【Side 櫻井】
………うっそだろ。
「気持ちいい?」
ちゅぱっ…
「……っ」
ごそごそ……
「声、我慢しててよ?」
ふと目が覚めたら
松本と二宮、ヤッ てる………?!
だって、真ん中に二宮を寝かせたのは確実だし…え、嘘だよな?
俺が隣に居るのに?!
そんな馬鹿なことある?!
松本は危険を冒すタイプだとは思ってた、思ってたさ!
ヒリ潤とか、石橋を叩きすぎて壊すタイプの俺には理解不能なあだ名つけられてたからな!!
だけどさーーーそれはなくね?!
教師が!教師の隣で!!しかも俺のクラスの生徒を!!!
ありえねーーーーーーー
マジドン引きなんですけどーーーーー。
真っ暗だからって流石にねぇわ。
いや、ほんとねぇわ。
二宮もこういうの容認するタイプ?(※燃える気持ちは分からないでもないそうです)
ていうか相葉くんへの気持ちはどこいってんの?!(※いつも心を占めています)
風呂場では普通にしてたのに二人は一体どういう関係なんだよ~?!?!?(※本人達はただの教師と生徒のつもりです)
「大丈夫、出していいよ。ティッシュ当てとくから。」
「ふ…っ、ん…、……っ」
あーーーこれやべぇな…
無理無理、寝たふりしながら聞くとか無理!!
…うん、やっぱ限界!!!!
「げほっ……んん…」
咳払いして寝返りを打つ。
ピタリと動きが止まる。
と共にモゾモゾと何かが動き、真ん中にいた二宮らしき影がサーっと寝室から出ていく。
悪い二宮。
でもこんなとこでイカ れても本番されても困る。
「……。」
松本は…追いかけないみたいだな。
そらそうか、追いかけたってヤ るとこはないはずだ。
(つーかそもそもこの部屋も無理だろ俺いるんだから)
つーか松本は智が好きなんじゃなかったのか?
別にいんだけど…俺としては。
でもわっかんねぇわ~。
狙ってる奴の親友に手出すかね普通。
そんなもやもやした気持ちで…恐らく1時間ほど。
松本からは寝息が聞こえてきた。
二宮も戻ってこない。
…目が冴えてしまった。。
仕方なくそっと起き上がり、水を飲みにキッチンへ向かう。
すると、
「…あ、翔くん先生!」
眠気眼のまま椅子に座ってる智と遭遇した。
「智!」
嬉しくなって声のボリュームが上がってしまった。
慌てて口を押さえる。
「…どうした?寝れないのか?」
「うんとね、さっきふと起きたらニノが…寝ながら泣いてて。『相葉さ~ん…』って言ってたから、相葉ちゃん起こしてぎゅーしてもらったの。そしたら落ち着いたみたいでそのままスヤスヤ2人とも寝て…おいらはその…」
「…あ、抱き枕か抱きつく人がいないと寝れない…?」
「……うん……。」
恥ずかしそうに俯く智が可愛くて仕方ない。
「そんなん、俺に言えばよかったのに。」
「…寝てると思って…」
「バカだなぁ。寝てても起こせばいいんだよ。智にとって俺は何だ?(=彼氏だろ?)もっと頼れ。」
「翔くん先生…うん、ありがと。お願いしてもいい…?(=担任として)」
「当たり前だろ!眠いんだろ?早く寝よう?」
頭を撫でると、子どものようにくしくしと目を擦る。
「ん~…ありがとう。」
ふわっと笑う智が愛おしくて、ぎゅっと抱きしめた。
「二宮のためによく我慢したな。」
「んふふ。おいら偉い?」
「偉い!最高!!釈迦よりガンジーよりキリストより偉い!」
「しゃか…?がんじーって何した人?キリストは教会にいる人だよね?」
「…また教えるね…。」
まだ、一学期だからね…仕方ないね…
ゆっくり学ぼうな…(遠い目)
松本を起こさないよう寝室にそーっと戻り、真っ暗な部屋で智の手を引きベッドへ招き入れる。
松本、俺、智の順で寝る。
智を真ん中にするわけにはいかねぇからな。
松本が何しでかすか分かったもんじゃない。
そのまま向き合って、腕枕して頭を抱え込むように抱き締める。
し、至福か。
これが至福というやつか…。
「しょぉくんせんせ」
小さく智が囁く。
「ん?」
「ちゅーは…ダメ?」
「えっ…いや、ダメじゃ…ないけど……」
いや隣に松本いるしダメだろうけど……
抗う術はないというか…
「…今日ね。ずっと翔くん先生と…したかったの…。」
恥じらうように、ぽつりと呟く智の声が体内の血液を沸騰させる。
あーーーーーーーーーー
お釈迦様。
ガンジー様。
ジーザス・クライスト様。
私は所詮ただの一般人です。
しがない人間です。
ですので…
「ん…ぅっ」
やっぱ、煩悩には敵いません…。
限定に行く気はないですよ!(笑)
でもノープランなんで約束はしません!