【ムダに過ごすことの恐れ】

天地は永遠であるが、人生は二度ともどらない。

人の寿命はせいぜい百年。あっというまに過ぎ去ってしまう。

幸いこの世に生まれたからには、楽しく生きたいと願うがかりでなく、

ムダに過ごすことへの恐れをもたなければならない。


人生は短い。古来から人々はそれを嘆いてきた。

「人生ハ白駒(ハック)ノ隙(ゲキ)ヲ過グルガ如シ」(宋史)、「人生ハ朝露(チョウロ)ノ如シ」(漢書)にあるように、ほんの一瞬のことにすぎないという意味ですが、興味深いのは、有名な二つの喩の後に「だから、せいぜい人生を楽しみなさい」という意味の言葉が続いている事です。

洪自誠は、楽しむことをすすめながら、同時に、ムダににすごすことをいましめている。

適切な助言と言えるでしょう。