おつかれさま・・・・ありがとう・・・・
聞こえていたかな・・・・
あたなに持たせてあげる最後のお菓子を あなたの息子さんと買いに行った。
わたしじゃなく 息子さんが知る好きな物を持たせてあげたかった。
「お父さんの好きなお菓子選んであげて」そう息子さんに声をかけた。
・・・・・お菓子売り場で 彼は 立ち尽くしている・・・・
選んでいるのか 死んだ父との思い出が蘇り 立ち尽くしているのか・・・・
「どうしたの?好きなもの持たせてあげようよ」そう言うと
「・・・・・ぼく 知らない・・・お父さんの好きなお菓子も食べ物も ぼく わからない・・・」泣きだしそうに
ふり絞って 出した声だった。とても驚いたけど すぐにどういう事か察して
「あーそうかーお父さんの好きなお菓子なんか分かんないよねー ごめんごめん」と 軽く受け流して
「これとね これとね これとね・・・」と 指さすと 「そうなんだ こんなお菓子が好きだったんだ」と
嬉しそうに 手に取って 籠に入れた。
初めて 二人で 買い物に行ったのが 棺に入れる為のお菓子だなんて・・・
清算を終えて スーパーの屋上駐車場の出口を出ると 思わず目をふさぎそうになる眩しすぎる光と 8月の青い空とそびえ立つ入道雲が目に飛び込んできた。
「お父さん 空にいっちゃったね・・・どの辺にいるのかなぁ・・・・」と 改めて 空をみたんだけど
あまりに 広すぎる空に あてもなく・・・もう どこにもいないという 確認になってしまっただけで
涙がこみあげて 両手に スーパーの袋を持って 立ち尽くしてしまった。。。
空って こんなに 広いんだ・・・空の何処にいるの・・・・何処にいるの・・・空の広さに泣けたのは 生まれて初めての事だった。。。
死んだ人がお空に逝った・・・そんな言葉 簡単に使っちゃいけないと 初めて知った。。。
息子さんも 同じ思いだったのだろう 「うん 行こうよ」と 空から 目をそらして そう声をかけてくれた。。。
8月の青空と入道雲を見るたび 10年近くたっても あの時の途方に暮れて 立ち尽くした事を思い出す。。。
*空の日があることを知った。。。
*宇宙の好きな人で 特に 夕焼け雲と お月さまが好きで わたしと一緒に見ることを とても 喜んでくれる人だった・・・
*転勤先でお葬式をしたので 葬儀社の人が頼んで下さったお坊さんが 戒名もつけて下さって・・・・それをみて そして つけた理由も聞いて 驚いた・・・・光雲・・・・・なんと 雲とは・・・
そして 雲というのは心も意味します・・・今度生まれてくるときには 心が少しでも晴れる様に 光り輝くように・・・つけました・・・と 言われた.....なぜ 会った事もない人が まるで すべて見えているといわんばかりに 言うのだろう 好きだった雲・・・お別れの言葉に 雲になりみなに会いに行く・・・そうかいた事 若い頃から 心が曇ることが多かった事・・・・すべて お見通しなのか・・・と とてもとても 驚いた・・・
そして わたしの悲しみも さとすかの様に 言われて
とても 驚きつつも・・・・来世 心かるく生まれてくるのだな・・・そう思うと ほんの少し 嬉しかった・・・・
*空は 果てしなく 広い・・・・そして いつもいろんな形の雲が浮かぶ・・・なんの悩みもなく いや 苦悩に負けないように 見上げることもあるかもしれないが・・・・ただ きれいだと見上げていた空 雲 月 星・・・・それらが 悲しみの対象や祈りを捧げる対象になるなんて・・・
知らなかった・・・・・
何年も 空を見上げるのは 出来なかったが・・・
この頃 空を見上げて 話しかけられるようになった・・・
空の何処に いるの?あんなに辛く悲しく見上げた空なのに
今は 見上げた上にいるのだろう・・・そう思えるようになった・・・・
そして 見守っていてくれるのだろう・・・そう思える・・・・・
そんな10年目の八月の空だった・・・・・