難しい時代を生き抜くための読むサプリメント

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生成AIの登場によって、私たちの仕事のスタイルは劇的に変わりつつあります。
企画書をまとめるときも、取引先にメールを送るときも、ChatGPTなどに相談すれば、すぐにコツや文例を提示してくれる——。

まるで、いつも優秀な秘書をそばに置いているような感覚です。

しかし、便利になったのは自分だけではありません。
同僚も上司も部下も、誰もがAIを活用し始めています。

報告書、企画書、会議での発言――。
どれもが以前とは違い、洗練され、いかにも“正解”のようなアウトプットが並ぶようになりました。

今は、AIを使いこなす人が“先行者利益”を得ている時期かもしれません。
ですが、いずれ誰もが当たり前のようにAIを使うようになるでしょう。

「今の発言、それってあなた?それともAI?」

そんな問いかけが冗談では済まされなくなる未来も、すぐそこにあるかもしれません。


AI時代に求められる「教養」

「今週のメルマガ、またAIで書いたんでしょう?手を抜きましたね〜」

…なんて笑い話が現実になる日も近いかもしれません(笑)

世界に目を向ければ、米中露の地政学的な動き、選挙に翻弄される各国の政局など、私たちの働き方に少なからず影響を与える要因は増える一方です。

こんな時代に、ただ“声の大きな人”や“もっともらしいAI”に耳を傾けるだけでは、いつの間にか周縁に追いやられてしまうかもしれません。

だからこそ、**AIではなく「自分自身の教養」**が求められます。

ビジネスの現場で、

  • 判断(評価)

  • 意思決定

  • 交渉

  • コミュニケーション

これらをAIではなく、自分の頭でできるようになること。
それがこれからの時代を生き抜くための基盤になります。


忙しい現代人にぴったりの“サクッと”シリーズ

そうは言っても、現代人は忙しく、じっくり教養を深める時間なんてなかなか取れません。
そこで、今回は**図解やイラストが豊富で短時間でも学べる「サクッとわかるビジネス教養シリーズ」(新星出版社)**をご紹介します。

シリーズには、金融、マーケティング、統計、行動経済学など多様なテーマがありますが、今回は特に「心理学」に注目したいと思います。


第23回 『ビジネス心理学』 匠栄一著(新星出版社)

心理学は、幸福感や働き方への意識に深く関わっています。
いま、世界の幸福度ランキングで日本は55位(2025年)。昨年より4ランクも下がりました。

幸福度は10代をピークに、40代で最も落ち込み、50代以降ようやく回復の兆しが見える傾向にあるといいます。
しかし、それも10代ほどには戻らない。

「お金=幸福」ではない。
むしろ「自己実現」こそが、幸福の本質だとされるようになっています。

1.ストレス社会を生き抜く心理学

  • 成功すれば幸福になれる → ✖

  • 幸福だから成功する → 〇

心理学ではこれを「幸福優位の法則」と呼びます。
ポジティブ思考とネガティブ思考の**バランス(3:1が理想)**が成功のカギです。

気持ちが沈んだときは、自分の感情を**言語化(=外化)**して整理しましょう。
紙に書き出すことで客観視でき、気持ちを切り替える助けになります。

さらに重要なのは、ストレスとうまく付き合う心の柔軟性、「レジリエンス」です。

2.成果を出すための心理学

モチベーションは3つの要因に分かれます。

要因 内容
衛生要因 給与、福利厚生、人間関係など
動機付け要因 達成感や承認欲求
社会的要因 社会への貢献、自己肯定感

 

例えば、努力して成果を出したのに周囲から妬まれると、やる気は一気に下がります。
これを「アンダーマイニング効果」と呼びます。

また、「いいことだけ」を伝える営業や採用活動には注意が必要です。
人は“押し付けられる”と反発します(=心理的リアクタンス)。

→ メリット・デメリット両面を伝える「両面提示」が信頼につながります。

クレーム対応も同様です。
誠実な対応で期待を上回れば、「リカバリー・パラドックス」が働き、ファン化することもあります。

3.組織を強くする心理学

メンバーが主体的に動くためには、「心理的安全性」が不可欠です。
“言いたいことが言える職場”は、成果と創造性を高めます。

  • 他人を見下すことで得られる偽りの自信=「仮想的有能感」には要注意。

  • リーダー自身が批判を受け止める度量を持ちましょう。

感謝を伝える「サンクスカード」や、弱音を吐ける時間を設けることで、心理的安全性が高まります。

まとめ

AIが当たり前になる時代だからこそ、「自分の言葉」で考え、判断し、発信する力=教養が求められます。

今回紹介した心理学の知識は、ストレス対処からチームビルディングまで、幅広く活用できるはずです。

参考図書

『サクッとわかるビジネス教養 心理学』

最近、大河ドラマ「べらぼう」を毎週楽しみに観ています。
けれど、幕府と吉原という二つの舞台が交錯するストーリー展開に、ときどきついていけなくなるのです。

「昔のドラマはもっと分かりやすかった気がするなあ…」
そんなことを思いながら、「もしかして、年齢とともに認知力や理解力が落ちてきているのでは?」と、ふと不安になる瞬間があります。

朝ドラ「あんぱん」の主題歌にいたっては、正直、何を言っているのかさっぱり分かりません。
これは私だけではないと思いたいのですが、皆さんはいかがでしょうか?

つくづく思うのは、「理解する力=読解力」は、年齢に関係なく必要な知性だということです。

最近のビジネス書を見渡すと、「アウトプットが大事だ」と主張する本が目立ちます。
たしかに、学んだことや得た情報を発信してこそ意味があるという考えには、一理あります。

でも、その前提としての「インプット力」や「読解力」が、軽んじられてはいないでしょうか。

読解力が低いと、刺激的な言葉に過剰反応して人を傷つけたり、フェイクニュースに振り回されたりするなど、情報過多の現代では大きなリスクを伴います。

ドラマも、主題歌も、世の中の出来事も——
しっかり受け止めて、自分の中で咀嚼し、解釈し、自分の言葉として発信できる。
そんな柔らかく、深みのあるインプット力を備えた年寄りになりたいものです。

というわけで、本日の自分本位な選書をご紹介します(笑)。


『読解力は最強の知性である』 山口拓朗 著

山口拓朗さんは、出版社での編集・記者経験を活かし、現在は「伝える力研究所」所長として活躍。
伝わる文章術やコピーライティングをテーマに、執筆・講演・企業研修など幅広く活動されています。

著書は国内外で多数出版されており、テレビ出演もされています。

本書は、そんな山口さんが語る「読解力」の本質に迫る一冊。
書店で見かけたら、ぜひ手に取って中を読んでみてください。読みやすく、それでいて内容は実に深い。

立ち読みでも、1時間立ち続ける覚悟さえあれば読了可能かもしれません。

百聞は一見に如かず。
山口さんの“読解力”が凝縮された、実に骨太な一冊です。

 

 

【1】読解力をつける前に押さえておきたいこと

本題に入る前に、読解力を構成する重要な要素が2つあります。
それが「ロジック(論理)」と「エモーション(感情)」です。

表層読解では、ロジックを中心に読み解く力が求められます。エモーションに引っ張られてしまうと、文字どおりの意味を正確に読み取れなくなります。

一方、深層読解や本質読解では、ロジックに加えてエモーションも不可欠です。
たとえば、言葉の背後にある空気感やエネルギー、行間に漂う意図などを感じ取る力が求められます。

たとえば、観光ポスターに「疲れた心の洗濯をしませんか?」というコピーがあり、白いビーチや青い海の写真が添えられていたら、そこにはロジック(コピー)とエモーション(ビジュアル)の両方が働いています。

大切なのは、ロジックとエモーションのどちらか一方ではなく、どちらにも「受信チャンネル」があることを自覚することです。

ちなみに私はロジック派。
最近、ドラマの内容が記憶に残らないのは、情緒を受け取る力が弱いからではないか、と気づきました。

(→このあたりの気づきは別記事『記憶に残らないのは情緒が足りないから?』で詳しく書いています → 記事リンク

また、もうひとつ大切なのが「語彙力」です。

語彙力があれば、読解力も高まります。
逆に語彙が乏しいと、自分の意図を正確に伝えられないだけでなく、相手の言葉の意味やニュアンスを受け取るのも難しくなります。

たとえば、大河ドラマ『べらぼう』で「さいけん」という言葉が出てきたとき、私は「債権(株のようなもの?)」かと思って見ていました。でも正しくは「細見」——吉原のガイドブックのことだったのです。

語彙があれば、無用な誤解や推測も減ります。
そして、そのための習慣がこちら:

「わからない言葉に出会ったら“とは検索”→すぐアウトプット」

この2ステップを続けるだけで、語彙力は飛躍的に増えます。


【2】本質読解──“なぜ?”“そもそも?”が鍵

「本質」とは、物事の根っこにある変わらないもの。

では、どうすれば本質を見抜けるようになるのでしょうか。

山口さんは、「本質の3要素」を挙げています。

  1. 普遍的

  2. 汎用的

  3. シンプル

たとえば、「人間の本質」と聞いて思い浮かぶものは?
「理性」「創造性」「社会性」などが挙げられますが、どれもこの3要素を備えています。

本質にたどり着くには、まず「表層理解」と「深層理解」をしっかり積み上げることが必要です。
しかし、忙しい現代では、じっくり積み重ねる時間が取れないこともあります。

そんなときこそ、自分に次の2つの問いを投げかけましょう。

  • なぜ?(理由・動機を探る)

  • そもそも?(前提・目的を明らかにする)

この2つの問いは、物事の本質にダイレクトに近づける「ショートカット」です。

さらに、「本質リスト」として、以下のような問いも紹介されています:

  • 原因は?目的は?必要性は?

  • 価値観は?前提は?影響は?

  • 実現可能性は?メリット・デメリットは?

仕事で成果を出せない人は、往々にしてこの「本質リスト」に答えられていないものです。


【3】表層読解──まずは正確に“読む・聞く”

最近、「ちゃんと読まない人・聞かない人」が増えています。
その背景には、スマホや動画に偏った受動的インプットの影響があるとも言われています。

スマホ利用時間が1日3時間を超える今の時代、考える時間が減れば減るほど、
「どうせこういうことでしょ」と勝手に決めつけてしまう傾向が強くなります。

表層読解とは、「話の内容を正確に理解する力」です。

ただし、いきなり細部から読み始めると「木を見て森を見ず」になってしまいます。
まず全体を俯瞰し、「幹・枝・葉」の構造を意識しましょう。

  1. 幹:全体の主題

  2. 枝:主題を支える要素

  3. 葉:具体的な情報やディテール

また、本書では「序論・本論・結論」など構造の見抜き方や、接続語、主語・述語などの整理の仕方なども詳しく紹介されています。

ぜひ、本を手に取ってご確認ください。

※ちなみに『べらぼう』をより楽しむには、田沼意次や一橋家など時代背景を少し知っておくと、理解がグッと深まります。

 

 

【4】深層読解──「見えない背景」まで読み取る力

私たちが日々触れる情報のすべてが、表面通りの言葉で語られているとは限りません。
言葉の裏には、時に「フェイク」「誤魔化し」「装飾」などが潜んでいます。

深層読解とは、言葉の奥にある背景・感情・文脈を読み解く力です。
それを支えるのが、「批判的思考(クリティカル・シンキング)」です。

ここでいう“批判的”とは、否定的に受け取るという意味ではありません。
情報をそのまま受け入れるのではなく、「本当にそうか?」と一歩引いて、冷静に検討する思考のことです。


◎ 批判的思考の第一歩:「建設的な問いを持つ」

たとえば、「最近の若者は本を読まない」という意見を目にしたとき、
「それは筆者個人の印象では?」と疑問を持つ姿勢が大切です。

また、こんな問いも有効です:

  • その情報は客観的なデータに基づいているか?

  • 立場が変われば、解釈も変わるのではないか?


◎ 「真実」と「事実」は違う

映画『羅生門』では、同じ事件について複数の登場人物がまったく異なる証言をします。
それぞれが“自分の真実”を語っているのです。

この構造は、現実世界にもよくあります。
つまり、「事実」はひとつでも、「真実」は立場の数だけ存在するということです。

情報に接するときは、「これはどの立場から見た真実なのか?」と問い直すことが、深層読解の入り口になります。


◎ 朝ドラ「あんぱん」に見る“逆転しない正義”

今放送中の朝ドラ「あんぱん」では、昭和10年代の軍国主義時代が描かれています。
主人公・浅田のぶは、学校から「戦地の兵士に“堅パン”を贈ろう」という提案を受けます。

母も婦人会で「名誉なこと」と喜びますが、同居するパン職人・ヤムおじさんは断固として反対します。

のぶは学校に、母は婦人会に断りを入れますが、「この非常時に自分たちのことしか考えないのか」と非難を浴び、家族に亀裂が走ります。

この場面の裏にあるテーマは、「正義とはなにか」。

やなせたかしが大切にした言葉「逆転しない正義」――つまり、誰かを踏みつけにするような“勝つこと”を正義としない姿勢――が、物語の深層に流れています。

(このテーマについては別記事『ヤムおじさんの地団駄』で詳しく書いています → 記事リンク


まとめ──読解力はすべての力の土台になる

ここまで紹介してきたように、読解力には3つの層があります。

  1. 表層読解:言葉どおりの意味を正確に読み取る力

  2. 深層読解:言葉の背景や行間を読み取る力

  3. 本質読解:物事の根っこや意図をつかむ力

どれも順を追って身につけていくことで、「読む」「聞く」「書く」「話す」「考える」すべての力が底上げされていきます。

そしてその基礎には、語彙力・ロジック・エモーション・批判的思考が不可欠です。

本書『読解力は最強の知性である』は、これらを具体的かつ実践的に学べる一冊です。
ただ知識として読むのではなく、日々の生活や仕事の中に落とし込んでこそ、その価値が際立ちます。


📘 参考図書
『読解力は最強の知性である』
山口拓朗 著(SBクリエイティブ・2025年3月14日発売)
定価:1,760円(税込)

 

 

 

 

 4月から毎月報酬をいただく仕事を辞めてフリーランスになりました。
 それでも日曜日の夕方、サザエさんの音楽が流れると悲しくなります。
 もう月曜日から通勤する必要はないのにかかわらず、悲しくなります。
 40年以上の経験が染みついて条件反射になっているのでしょう。

 思えば、土日の休み方は上手とはいえませんでした。
 やり残した仕事のことが休みの日も頭の隅から離れません。

 あるいは、このままダラダラ休んでいいのか。
 スキルアップしなければいけない。
 休日に、自分を高めるための時間に使われていないことに焦りを感じることもありました。

 日曜日の夕方はビジネス書を読むようにしていました。
 せめて、なにか役に立つ知識を身につけて明日からの仕事に役立てようと考えたからです。

 ビジネス書は私にとって精神安定剤みたいなものでした。

 要するに、今も、昔も、休みベタです。
 今は、以前よりたくさんの時間があります。
 たくさんの時間があるでしょうと人から聞かれると、
 いえいえ休めていませんと答えてしまう自分がいます。

 好きなことにたくさん時間を使えることができるはずなのに、それをしたときに削られる受託仕事やスキルアップの時間が削られることを考えてしまうのです。

 
 多くの日本人が休みベタと言われています。
 私もその中のひとりです。下手さ加減に関しては誰にも負けていません。


 「休み方」は簡単ではない。
 「休むこと」は、難しく、高等技術であるがゆえに多くの人に理解されていない。
 と、主張するドクターがいます。

 心療内科医の鈴木祐介さんです。
 秋葉原saveクリニックの院長をされていて、患者の症状だけを診るのではなく、その背景にある種々の生きづらさ、トラウマも見据え、全人的な治療を行うことを心がけています。

 執筆や講演活動を積極的に行っています。

 今日は鈴木さんの著書『心療内科医が教える本当の休み方』をご紹介します。


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第21回
『本当の休み方』
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 日本人の8割弱の人が、慢性的な疲労を感じています。

(休めていない人)
 忙しくて休めない
 まわりも忙しくて、職場の人の目が気になって休みが取れない
 休みの日は、家事や家族サービスが忙しくゆっくりできない

(休めていても、つらい人)
 休日、ずっと寝ていたのに、月曜日の朝からだるい
 休んでいるのに、疲れが取れたという実感がない

(休まなくても大丈夫の人)
 多少休まなくても自分は大丈夫とがんばってきたら、ある日突然、体調不良に襲われ、理由もなく涙が止まらなくなった

 上記のいずれかに思い当たる人が約8割いるとのことです。

 きちんと休めてない。
 テキトーに休んでいるというのが現実なのでしょう。

 うまく休むことは難しい。
 人がうまく休むためには次の3つのプロセスが必要です。

1)休みが必要な状態であることを自覚すること
2)休むことができる環境を確保すること
3)自分の状態にとって適切な休養活動を選択すること


 これらのプロセスにはそれぞれ大きなハードルがあり、すべて成立させることは「総合芸術」のようなものだと杉田さんは言っています。



【1】休みが必要な状態であることを自覚する

 ストレスがかかっている環境にいるとき、人間の身体はその負荷に抵抗するため副腎からアドレナリンなどの抗ストレスホルモンが放出されます。

 身体を「戦闘モード」にするためです。
 パフォーマンスを高めるための「ドーピング」といってよいでしょう。

 このドーピングモードはおよそ3ヶ月続きます。
 3ヶ月過ぎると抗ストレスホルモンが枯渇します。
 すると、一気に疲労感が襲ってきます。

 慢性頭痛、吐き気、腹痛、下痢、じんましん、脱毛、睡眠トラブルなどありとあらゆる症状が出現します。


 「戦闘モード」のときはストレスに気づきにくく、そこにストレスマネジメントの難しさがあります。

 
 初診から心療内科に行く人は少なく、最終的に「うつ」と診断される人の6割は最初に内科にかかっているそうです。

 仕事に対する満足度が低い、上司のサポート不足を感じたりするときに腰痛になる人がたくさんいます。

 メンタル状態が悪化しているとき、普段なら耐えられるちょっとした痛みが、耐えられなくなります。

 それは痛みを抑える「オピオイド」という痛みを抑える物質の分泌が減るからです。
 つまり腰痛もまた「メンタル疾患」なのです。


 私たちの周りには多様な「ストレッサー」があり、その影響を受けています。

1)ライフイベント
 家族との死別、結婚・離婚、失業、引っ越しなど

2)デイリーハッスルズ
 満員電車や生活騒音、面倒な家事、日常の些細な出来事


 アメリカの研究者ホームズらは「結婚」のストレス度を50点として、これを基準に様々なライフイベントのストレス度を計算しました。

 その結果、配偶者の死が100点、離婚は73点、転職は36点だったそうです。
 「結婚」「妊娠」「夫婦の和解」「昇進」といったポジティブなライフイベントも高い点数がついています。

 引っ越ししてうつ病になった人、肝いりの事業を成功裏に終えて「荷下ろしうつ病」になった人もいます。

 ちなみに、ホームズらによると、年間で300点を超えると1年以内に心身の不調をきたすのだそうです。


 もっとやっかいなものは、日々の小さなストレスです。
 電車で隣に座った人の香水がきつかった、
 SNSで好きじゃない感じの口調の投稿を見た、
 たんすの角に足をぶつけた
 等々、

 一つ一つはたいしたダメージになくても、それが積み重なっていくと、気がついたら瀕死状態になる可能性だってあります。

 とくに、
 ちょっとあの言い方が気になるなあ、
 あの態度、ちょっと嫌だったかもな

 というような「コミュニケーションの小骨」をたいしたことがないと飲み込んでいくうちに大事に至ることもあります。

 小骨が刺さるような小さな不快感、違和感は必ず気づいてあげて、そのままにしないで記録しておくとよいそうです。



【2】休むことができる環境を確保すること

 本当は、いつ休んでもいいのです。

 でも、休める環境の確保が難しい人がほとんどでしょう。

 疲れていることを自覚して、休んだ方がいいかもと気づいても、ほかの人に仕事を振りにくいとか、心配させたくない、評価を下げたくない、スキを見せたくないなどの様々な心理が「休みたい宣言」の障害になっています。

 自分のつらい気持ちを打ち明けるのは、清水の舞台から飛び降りるほどの勇気がいるという人は多いのです。


 実際に休みに入っても「働いていない」罪悪感から落ち着けなかったり、役に立ててない自分が許せずに何かの資格をとるため勉強をはじめたり、自分への怒りをつのらせて疲弊してしまう人も少なくありません。

 休みをきっかけに何かを変えなければいけない
 このまま仕事に戻っても、また、きつくなり休むかもしれない

 等々、休むための環境を確保することには、莫大な心理的コストを必要とする「技術」なのです。

 周りに配慮しすぎる状態を「過剰適応」といいます。

 他者のニーズを満たすことで心身を消費していきます。
 親、教師、パートナー、友人、上司、部下など周りの人から「こうしてほしい」「このように生き、行動することが正解だ」を受け入れていくのが「過剰適応」です。

 だからといって、他者との関係を遮断してしまうと、社会的に排除され、自ら望まない孤独にさいなまれることになります。

 この世に生きている以上、ある程度他者のニーズを満たすことも必要です。
 誰かの役に立てることは、人生の生きがいや豊かさの源泉にもなります。

 その加減を間違えると、「過剰適応」になり身体が不調をきたすのです。


 もし、職場あるいは家庭が、傷つきの多い環境であるとき、いちいち傷つかないよう脳が麻酔をかけるように、あらゆる痛みに鈍感になっていきます。

 次第に、脳の機能の一部が低下し、「私がいま、ここにいる」という感覚がぼやけ、心が麻痺し、自分と世界の間にうすく膜を張ったような感じになります。

 どれだけブラックな環境であっても、「つらい」と思わずに日々をやり過ごすことができるのはそのおかげです。


 一度、他人のニーズに応えたいという気持ちから離れてみてください。
 他者のニーズに応えすぎるのを辞め、自分のニーズを満たすことに時間やエネルギーを使うようにしてください。

 それができて、私たちは本当の意味で、心身を休め、疲れや心の傷を癒やすことができるのです。
 

 自分のニーズを満たす視点をもちましょう。

 「本当の休みをとる」とはどういうことか?
 それは自らの身体のニーズを把握し、それに応えることで自分自身とのつながりを取り戻し、心身が安全・安心と感じられる状態にすることです。

 頭ではなく身体が求めていることを満たします。
 しっかり休み、心身が回復すると、

 ・いきいきとした表情になります。
 ・人生の充実度があがります。
 ・こうあるべきという強迫的な思考と距離がとれるようになります。



【3】自分の身体のニーズを知り、適切な回復運動をとろう

 自分を助けて、回復に導こうとするための行動を「コーピング」といいます。
 自分のいまの状態に合わせたコーピングを試しましょう。

 まず、必要なのは、自分がいま、どのモードなのか気づくことです。


 胸がなんとなくざわざわして落ち着かない、感覚がピリピリしている、なんとなく緊張している、そういったときは「アッパー系(交感神経優位)」モードになっています。

 逆に、ぼんやりとしていて目が開きづらい、背中がなんとなく丸まっている、といった状態であれば「ダウナー系(背側系)」モードになっています。

 ゆったりとして、胸郭が開いて、息が通りやすく、胸のあたりがすっきりして落ち着いている状態は「腹側(ふくそく)迷走神経」が働いている状態です。



 交換(炎のモード)か背側(氷のモード)のどちらかに入って抜け出せない状態であれば、

 1)逆の方向に向かった行動(コーピング)か、
 2)上記の「腹側迷走神経系」に入るためのコーピングが必要です。

 1)と2)の両方でもいいでしょう。

 ※迷走神経とは、延髄から出て体内の広範囲に分泌する神経です。
  内臓の働きを調整する副交感神経を代表する神経です。


 炎のモード→氷のモード
 ・ゆっくりとした呼吸をする
 ・ラベンダーなどの鎮静系のアロマを利用する
 ・ハーブティーや漢方薬を利用する
 ・心を落ち着かせるような静かな曲を聴く
 ・暖かい湯船につかる
 ・部屋を暗くする

 氷のモード→炎のモード
 ・早めの呼吸をする
 ・レモングラスなど覚醒系のアロマオイルを利用する
 ・運動や体操など、身体を動かして心拍数を高める
 ・サウナや水風呂などで、身体に温度刺激を与える
 ・エキサイトするようなゲームをしたり音楽を聴いたりする
 ・太陽の光を浴びる

 腹側系へのアプローチ

 腹側迷走神経の機能の神髄は「指揮者」です。
 指揮者が機能していれば、演奏のリズムや各パートナーのバランスが保たれます。

 環境の変化に応じて、交感神経系・背側系の自然な切り替わりが保たれます。

 「自立神経失調」は腹側系がうまく働いていない状態をいいます。
 腹側迷走神経は、顔や首回り、気管支、心臓などに分泌し、単独では動かず、仲の良い脳神経とグループと組み、表情や咀嚼、飲み込みなどをコントロールします。

 なので、腹側系が動いていないときは、
・聴覚のフィルターが動かず、他人の声を聞いたときに緊張感が増す
・顔面を動かす筋肉が働かず、表情が乏しくなり、コミュニケーションがとりづらくなる
・喉の違和感を感じ、声を出しづらかったり、息がしづらい

 この腹側迷走神経系を活性化させるには簡単なエクササイズがあります。
 たとえば、頭の後ろを両手で組み、首を回して右を見て、左を見ます。
 頭と首の可動域や痛み、こわばりを確認してください。

 身体を使ったアプローチはここで紹介をはじめるときりがないのでぜひ本書でご確認ください。


 信頼できる人の穏やかな笑顔や声は、腹側系を心地よく刺激してくれます。
 でも、他人とつながることに緊張感がある人もいると思います。

 「つながり」のあり方はペットなどの体温のあるものに触れたり、思い入れのあるぬいぐるみや、慣れ親しんだ毛布を抱きしめたりすることでも「つながり」や「安心」、「心地の良さ」を感じることはできます。

 風を感じながら自然豊かなところを散歩したり、言葉を失うような絶景を目の当たりにして畏怖するとき「自然とのつながり」を感じます。

 ヨガやマインドフルネス、スポーツなどで自分の身体と向き合って声を聴こうとすれば、自分と身体とのつながりを感じることでしょう。

 亡くなってしまった大切な人の存在を思い、「きっとあの人が見てくれているから」とか「今も見守ってくれているかもしれない」と感じたりするのもいいでしょう。

 お墓参りをして近況を報告することも、大切な「つながり」のあり方であり、私たちにじんわり生きる力や癒やしを与えてくれます。



参考図書
『心療内科医が教える本当の休み方』
 鈴木祐介 1,760円
 (2025.3.26第22刷 (株)アスコム)

 先週号のテーマは「発信する勇気」でした。
 SNSを発信する勇気がない人は勇気を出して発信しよう!
 それが前回の本のメインテーマでした。

 私もその考え方に共鳴し「今日からSNSを発信します」とメルマガの中で宣言しました。

 ところが1回も発信できていません・・・
 なぜ、1回も発信できなかったのか?

 その原因を15分間、ノートにひたすら書きながら考えてみました。
 なお、この15分間、ノートに向かってひたすら書き続けるタスクは3週間前のメルマガ「書く瞑想」で紹介したものです。

 これは3週間ほぼ毎日続けることができています。
 誰にも見せず、ひたすら書き続けることで自分の心と会話できます。

 自分の奥深くに潜んでいるホンネをあぶり出して、正直な気持ちで自分と会話する。

 まさに「1人充実の時間」といいたいところですが、この言葉は一部の読者に誤解を与えてしまいました。

 これを読んだ妻から「2人充実」の間違いでないかと指摘され、間違いであれば修正してメルマガを出し直した方がよいと言われ、いったん出したものは修正するのは難しいので、次号で訂正してお詫びすることでどうだろうと提案して、なんとか納得してもらいました。

 「2人充実」です。お詫びして修正します。


 さて、このように、誰かに向かって発信するというのは、発信した本人の意図しないところで影響を与えるというリスクがあります。

 それが発信を思いとどまらせる理由ではないか。

 でも、それだけだろうか。
 今、15分瞑想をしながら、これを書いています。
 ひたすらノートに書き続けています。
 書いた後にノートを読みあげてテキストに変換します。
 これをメルマガにアップします。


 『発信する勇気』には、影響を与えようとするのではなく、影響を解放するというスタンスが大事なのだと書いてました。

 「自分らしさ」を表現して発信することで共感を生むのだ。
 自分のなかのノイズの発信こそが受け取る人が共感を生むのだというのがこの本の著者の言いたいことでした。

 その考えがもっともとだと思ったからこそ、私は先週号のメルマガでSNSを今日から再開すると宣言したのです。

 ところがはじめることができませんでした。

 理由は勇気だけではなさそうです。
 足りなかったものはなにか。

 「始める」という行為自体に問題があったのか。
 四の五の難しく考えずに、さっさと始めれば始まったのではないか?

 もしかすると、自分だけでなく、先週のメルマガを読まれた読者のなかにも同じよう、自分もSNSを始めてみようかと思ったのに、結局は始められなかった方もいらっしゃるのではないか。

 単純に「続けることを始めることができなった」のではないか。
 力を入れず、スーッと始めればそれでよかったのではないか。


 前置きがずいぶん長くなりました。

 今日、お送りするメルマガのテーマは「続けることをはじめる」です。

 毎日スキルアップ通信の特長は、メルマガ本文のわかりやすさというより、なぜ、発行者は今週のメルマガのテーマにこれを選んだのかというわかりやすさであると思います。
 毎度、私本意の理由で選書させていただき、申し訳ありません。

 まだ、15分瞑想は続いているのですが、これをこのまま書き続けると、読者が離れていってしまうので、ここらで中断して、本筋に入ります。


 今日ご紹介する本は、井上新八さんの著書
 『続ける思考』です。

 井上さんは大学卒業後、新聞社で編集者を務めたのち、2001年に独立してフリーランスになりブックデザイン業をはじめました。

 自宅でアシスタントもなく年間200冊近くの本をデザインしています。

 趣味は「継続」

 映画に酒にドラマにアニメにちょっぴりゲームに漫画。
 掃除とダンスと納豆。
 最近は短歌をはじめました。


 井上さんは言います。

 「続ける」のはつらい、
 「続ける」のは大変。
 「続ける」のはめんどくさい。

 それらは全部。誤解。

 「続ける」のは本来、楽しく、
 「続ける」のは本来、簡単で
 「続ける」のは趣味にすることができる

 それをこの本で伝えたい。


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第20回
『続けることを始める』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 井上さんは会社を辞めフリーランスとしてブックデザイン業をはじめました。

 会社勤めのときは、ずぼらで何をしても続かない。
 才能もない。スキルもない。根気もない。

 ひょんなことからブックデザインをはじめたところ、
 これまでの会社勤めのようにいかなくなり、

 すべて、自分で働かないと、
 お金が入ってこない生活が始まりました。

 自分で仕事を取ってこないといけないし、
 仕事と私生活のバランスも自分で考えなければいけない。


 「続かない」なんて言ってられなくなりました。

 どうしたら、「続ける」ようになれるのか、

 20年以上かけて実験と検証を繰り返し、
 そのことを真剣に考え続けてきました。

 行き着いた答えは、「すべて習慣化すること」

 日々の「習慣」を徹底的にデザインすることでした。

 デザインしてわかったことは、
 「続ける」ことは意外に簡単ってこと。

 やり方さえわかれば勝手に続いていく。

 小さいことを達成していく「仕組み」をつくりあげました。


 もともとどうしようもなくキライだった掃除が、
 続けることを通して好きなことに変わりました。

 毎日、5分、ダンスの練習をはじめたら、
 ダンスを踊る楽しみが人生に加わりました。

 毎日少しだけマンガを読むことをはじめたら、
 いつのまにか読まなくなってしまった、
 マンガを読む楽しみが戻ってきました。

 「続ける」ことで自分が変わっていきました。
 
 それがおもしろく、
 「続ける」ことが、井上さんにとって「趣味」になりました。



【1】続けることが好きな理由

 アシスタントをつけずひとりで20年以上ブックデザインをしています。

 メールのやりとり、スケジュールの管理、進行の調整、打ち合わせ、デザイン作成、修正、そのほか会計事務、雑用など年間200冊の依頼を受けながら進める仕事は超多忙。正直無理ゲー。

 それがこなせるようになり、それだけでなく、一日一本は映画を観て、一日一冊は本を読み、放映されている深夜アニメはほとんど全部見ているし、ドラマも見る、マンガも読む、筋トレにダンスにジョギングも毎日やれている。

 その理由は一日の「習慣」を徹底的にデザインして、膨大な「やるべきこと」「やりたいこと」を続けられる仕組みをつくることができたからです。

 つまり、自動的に続く「仕組み」をつくったからです。


 続けることの何が楽しいか?
 答えは3つ。

1「続ける「仕組み」を考えること自体が楽しい」
 どうやったら無理なく続くか、自分なりにやり
 方を考えて生活に落とし込んでいくことが楽し
 い。それはゲームをクリアしていく感覚。


2「続けることの「コレクション」が楽しい」
 続けることを圧倒的に楽しくするのが「記録」
 記録することで、続いたことが形になっていく
 スコアがよくなると単純に嬉しい。
 達成感がはんぱない。

3「続けることで自分が変化するのが楽しい」
 何かを続けることで人は確実に変化する。
 練習すればうまくなる。
 どうでもいいことでも、続ければ必ず人に変化
 をもたらす
 小さな変化がいつのまにか大きな変化になる。
 変化したことに気づいた瞬間。
 その感動こそ最大のご褒美だ。



【2】続けることへの苦手をなくす

 なにかをはじめるとき、効率的に、正しい方法でやろうとします。
 やるからにはうまくなりたい。よくなりたい。しかも効率的に。

 そういうふうに考えると、はじめた途端、「修練」「修行」になってしまいます。

 最初はしんどい。でもいつかは花開く。
 そういう「正しい努力」は実は難しい。

 それより、「正しくない努力」を意識する。
 意味など、効率など、考えずに、自分勝手に決めたルールでいいので、ただ続けることだけ意識する。

 上達することは考えるのは、ずっと後でいい。
 大事なのは、気持ちのいいやり方を自分で発見することだ。


 なにかをやるとき、最初から「攻略法」をみない。
 効率を求めすぎない。

 それより、やりながらヒントを探っていく。
 本を読んだり、ネットで検索したり、やり方のヒントを集めて、自分流のやり方に変換していく。


 たとえば短歌をはじめる。
 まず書いてみる。

 あれ、何を書けばいいんだっけ?うまくいかない

 少し調べ、どうやったらできるのか、攻略法を自分で考える。
 いったん「書く」のをやめて、毎日歌集を少しずつ読む。

 読んでいいなと思った歌をいくつか書き写す。
 それを毎日続ける。

 そのうち自分の短歌をつくりたい欲がわいてくる。
 そうやって、「毎日短歌をひとつつくる」の習慣を自分でつくっていく。


 たとえばダンスを踊ってみようと思う。
 まず踊ってみる。

 あれ、うまく踊れない
 まず、フリを覚えることができない。

 よし、1日1秒のフリを覚えよう。
 1週間で7秒覚える。

 5分ある振り付けも300日あれば覚えられる。
 それで本当にうまくなるかは考えない。

 違っていれば、やりながら少しずつ自分で攻略法を変えていけばいい。


 最短の攻略法ですぐにうまくなれば、すぐに飽きるだろう。
 それが「続かない」につながる。

 だけど、自分で考えながら、ゆっくりと着実にコツコツと積み重ねていくと、何かが変化していく。自分も変わっていく。


 攻略法で身につけた考え方はその場限りになりがちだけれど、自分で解いたやり方は別のことに応用が利く。

 やったこともないことにチャレンジしてみたくなったとき「あのやり方が使えないか」と考えるようになる。

 それが身につくと、かなりいろいろな困難に立ち向かえるようになっていく。



【3】小さいことからはじめる

 なんでもいいから小さいことからはじめる。

 井上さんが朝起きてはじめにする「小さいこと」は
 朝起きたら外に出て朝の空の写真をスマホで撮ることです。

 時間にして10秒ほどです。
 はじめたきっかけはある年の元日。
 家のベランダから初日の出をスマホに撮ったときです。

 そのうち、太陽の動きってどのくらい変わるのだろうと、気になり、しばらく朝日の写真を撮り続けていたら習慣になったそうです。

 あとで知ったのは、起きて外の空気を浴びるのは、アーユルヴェーダ(伝統医療、生命の科学)的にカラダにもいいということ。


 たとえば、明日から毎日読書をしようと考えたとします。
 最初から1冊読もうなんて考えない。

 「毎日10ページ読むぞ」」がいいかもしれない。
 でも、それでも気が重くなるかもしれない。
 だったら、毎朝「本を手に取ってページを開くだけはやる」
 なら、1秒で終わるのでできるはず。
 これくらい小さく刻んでもいい。

 大事なのははじめること。
 そして続けること。


 著者の井上さんは『血管を強くする循環系ストレッチ』を読んで、そこの書かれていた「1日10分でできる効果的なストレッチ」をやってみたくなりました。

 1日10分はできそうな時間。
 でも、はたして自分にできるか、数日はできてもや長く続かないのではという気がして、続けられるサイズ、30秒だけやってみることにしました。

 それを続けて、次第に効果がわかってきたら、1分、3分と伸ばしていく。

 「きちんとやる」のではなく、「小さく続ける」ことを第一に考えました。


 そうこうしているうちに、習慣になっていきます。
 ストレッチは日課になっているし、毎日10ページの読書が今では、土日祭日関係なく一日一冊本を読む習慣がついています。

 ただ、「今日から一日一冊本を読もう」と決心したときはさすがにハードルの高さに井上さんはひるんだそうです。

 そこで考えたのが「小さな前置き」をセットにすること。

 1冊の本を読む前にコーヒーを煎れることにしました。
 小さなスイッチを前にセットすることで、ハードルの高いことにも向き合えることができるようになれます。

 やることを決めたら、「いつやる」を決める。
 時間ができたからやるは、絶対だめ。

 朝起きたらやる、歯を磨いたらやる、お昼ごはんを食べたらやる、みたいに「いつやる」を具体的に決めるようにします。

 そうしないと、今日は時間がないので明日やろうと延ばしてしまう。
 「いつやる」を決めたからのは、かならずそのときにやる。
 そうすることで生活にリズムがうまれ、すこしずつ変わっていく自分を実感できます。


【4】記録する

 続けるために欠かせないものは「記録」です。

 たとえば毎日10回スクワットをしたら、カレンダーに○をつける。
 みたいに、専用のカレンダーを用意します。

 それを見えるところに置いて、カレンダーに○をつけていきます。
 全部○がついたら、すごくうれしい。達成感が味わえる。

 「記録」するだけで、楽しく「続ける」ことができるようになります。

 「記録」することは、いわば「継続」のコレクションです。
 「記録」することは「続ける」ことの見える化であり、そのこと自体が楽しみにもなり促進剤にもなります。

 ほかにも「記録」の方法があります。
 井上さんは、毎朝空の写真を撮って毎日インスタに上げています。
 自動的に「起きたときの朝の空」のコレクションができあがります。

 いつもは自宅から見える空。
(ときどき外泊先の空が混じります)

 自分だけの「空」コレクション。
 「記録」で「続ける」をコレクションします。


 小さくやることを、無理せず少しずつ増やしていきます。
 朝の写真を毎日撮り続けて、インスタに上げて、次は「何」をするみたいに、小さなことを増やしていきます。

 点を線にする感覚です。

 「起きたら水をいっぱい飲む」「ベランダに出る」「空の写真を撮る」「その写真をインスタに上げる」「手を合わせて昨日に感謝・今日に挨拶」「深呼吸する」「ストレッチ」・・・

 朝イチのルーティンをつくっていきます。
 このルーティンで一日の流れをつかみ、仕事を始めます。

 「仕事する」といういちばんハードルの高いところに自分をもっていくために、ルーティンをこなします。

 ひとつひとつのルーティンに意味があるので、何もしないで出勤したり、仕事を始めたりするまえに、小さなことが積み上がっていきます。

 そうすると何かが自分のなかで変わっていきます。



参考図書
『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる!
   続ける思考』
 井上新八 1,760円
 (2024.12.2第11刷 ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 https://amzn.to/4j4uvQM

 

 

 

 

「SNSはキライです」

そう自己紹介したとき、支援機関の会議室が一瞬静まり返ったのを覚えています。
販路拡大の支援を仕事にする者が、SNSを毛嫌いするなんて……と、軽くお叱りも受けました。

それから公言することはなくなりましたが、今でもSNSは密かにキライです。

嫌いな理由の一番は、「リア充たっぷり、承認欲求まるだしの記事」を読まされると心がざわつくし、そもそもリア充が得意でない私は落ち込んでしまうからです。

自分は、「ひとり充実」が大好き人間なのです。

誰にも気を使わず、本を読んだり、考え事をしたり、好きな景色をぼーっと眺める……
そんな時間に、私は生きてる実感を覚えます。

妻からは「自分大好き♪一人っ子♪」と、からかわれています。


でも、よく考えてみれば、私が発行している「毎日スキルアップ通信」は、2004年5月17日に始まり、今日で3001号を迎えました。

メルマガだって立派なSNSです。
とはいえ、当時はSNSという言葉すらなく、1対多の一方向コミュニケーションが主流でした。

ビジネスパーソンにビジネス新刊を紹介するというコンセプトが受け、読者はみるみる増えていきました。

今は……だいぶ減りました。
妻から「読者4人しかいないでしょ」とからかわれる始末です。
毎回メッセージをいただいている方の人数を数えているみたいです。

それでも私は、画面の向こうにいる誰かに向かって、今日も書き続けています。

今日、新たな人からメッセージをいただいたので、あとで自慢することにします。


今のSNSの主流は、X(旧Twitter)、Instagram、Facebook、LINE、TikTok、YouTube。
1対1、あるいは多対多の時代です。

どうして、こんなに流行っているのか?
それなのに、SNSがキライと言っているあなた。
そして、私。

そんなあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたいのがこの本です。
今日は、末吉宏臣さんの著書『発信する勇気』をご紹介します。


『発信する勇気』とは

著者の末吉宏臣さんは1984年長崎生まれ。
中小企業から一部上場企業までのコンサルティングに従事し、
本田健氏や堀江貴文氏などの書籍編集やセミナー企画にも関わってきた方です。

2017年にnoteで執筆を開始し、フォロワー1万3千人、累計500万PVの人気ブログに成長させた、まさに「発信の実践者」です。


発信することで、新しい自分に出会う

SNSを日常的に見ている人は多いと思います。
でも、中にはこんな思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。

  • 発信してみたいけど「批判されるのが怖い」

  • 始めてみたけど「めんどくさい」

  • 投稿しても「本音はなかなか書けない」

(ちなみに私は、Facebookやnoteもちょこちょこやっていますが、完全に「めんどくさい派」です)

末吉さんは言います。
自分の奥にある本当に大切なことを発信するだけで、人生が変わる

これまでは、
相手の気持ちを優先する、
自分の意見を押し殺してでも周りに合わせる——
そうした“我慢”が美徳とされてきました。

けれど、今は違います。
SNSを通して、自分の本音や表現したかったことを、自分の場で自由に発信できる時代です。


書く瞑想との違いとは?

(前々回のメルマガでは『書く瞑想』をご紹介しました。覚えていらっしゃいますか?
ノートに嫌な感情や本音を吐き出してスッキリする、というものでした)

今回ご紹介する『発信する勇気』は、それとは少し違います。

こちらは“発信前提”。
つまり、**誰かの目に触れることを前提とした「自己表出」**です。
その分、言葉の選び方や届け方の工夫が必要になります。


発信することで得られる7つの変化

末吉さんは、発信によって次のような変化が得られると言います。

  1. 自分への理解が深まる

  2. やりたいことが見えてくる

  3. 新しい人とつながれる

  4. 人から好かれるようになる

  5. チャンスやお金、人脈に恵まれる

  6. 信用がたまる

  7. 感謝と喜びが増える

これを読んで、あなたは「ほんとかな?」と思うかもしれません。
でも、著者はそれを**“勇気を持って発信してきた人”の現実**として、説得力を持って語ります。


発信する人生、しない人生

著者が指摘する、これからの時代の「2極化」が印象的です。

・「これが自分の人生だ!」と満足できる人
・「本当にこれでいいのか?」と不安が拭えない人

SNS時代の今、自分を発信できる人は前者のような実感を得られるようになる。
これが末吉さんのメッセージです。

そして、発信する人は評価され、発信しない人は損をする——そんな時代が本当にすぐそこまで来ています。


発信することで「自分の輪郭」がはっきりする

末吉さんの言葉で、私が一番好きなのがこちらです。

「発信すると、あなたという存在の輪郭がはっきりしてくる」

無理にキラキラを目指す必要はありません。
リア充っぽい投稿を目にして、気後れする必要もありません。

大切なのは、自分の心の声に耳を傾け、それを自分の言葉で表現すること

それが、未来の読者や、自分自身を救うことにつながるのです。


最後に:ひとり充実もいい。でも……

いかがでしたか?

私は今でも「ひとり充実」が好きです。
でも、未来の自分に向けて、未来の誰かに向けて発信し続けるためには、SNSというツールも、悪くないのかもしれません。


📚 参考図書
『発信する勇気 自分らしいコンテンツは最高の出会いを作る』
末吉宏臣(2025.4.30第2刷/きずな出版)
定価:1,650円(税込)