皆さんお元気ですか(小声)
急に打ちたくなっただけの気まぐれ自己満です。笑
全然楽しいのじゃないし内容が内容なのでご期待なさらず。
『この度、第一子授かりました。』
何度か打ちかけて、やめて。
文章を変えて、やっぱり消して。
──バカバカしい。
途中でそう思って、俺は一番最初に打った簡素な文でメッセージを送った。
少ししてメッセージの表記があった。
送り主の名にちょっとドキッとする。
分かってるはずなのに。
『おめでと~!』
ああほら、案の定。
画面上でも間延びした語尾のあの人からの返事。
分かってた。
そう来ることも。
俺がそれを見て
どんな気持ちになるのかも。
分かってたのに。
『ありがとう!』
そう、返すしかないじゃないか。
あの日。
俺は貴方にずっと一緒にいたいと告げた。
一世一代の告白のつもりだった。
けど貴方は。
初めて見るような困った顔をして、一呼吸おいて、ごめん、と少し笑った。
そんな顔させたかったわけじゃない。
そんな風に困らせたかったわけじゃない。
そして
へらりと笑った貴方にムカついた。
多分、貴方は気付かない。
気付いてほしくなんか、ない。
だってそれは貴方に共有なんて一生できないから。
***
『この度、第一子授かりました。』
――そっか。
思わず漏れた、これが第一声。
それ以上でもそれ以下でもない。
『おめでと~!』
これを送ったら、彼はきっと
『ありがとう!』
んふふ、やっぱりな。
歴史は長い。
彼がどういう返事をしてくるかなんて手に取るようにわかる。
だけど
だけどあの日だけは
すごく、びっくりしたんだ。
――俺は…ずっと一緒にいたいと思ってるよ。
突然言われて、困惑した。
だって、彼がそんなこと言うなんて思いもよらなくて。
だけど俺はもう決めてたから。
皆と
…彼と離れるって。
――、ごめん…。
へらって笑って誤魔化した。
だって、意思が弱ってしまいそうだったから。
何のために決意したのか分からない。
俺は
この気持ちと決別する為にあの場から離れたっていうのに。
辛くて苦しくて
呼吸をしてるはずなのに、彼の前だと毎日息が出来なくて
だから俺は──。
彼はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、ムッとした。
顔には出てなくても分かる。
言いたいことを我慢している時の空気。
そして
そんな彼に胸がぎゅっとした。
多分、彼は気付かない。
気付いてほしくなんか、ない。
だってその気持ちは一生俺だけのものだから。