月曜日
帰宅して、車を降りるとか細いニャンコの鳴き声が。
あぁ、猫が欲しいあまり幻聴まで…
いや、違う、ほんとに鳴いてる!どこだっ!

声のする方へ行くと庭の裏側に植えている目隠し用の木の根元。
ちーっちゃい仔がニーニーと鳴いておりました。
警戒心はありますがすぐに逃げ出す風でもない。

急ぎ玄関まで行きリビングにいたナルに
ヌコっ!ヌコ様がおる!シーチキンと小皿を持ってきて!

なかなか出てきてはくれませんでしたが、少し目を離して放置していたらシーチキンはなくなりました。

翌朝、敷地内の物置(100人乗れるやつ)の下に移動し、基礎がわりにしているブロックの間からこちらを見てニーニーと。
またまたシーチキンをあげると前夜よりすんなりと出てきて食べました。

この日の帰宅はナルの方が早いので、夕方まだいたら要連絡、猫缶買って帰るから。と言って置いたところ夕方ナルからいると連絡があり、ホームセンターペットコーナーに寄り猫缶を買って帰りました。

実は帰宅したときナルは猫を確保できて抱っこできたと。
そのあと逃げられちゃったけどまだ物置の下にいると。

実家に猫を動物病院に連れて行くときのキャリーを貸してくれと連絡。
帰宅途中の夫に実家によってキャリーを受け取って来させ、明日もまだいたら保護しよう!と決意。

夫は保護してどうするの?と言いましたがこの人も本当は好きで飼いたい人。
ただ、いかんせんド田舎の古い平屋で飼った経験しかないので、この家で同じように飼うことに懸念がある。
(出入り自由、どこでも爪とぎ可、人の食べ物与え放題でした。
結婚前から飼ってた子だから口出ししませんでしたが。)

大きめのケージを買ってケージ飼いにしたらいい、と言ってもピンとこないのと可哀想だと言う。

今のままの方が明らかに可哀想だし、ほらこう言うのもあるのよ?と屋内置きの3階建ネコ用ケージを見せ、飼い方は工夫すればどうにでもなる!まずは目の前の小さな命を確保するのが先決!

と、朝になるのを待ちました。

しかし、翌朝になってみると私達捕まえる気満々オーラでも出ていたのでしょうか、ご飯も食べに出てこず。

物置の下にご飯を置いて仕方なく各々学校や仕事へ。

この日ナルは部活。
私が先に帰宅しました。
一人でそーっと行った方が捕まえやすい。
そう考えてキャリーと餌を持って物置の方へ行くといない。
鳴き声がなんだか遠くから聞こえるような…

我が家の裏は3メートルくらいの崖になっていて下は川です。
その子はその川の向こう岸にいました。

えぇーーーーっっ!??!

どうしよう?どうしよう?どうしよう?

崖は降りられないし猫はこちらに渡れずニーニー鳴くばかり。
もう3回ご飯をあげたことで、大丈夫な人と認識してくれているのかこちらを見つめて助けを求めています。

なす術なく猫が自力でこちらに渡ってくるのを待っているとだんだん暗くなってきて。
川の中腹まで枝や石があるところまできてジャンプしたニャンコが次の瞬間川を流れて行く姿を見てもうダメだっ!と思ったら運良く岸に上がれたけど再び向こう側。

もうこうなったら最終手段だ!と消防に助けを求めました。

消防到着前に夫が帰宅し、川の向こう側なら元屋敷から行けるじゃんと。
(夫の両親がまだ若い頃住んでいた土地が川の向かい側にあるそうで、あたしゃそんなこと知らんから)

2人でキャリーと餌持って川の向かい側へ回り込み、ニャンコも警戒しながら何とか岸から元屋敷裏手の藪まで上がってきたところを餌で釣って確保しました。

と文で書くと簡単ですが、虫、暗闇、管理されておらず荒れ放題の竹やぶとの壮絶な戦いでした。

確保した子は私の「にゃーにゃー!」と言う呼びかけに呼応するのである程度の居場所がわかって助かりました。

実はこの最中にもう一匹確認していたんです。

義母が言うには一週間ほど前、元屋敷に子猫がうろついていて、一匹は近所の人が捕まえて連れて帰ったと。
残りの子がこの子なんだねと月曜日にご飯をあげた時に言っていたんです。

さらにもう一匹いたんですね、きっとその時から。

しかし、もう一匹の声はか細く弱々しく。
保護した子をキャリーに入れて連れ帰っている間夫がやっと到着した消防の方と再捜索したのですが見つけられませんでした。

保護した子は3回ほど人からご飯をもらい油断と隙がある分、体力もあった。
野生に生きるには不要な油断と隙が、結局は自らの命を救うことになった。

もう一匹は見つからず、人にも慣れてなかったし暗い中いきなりたくさんの人が藪に入っていったことでびっくりしてしまってどこかへ逃げてしまったのかもしれません。
保護できたら一緒に飼おうと決めていましたが残念です。
せめて、川に落ちたり力尽きたりせずどこかで生きながらえてくれていることを祈るばかりです。


保護できた子は早速お風呂へ。
その日の朝までほんとに捨て猫かと思うほど綺麗だったのですが半日かそれ以上藪の中にいたことでドロボウ(野山で服などにくっつく草の実)だらけ。
蚤も少し付いていました。

ネコシャンプーなどないので人間のボディソープをすこーしだけお湯で薄めて洗いました。
私も服のままでTシャツGパンビッショビショでしたが、一度は川に落ちてるわけで、とにかく綺麗にすることと温めることに注力して。

ところがお風呂を出て体を拭いている時、固定が一瞬おろそかになった隙に洗濯機の裏に逃げ込まれ…
何とか柄の伸びる隙間掃除グッズで追い立てたものの埃まみれで再び風呂に入れる羽目に。

部活を終えたナルからはネコ捕獲大作戦最中に帰宅時間を知らせるLINEとともに「ネコどうなった?捕まえれた?」と。
実はかくかくしかじかで今大変なの。
と、バスで帰宅してもらい、暗いのでバス停まで義母に迎えに出てもらいました。

そんなこんなでいろんなパートでのそれぞれの活躍があって保護したネコちゃん。
こちらです。


水曜夜に保護したから2晩明けた今朝の写真。

保護したその日はキャリーの中で過ごしてもらい、その晩のうちにママ友が犬用だけどとケージを貸してくれることになり。
(犬用は屋根がないけど子猫だからジャンプはないだろうと踏んでお借りしました)

翌日は急遽会社を休ませてもらいました。
(理由も聞かずに「すみません、どうしてもの用事ができてしまって、今日お休みください」を快諾してくれる上司に大感謝です)

まずは動物病院。
行ってる間にママ友がケージをウチに届けてくれ、帰宅後組み立てて仮住まい完成。

母がついでがあるからと動物病院に一緒に行ってくれた時「ウチのハナちゃんは家トイレ使わないからあげる」とトイレ一式くれて。

本当に本当に、いろんな人の協力があって生き延びることができている命を預かることになりました。

そして、保護したその日にポチっておいたのがこれ。
生後1ヶ月で生意気にも3階建マンションを買い与えられる贅沢者(笑)
ただし、まだ2階にすら自力で上がれませんガーン
買って組み立ててから気づきました。
ちっせえんじゃんこいつ
って(笑)

生後1ヶ月の女の子です。
病院で決められた仮の誕生日は4月20日。
私と5日違い(笑)平成生まれのおチビです。

病院に行くにあたりナルが急いで考えた名前は
ごま

口元にポツンと黒い斑点があります。
保護直後、鼻と言うか口の脇に黒い点があるでしょ?

だからマツユキにしようって言ったら却下され、ごまになりました。
ひらがな表記だそうです。