もう何年、前のことだろうか。
このときはまだ、俺は普通にLIME-GREEN、
KAWASAKIのKLX-250。
北海道に俺はいた。
時間があると、あるいは時間を見つけ出して、走り回っていた。
初めて行った三国峠、
と、冬の迫ってきた朱鞠内湖、
そして、オホーツク海に突き出す神威岬。
この3つの写真が今も飾ってある。
加嶋隆志、写真に写っている男の名前だ。
西道聡、は俺の名前。
北海道偵察隊と俺たちは勝手に名乗っていた。
俺は二代目、先日北海道から帰ってきたばかりだ。
俺は(今、)赤いD-Trackerになった。足をブロックタイヤに履き替え走り周(まわ)っている。
俺は基本高速道路には乗らない。
どうしようもなく時間がない時、
塞がれて、それしか選べない時。
その時には乗る。
その時も奴は、押さえて速度を出さないようにしてくれる。
限界までぶっ壊れるまで回してくれても構わない。
俺も試されてみたい、限界まで。そう思っているのだ。が。
俺の動かなくなった昔の体は奥のほうに眠っている。
(旭川の)ナンバープレートがついたままだ。
こいつが俺に息を吹き入れた。
俺はまだ新しい迷彩に胸章を付けていた。
再びの長距離ツーリングに出てきた。
目的地は決まっている。
今の俺にとってもなかなかの長距離だ。
松本を抜けて、わざわざ浜松に出た。
渥美半島伊良湖(岬)から志摩半島鳥羽(港)へ
俺は悩んでいる。どこを通るべきか。
短い休憩を入れれば、計算上は5時間か、
山越は楽しい。絶対に楽しいのだが、
海沿いを回れば、休憩を入れずに、8時間で走りきれるか。
和歌山から徳島は南海フェリーと決めている。
四国に入ったら、許す限りうろつく予定である。
四国内の走行時間は16時間を見積もっているいる。
天候は悪くない。
積丹半島で会ったライダーは徳島と言っていた。
鳥羽のフェリーターミナルで無駄に時間を潰している。
今から過酷になるかもしれない。紀伊半島横断する。
いくつもの峠超えの山道。5時間とは当てにならないか。