甘くて苦い25 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。

ちょっとそっちモードに入ってきました。
やっとゴール見えた!(笑)
多分次は限定…線引き難しい💦
















映画を見終わると、ぐーとどちらかの腹の虫が鳴く。


「腹減ったね、何か食いに出る?何食べたい?」


「俺、魚買ってきたから下ろすよ。飯炊いてくれる?」


「マジっすか?!任せて!ご飯はちょい硬めが好きなんだよね!」


「え?何で知ってんの?」


「当たり前でしょ、大野智のことなら何でも聞いてくださいって宣言した位なんだから!」


何だっけそれ?と大野はきょとんとし、櫻井は何でもないよ、と笑った。




夕食は大野の捌いた鯛の刺身と秋刀魚の塩焼き。


そして買ってきた惣菜のホッキ貝のサラダだ。


櫻井の担当は、ご飯と大根おろし。


「何か魚だらけになっちゃったな。」


ポリポリと頭をかき反省する大野の向かいで櫻井は目をキラキラさせる。


「智くんマジ最高だよ!魚介類大好き!早く食いたい!!」


「んふふ、良かった。いただきまーす。」


「いただきます!…うんめっ!!」


「よかったぁ。こんなの?」


「えっ…あ、初めて!」


「相葉ちゃんの次だろ?(笑)」


「あはは、プライベートでは初めてだよ!…あー。うめぇー…。」


「うふふ……。」


メンバーと過ごした時間や経験は、どんな友人や恋人とも比にならない位に濃く、そして多い。


思い出話、共通の話題、どれだけ一緒に居ても、尽きることは無い。


それでもわざわざ話すこともない。


沈黙の時間は全く気にならないからだ。


そんな関係性。


そんな空気感。


それに相乗して、夢のようなお試し期間も今日が最後という事実が2人の口を重くする。


最終日だね、という言葉が出るのを恐れたのか、それとも互いにその時間を噛み締めたかったのか。


2人は黙々と食べていった。


ほとんど「美味い」以外の会話もせず、夕食はあっという間になくなった。





2人とも風呂から出てテレビを観ていたら、大野が欠伸をした。


櫻井がちらっと壁時計を確認すると、12時半を指していた。


「そろそろ…寝る?」


櫻井が尋ねる。


「うん…そうだね。」


大野が答えた。


2人並んで歯磨きをし、寝室へ向かう。


寝室の扉を櫻井が開けると、大野が「翔くん」と呼び止めた。


振り返ると思った以上に至近距離に大野が立っている。


「おやすみのちゅーして。」


少しだけ背の低い大野の上目遣い。


鼓動が急に高鳴る。


「あ…うん、そうだね。」


ちゅ。


2日目と同じように、触れるだけのキスをする。


「…おやすみ、智くん。」


すると大野がぐいっと襟元を引っ張った。


「これじゃない。」


目を見開く櫻井を尻目に、大野はぐっと自身の唇 を押し 付け、首の角度をズラし舌 を捩じ 込んだ。


「…っ!」


驚いて櫻井は一歩引くが、大野が離れないように更に近付く。


それによろめいて数歩分後ずさると、櫻井の踵がベッドにあたり、2人で倒れ込んだ。


それでも大野の舌は口 内を這 いずり 回っている。


上 顎を つぅーっと 撫でる ように伝うと、櫻井は ビク っと跳ねる。


大野の舌が櫻井のそれを捕らえ、絡 める。


「ぅ……んっ」


1日目のキスは自分のペースだったのに今回は完全に大野の主導権。


その積極性が、まるで愛されているかのように錯覚して、櫻井は抵抗するのをやめる。


それに気付いた大野はキスをしながら右手をパジャマの 裾 から 忍び込ませ、胸の 突起を 摘んだ。


「あぁ……っ!」


櫻井は自分の声の高さに驚いた。


まるで女みたいだ、と痺れる脳で微かに思う。


その声を聞き、大野は櫻井の耳 元へ 口を持っていく。


「翔くん、感 じた?」


先程の櫻井と反比例するかのようなその声の低さに、ぞくっ と肌が 粟 立つ。


そのまま胸の 突起 を転がしたり 潰したり しながら、唇 は 首へとスライドする。


べ ろり、と猫のように 舐め 上げると、櫻井は 「あぁっ」と身 震いした。


「脱 いで?」


大野が言うと、櫻井はハッとして慌てて止める。


「待って、ちょっと待って智くん!」


「…嫌だった?」


大野の身体を押し上げてお互い向かい合ってベッドに座る。


「全然嫌じゃないしむしろウェルカムなんだけど、待って!これって何?おやすみのキスなの?」


「こんなんおやすみのちゅーなわけないじゃん。」


「だよね?!こんなの…俺、耐えられないよ。こんなこと、松本とも…したの?」




考えるだけでも胸が張り裂けそうになる。


これが松本の言っていた『地獄』なのか?


だとしたらその通りだ、と櫻井は思った。


1日目はつい『いい?』と聞きそうになったが、ハッキリと恋を自覚した櫻井にとってこれは『地獄』だ。


何故なら、大野の気持ちがどこにもないからだ。


櫻井にとってはそれが一番怖いことだった。


関係を 持ってしまったら最後、どんな答えも受け止められなくなる。


恐らく…大野から抜け出せなくなる。


「まつじゅん?するわけないよ。」


「…でも…今はお試し期間でまだ答えは出てないんでしょ…?」


すると大野はにっこり笑った。



「まつじゅんは、もう断ったよ。」