
五十四歳の時、「勉強してみよう」と一念発起。大学の夜間部に入学し、発展途上国などについて学んだ。卒業後、教員の紹介で知り合ったボランティア関係者の案内で初めてカンボジアへ。学校の建設、絵本の出版、植林活動などに取り組んだ。子どもたちと一緒に遊んだり、運動会を開いたりもした。そのうち「この子たちは貧しくても、目が生き生きと輝いている。それに比べて、日本の子どもたちはどうだろう」。そんなことが気になってきた。当時、少年による残虐な事件や幼児虐待事件が社会問題化。「昔はおせっかいのおじいさん、おばあさんがたくさんいたが、今は人と人とのつながりが希薄」。地域の引越し 不用品処分 保護司や民生委員の知人に呼び掛け、話し合った。孤立した子育てで追い詰められている母親を減らしたい-。そんな思いで、二〇〇一年に始めたのが「たんぽぽ」の活動だった。五年後には、電話相談や家庭訪問で子育てを支援する「こうとう親子センター」も立ち上げた。今では地域の“イクジイ”の活動が本業より忙しい。孫も八人。海外支援はもちろん、高齢者や被災地支援で各地を飛び回る。「困っている人を見ると、ほっておけないたち。人の喜びが自分の喜びに変わります」。穏やかな笑顔を浮かべた。"""""""