぐときだけなので、とっても楽に着脱できます。

 

『ズボンを履く』という動作は、足の筋力がないと難しいですが、この方法なら自分の力で着脱が可能です。

 

 

すべてのお客様宅を訪問させていただくことは難しいですが、できる限り直接お会いしたいと思います。

お会いしてわかること、気づくことがあります。

ご協力してくださるお客様がおられることで、多くの事例を蓄積していけるのです。

実際にご着用いただいて、さらに改良していけたら嬉しいです!(*^^*)

 

これからも、さまざまなお困りごとを解決していきたいと思います。

 

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