ヒグラシのけだるそうな鳴き声を
聞きながら、
畳に寝っ転がって本を読む。
『のんのんばあとオレ』 水木しげる 著
著者子ども時代の回想録
幼い茂くんは自分のことを
「げげる」としか言えなくて、
ついたあだ名が「げげる」
舞台は、げげるの育った
戦前の山陰の港町、境港。
今の時代の子どもには
考えられないほどの
奔放で、乱暴で、理不尽な
子どもの世界が
繰り広げられる。
だけどそれが単なる
「ガキ大将の思い出話」に
終わらないのは、
のんのんばあに語って聞かされた
妖怪たちの存在があるから。
オレはのんのんばあと一緒に寝て、
天井のシミを見る。
のんのんばあは
あれは 皆が寝静まった夜中、
「天井なめ」というお化けが来て
つけるのだ
とまじめな顔をして言う。
たくさんの妖怪の話を聞き、
たくさんの想像を膨らませた
幸せな少年時代。
水木しげるさんの
後半生も
大いに気になる‥
『闇の奥』コンラッド著 黒原敏行 訳
船乗りマーロウが船員仲間に
語って聞かせるのは、
自分自身の昔の冒険譚。
ヨーロッパ列強が
こぞってアジア・アフリカ大陸へと
侵略に繰り出した19世紀後半。
アフリカの地図は
赤、青、緑、橙、紫、黄色に
色分けられていた。
色はこの順に、
イギリス、フランス、イタリア、
ポルトガル、ドイツ、ベルギーの
領土であることを示す。
たくさんの赤や青、緑が少々、
橙もちらほら。そんなコンゴ河の
流域を奥へ奥へとさかのぼり、
ほんの少しの黄色い地へと向かう
マーロウ。
使命は
瀕死の象牙商人クルツを
救出すること。
奥地へと進むほどに
垣間見るアフリカの現実に
衝撃を受ける。
資源はあっても
住み良い土地でなかったアフリカは、
ただ単に掠奪されるだけだった‥
『東海道五十三次』 歌川広重
浮世絵解説本
江戸から京都へと綴られた
一枚一枚の「不思議」を
解説してくれる。
旅籠の宿の張り紙や
旅人の持つ荷物などに、
しれっと自分のスポンサーの
宣伝をしている。
こんなことは解説してもらわないと
ワカラナイ。