ブログは本当に久しぶりで、内容は殆ど自分の備忘録なので、大目に見てやってください。

 

注意1:この共有設定には、パソコンのログインパスワードが必要です。最近ログインにPINナンバーをご使用されており、ログインパスワードを忘れてしまった方は、最終的にAndroidスマホがパソコンの共有フォルダにログイン出来ませんので、パソコンのログインパスワードを確認されてから、設定を行ってください。

 

注意2:実際の設定には、非常に時間が掛かりますので、まずはこのブログをザッと目を通して頂き、ご自分で設定出来そうなら、設定を始めてください。

 

Androidスマホ(以下、スマホ)とパソコンのファイルの共有を、Googleドライブや、MicrosoftのOneDriveなど、クラウド経由で行っている方も多いと思いますが、直ぐに共有したい場合や、ギガ単位の大量のデータを共有するなら、スピードが速いWi-Fi経由で行うのが便利です。

 

ところが、このWi-Fi経由の共有設定が(最初の1回限りですが)、意外と複雑なので、今回ここで順を追って説明していきます。

 

まず前提として、このやり方では、”パソコンからスマホ”の共有フォルダの呼出し、”スマホからスマホ”の共有フォルダの呼出しは出来ません。理由は単純で、(私の知る限り、)パソコンと違って、スマホには共有フォルダの作成機能がないからです。

なので、この共有の主な使い方としては、

 

①パソコン内のファイルを、そのパソコン内の共有フォルダに移動・コピーし、スマホ側から覗いて編集する。

②スマホ内のファイルをパソコンの共有フォルダに移動・コピーし、パソコン側や別のスマホで編集する。

(つまり、全部、パソコン側の共有フォルダ経由で共有を行います。)

 

(余談↓)

※多くのAndroidファイラー(ファイルマネージャー)アプリで、ftp接続でパソコンからスマホのファイルを直接覗く機能を提供していますが、ログインの度に、IP アドレス、ユーザー名、パスワードの入力を求められ、実用的でないので、ここでは取り扱わないです。(また、ftp接続では、スマホ内の”フォルダ”の編集が出来ないのも、取り扱わない理由の一つです。)

(↑余談終わり)

 

前置きが長くなりましたが、以下に大まかな手順を示します。

 

手順1 パソコンに共有フォルダを作成する。

 

手順2 お家のWi-Fiルーターの設定で、MAC アドレスをもとに、共有しようとしている機器(スマホ、パソコン)のIP アドレスを固定してあげる。

 

手順3 パソコンのセキュリティー対策ソフトのファイヤーウォールの設定で、パソコンから手順2で固定したスマホのIP アドレスへの通信を許可する。

 

手順4 Androidアプリ、「ファイルマネージャー +」を使用して、パソコン内の共有フォルダにアクセスする。

 

 

 

 

 

 

手順1パソコンに共有フォルダを作成する。

 

非常に簡単な作業です。まず、パソコンの任意の場所にフォルダを作ります。(私の場合、D:¥共有フォルダとしました。)


 

 

「共有フォルダ」を右クリックし、「プロパティ」を開きます。

 

「共有」タブをクリック。「共通(S)...」ボタンを押します。

 

 

※下の画面の「所有者」の「名前」を覚えておいてください。手順4でスマホをパソコンにログインするときに使います。

(私自身のパソコンの「名前」の記載は、パソコンの「ログイン名(メールアドレス)」になっています。このメールアドレスを、スマホがパソコンにログインするときに使います。)

 

何も記入せず、「共有(H)」をクリック。

 

「終了」をクリック。

 

これで¥¥(パソコン名)¥共有フォルダの作成が完了しました。

 

 

 

 

 

手順2 お家のWi-Fiルーターの設定で、MAC アドレスをもとに、共有しようとしている機器(スマホ、パソコン)のIP アドレスを固定してあげる。

 

ここでは、ファイルを共有しようとする、スマホの機器名※1、IP アドレス、MAC アドレスを調べます。

※この作業は、スマホがお家のWi-Fiルーターに接続された状態で行ってください。

※1機器名は、実際は、Android 8スマホでは「モデル」、Android 9では「モデル」や「機種名」と表記されています。Android 10スマホでは「デバイス名」のことです。

例:モデル SOV36、デバイス名 Rakuten Hand 

 

(余談↓)

皆さんが使用されているWi-Fiルーターは、何も設定をしていなければ、接続される機器(スマホ、パソコン)に、自動的にルーター内で空いているIP アドレスを割り振ってます。IP アドレス(192.168.XX.XX)とは、ネット上の住所みたいな物で、これをもとに機器同士の通信が行われます。

そのIP アドレスが、空いてるアドレスに自動で割り振られると言うことは、機器(スマホ、パソコン)がWi-Fiルーターにログインするたびに、住所が変わってしまうのに似ています。これはファイルを共有する上で大問題なので、Wi-Fiルーターの設定から接続する機器のIP アドレスを、MAC アドレスをもとに、固定してあげる必要があります。

 

MAC アドレスとは、通信機器に割り振られた識別番号のような物です。通常はコロン(:)やハイフン(-)で区切られ、12桁(英数字混じり)で、下記のように表示されます。

例1 XX:XX:XX:XX:XX:XX

例2 XX-XX-XX-XX-XX-XX

MAC アドレスは世界中の通信機器に割り振られていて、一意(ダブリ無し)の番号です。

重要:Android 10、iOS14以上では、プライベートネットワークアドレスという、接続したWi-FiネットワークごとにMAC アドレスを変更する機能があります。公衆Wi-Fiに接続する時等に、プライバシーを保護するこの機能ですが、お家のWi-FiルーターでIP アドレスを固定するうえで非常に問題なので、お家のネットワークに対しては、この機能をオフにしてください。

(余談終わり↑)

 

私のAndroid 9スマホのIP アドレスとMAC アドレス(「Wi-Fi MACアドレス」の部分)です。

上記画面は、Android 9スマホだと、「設定」→「システム」→「端末情報」で、下にスクロールすると出て来ます。

(Android 10スマホでは、「設定」→「デバイス情報」で、同じ情報が表示されます。

Android 8スマホでは、「設定」→「システム」→「端末情報」→「機器の状態」です。)

 

ここで全ての、ファイルを共有したいAndroidスマホの機器名、IP アドレス、MAC アドレスを調べてください。

因みに機器名は、Android 9の場合は、上の画像の「端末情報」の画面に、Android 10の場合は「デバイス情報」の画面に、Android 8の場合は、「機器の状態」から一つ戻って、「端末情報」の画面に表示されています。

 

 

全てのスマホの機器名(デバイス名)、IP アドレス、MAC アドレスを調べ終わったでしょうか?

それでは、次に参ります。

 

ここでは、ファイルを共有しようとする、パソコンのデバイス名、IP アドレス、MAC アドレスを調べます。

※この作業は、パソコンがお家のルーターに接続された状態で行ってください。

 

パソコンの「デバイス名」はデスクトップ上の「PC」を右クリックし、「プロパティ」で表示される以下画面に表示されます。

 

パソコンのIP アドレス、MAC アドレスを調べるには、Windowsに標準で搭載されているアプリ、「コマンドプロンプト」を使います。

Windows 10の場合、タスクバーの🔎の所に「コマンド プロンプト」と入力してください。

 

 

上の画面で「コマンドプロンプト」を起動し、表示された下の画面で”ipconfig /all”と入力し、エンターキーを押します。(gと/の間には、スペースが必要です。)

段落ごとに、そのパソコンが持っているLAN接続(Wi-Fi接続を含む)が可能な機器の状態が表示されます。

「メディアは接続されていません」と表示されている段落の機器は、現時点で使用されていない機器なので、無視してもらって大丈夫です。

必要なのは、現在接続に使用されている機器、上の画面で言うと、3段落目の機器の黄色い枠で囲った部分の、「物理アドレス」(MAC アドレス)と「IPv4 アドレス」(IP アドレス)の情報ですので、コピーしてください。

以上でスマホとパソコンの機器名(デバイス名)、IP アドレス、MAC アドレスを調べ終わりました。

 

ここでご提案なのですが、ルーターへの接続機器が多数におよぶ場合、今回調べたスマホとパソコンの機器名(デバイス名)、IP アドレス、MAC アドレスを一覧表にして、簡単な手順書と共に、ファイルに保存しておくことをお勧めします。ルーターを交換する作業は、何年かに一度のことなので、忘れてしまいますから。

 

次にWi-Fiルーターの設定で、調べたMAC アドレスをもとに、ルーターに接続する機器のIP アドレスを固定する作業をします。

ここからは、皆さんがそれぞれ使用されているWi-Fiルーターの設定画面が違うので、あくまでも参考として見てください。

 

まず、Wi-Fiルーターの設定画面を開きます。

Wi-Fiルーターの設定画面は、一般的には機器(スマホ、パソコン)がルーターに接続されている状態で、ブラウザー(Edge、Chrome等)のアドレスバーに、固有のIP アドレスを入力することで開きます。この固有のIP アドレスは、ルーターの型番をもとにネットで調べるか、ルーターの取扱説明書で調べておく必要があります。その時、ログイン IDと初期パスワードを併せて調べてください。

 

SoftBank 光ルーター(E-WMT2.4)の場合

ブラウザーのアドレスバーに、「172.16.255.254」と入力して、Enterキーを押してください。


 

 

 

すると、セットアップのトップページが開きます。初めてルーターの設定画面にログインするときには、ページが開く前にログイン IDとパスワードの入力を求められるので、それぞれ入力してください。(製造メーカー各社違いますが、経験的に初期のログイン IDは、「User」とか「Admin」になっていることが多いです。)

 

それでは、私のルーターのIP アドレス固定の設定画面に移動します。

「ルーター機能の設定」に入る。

 

「IPアドレス/DHCPサーバの設定」に入る。

 

下の赤枠が「(IP)固定割当」の欄なので、上記で調べたIP アドレスとMAC アドレスを、デバイスごとに全てセットで入力し、「設定を保存する」でルーターを再起動してください。

(SoftBank 光のルーター(E-WMT2.4)では、8個までしか固定アドレスを設定できません。)

 

以上の手続きで、このルーターに接続される機器のIP アドレスが固定されました。(登録した機器は、何度ルーターに再ログインしても、同じIP アドレスが割り当てられます。)

 

 

 

 

 

手順3 パソコンのセキュリティー対策ソフトのファイアーウォールの設定で、手順2で固定した機器のIP アドレスへの通信を許可する。

 

(余談↓)

※ファイヤーウォールとは、主にセキュリティー対策ソフトの機能の一つで、これには自機のIP アドレスを隠す機能が含まれています。

これは主に、公衆Wi-Fiを使用するときに役立つ機能で、自機のIP アドレスを隠すことで、相手(悪意を持ったハッカー等)の機器に対して、通信を遮断することが出来ます。ところがこれが、ファイルを共有しようとしているスマホに対しても、IP アドレスを隠してしまうため、以下のパソコンの作業で、IP アドレスを信頼できるあなた自身の機器に対して開放して、通信が出来るようにしてあげる必要があります。

(余談終わり↑)

 

※以下、セキュリティー対策ソフト、Norton 360での説明になります。

Norton 360を立ち上げて、「設定」に入る。

 

「ファイアーウォール」の設定に入る。

 

開いた画面で、下にスクロールして、「デバイスの信頼」の「設定する [+]」に入る。

 

次に、機器の「名前」と「(IP) アドレス」を入力する画面が出てくるので、上記で調べた機器名(デバイス名)とIP アドレスをデバイスごとに「追加」から入力し、OKを押して設定を完了してください。「信頼レベル」は「完全な信頼」を選んでおけば大丈夫です。(もちろんですが、今入力で使っているパソコンの機器名(デバイス名)、IP アドレスを登録する必要はありません。その他機器のIP アドレスです。)

 

以上でファイヤーウォールの設定は完了です。

 

 

 

 

 

手順4 Androidアプリ、「ファイルマネージャー +」を利用して、パソコンの共有フォルダにアクセスする。

 

Androidスマホに「ファイルマネージャー +」をインストールします。

 

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インストールして、アプリを開き、「リモート」を選択します。

 

「+ リモートロケーションを追加する」を選ぶ。

 

「ローカルネットワーク」を選択する。

 

「ローカルネットワーク」を開くと、ターゲットのパソコンが見えると思います。ターゲットのパソコンをタップしてください。

 

開かれた画面で、「ホスト」にはターゲットとするパソコンのIP アドレス(192.168.XX.XX)と「表示名」が自動入力されていると思います。

「ユーザー名」には、「手順1 パソコンに共有フォルダを作成する」で表示された、パソコンの「所有者」の「名前」のメールアドレスを記入してください。

「パスワード」はターゲットのパソコンのWindowsのログインパスワードです。(前述のように、ログインのPINナンバーは使えません。)

「表示名」にはターゲットのパソコンのIP アドレスが記入されていることがあるので、必要に応じて分かり易い共有名に変更してください。

「OK」を押して設定を完了してください。

 

設定が完了するとデバイス名の下に、パソコンの共有フォルダが表示されます。

 

もしも上記の「+ リモートロケーションを追加する」→「ローカルネットワーク」を押しても、ターゲットのパソコンが表示されない場合には、下記を試してみてください。

 

「マニュアル入力」を押す。

 

「ホスト名」に直接ターゲットのパソコンのIP アドレスを記入し、「ユーザー名」、「パスワード」を記入し、「OK」を押してください。(「その他」を押すと、共有の「表示名」を入力できますが、「表示名」は後からでも変更できるので、取りあえずパソコンの共有フォルダに接続できるかを試してみてください。)

 

 

以上で、全ての共有設定の説明は終わりです。スマホを複数台持たれている場合は、別のスマホで、手順4を繰り返す必要があります。

 

長らくお付き合い頂き、誠にありがとうございました。本当にお疲れ様でした^ ^