北陸で地震があるたび、

安否を確認させていただいているお客様がいます。

 

以前、広島で大雨が降った際は、

とても心配してくださって

お見舞いメールを送ってくださいました。

 

 

ほぼベッド上で生活されている方ですが、

「自分で出来ることを諦めずに生活したい」というお気持ちで、

服をご注文くださっています。

 

主に、ズボンを作らせていただいていますが、

最初にお作りしたものから少しづつ改良を重ね、すでに6着以上になります。

 

ウエストのゴムの締まり具合など細部にわたって話し合いながら、

いっしょに服を作り上げていくので、

お会いしたこともないのに、

身内の方のような気がしています。(*^^*)

 

こうのふくオリジナルのダブルガーゼ生地を

「肌触りが良くて気持ちいい」と、

気に入ってくださって、

いつも紺色の生地でお作りしています。

 

 

 

 

 

 

今回は、持ち手がリングになっているファスナーを使いました。

ファスナーの歯が太いものをご希望だったので、

ビスロンファスナーにしました。

お客様ご自身が、ネットで探されて「こんな感じのものです」と、

ファスナーの写真を送ってくださったので、イメージがすぐわかりました。

 

体重がかかった時に、

ファスナーの歯があたっても痛くないように、

持ち出し布の部分を工夫しています。

 

実際にご着用になるまで、

「あれは大丈夫だったかな、ここのサイズ感はどうだったかな」と、

とてもドキドキします。

 

いつも、ご着用後にご感想をメールで送ってくださって、

良かった点や、次回の改良点を具体的にお伝えくださいます。

とても誠実で、素敵な方です。

 

 

出来上がったものをそのまま販売するのではなく、

着る人の状態や環境に合わせていくのは、簡単ではありません。

 

いつも正解のものをご提供できるかどうかもわかりません。

 

でも、

このお客様のように、

ご自身の生活を少しでも良くしていきたい、

少しでも自分でできるようにしたい、

こんな服だったらこう出来るのに、

といったご要望にお応えするのは、とてもやりがいのあることです。

 

直接お会いせずに服をつくるなんて、

そもそも無謀なことですし、

もし失敗した場合は、

利益が吹っ飛ぶようなリスクがあります。

 

だから、

きめ細かくコミュニケーションをとっています。

縫製をしてくださっているスタッフにもご協力いただいて、

製作途中でも、必要に応じて写真を撮ってもらって、

お客様に確認していただきます。

 

 

このやり方が正解かどうかはわかりません。

でも、

たとえ直接お会いできなくても、

少しでもお困りの方のお力になれているなら、

お一人でも多くの方に喜んでいただきたい。

 

その機会を与えてくださった、

このお客様には、

心から感謝しています。

 

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