2月の2Daysのライブが終わり、1ヶ月がたとうとしている。
終わったあとに、たくさんの感想をいただきました。ありがとうございます。
いろいろあったなかでも特に気づいたのが、この『馬車』。多くの方々から好評をいただきました。感謝です。
先にお詫びを。
インターネットプラバイダ変更にともない、メールアドレスとURLが変わります。
ブログは、Amebaを継続しているので大丈夫ですが、検索サイトからの検索が1ヶ月くらいできなくなるでしょう。古い情報が残るそうなので。そこであらためて、新しいURLをお知らせします。
どうぞよろしくお願いいたします。4月、5月のコンサート情報を更新してあります。
組曲「夢幻」の一言解説もしてあります。
さらにもうちょっと解説したのは、今月FM東京でラジオで流れると思います。詳しくは・・・Act4さんへ!
そのほかの発信媒体である、Facebook、MySpace、Mixiの3つは、継続使用しています。
2009年(昨年)の9月20日の私のブログに「子供たちへの想い」というのがある。そこで書いてあったことを、これから少しずつでも実行していこうかと思い、筆をとる。それが、このような自分の楽曲解説をしようと思った動機です。それでも、全部は言い切れない、いえないこともでてくるでしょう。そのあたりはどうぞ自由に汲み取っていただき、コンサート・ライブ・CD音源でさらにお楽しみいただければとGayoは考えております。
さて、本題。
『馬車』
この曲は、2009年、私がウィーン32日間の滞在中に、日記を書くかわりに「音日記」を書こうということで、一日一曲を目安に書いた「Viennaによせる33のエスキス」の中の7曲目にあたります。そう、予想通り、7日目の11月30日の21時に清書譜面が仕上がっています。
初めての海外独り旅。しかも楽器付。インターネットのメールチェックをしに、毎日毎日、市街中心部にいく私。
その市街中心部には馬車が闊歩している。観光用の2頭立ての馬車。それをいつも路面電車の中や、歩きながらみていた私。乗ってみたい気持ちと、独りだと恥ずかしい気持ちと・・・なにより時期的に独りで乗ったら、身体も心も寒すぎる!みたいな。
でも、かなりの人気で、いつも観光客をのせて楽しそうにのんびり稼動していました。
面白いのは、あの国のあの街は、馬車が優先なのです。馬車はのんびり歩いているじゃない?しかも観光ガイドしながらでしょう、きっと。馬車専用道路があるわけでもなく。結果としては、そう、大渋滞を引き起こすのです。馬車の後ろには、路面電車も、車も、バスも、全部従うしかない。でも誰も怒らない。生活の一部なのですね、きっと。こういうのを一種の風物詩とでもいうのでしょうか?
路面電車で乗り合わせた知らないウィーンのおじ様が、「どうせウィーンに来るなら、夏にくればいいのに。もっといいウィーンを知れたのに」といってくれたこともあったな。もっといいウィーンってなんだ?気になる!
おっと、話がそれてしまった。
そういう「馬車」を到着してから一週間みてきたわけです。そしてそれはその後の3週間毎日続く。
ペーター教会というのがあり、荘厳な内部でした。正直、「ありえない・・・」といいたくなるくらいの贅沢でもありこだわりでもあり、芸術でもある。圧倒されてしまう。くやしいけれど。そこでコンサートがあるというのでいってみた。すると、そのペーター教会の前に、馬車が集まっているの。発着場なのかしら?いつも歩いてる馬車が4,5台と多いときにはとまっている。
休憩している馬車もなかなかかわいいものがあった。匂いは特に感じなかった。近くに馬の学校があるらしい。ガイドブックにはかいてある。前も通った。王宮付きなのだろうか。
そしてこの曲がなぜうまれたか。
オーストリアは陸続きなんです。私は想像するしかできないけれど、馬車にのってしまえば、東西南北どこにでもいけてしまう。歩いてもいけるけど(笑)。私の中で、この馬車というのが、自由の象徴に感じた。音楽に自由でありたいという強い思いをもって行動した同じ時期に、なぜか馬車をみて、いろいろ想像していったら音が降りてきた。エスキスという作品の気楽さも手伝い、和声だとかコードだとかを考えずに、純粋に書いた素朴な楽曲シリーズのひとつ。
どんな想像をしたのか?
東にいったらハンガリー、モルドバ?
北にいったらドイツ?
西にいったらチェコ?
(かなり怪しい世界地図)
陸続きという、ある種感動と、アニメ「赤毛のアン」のマシューさんを思い出した。アンがやってきた初日の喜びと、翌日の反動、その後全話を通じてそこにある馬車。自分が花の小経を馬車にのって駆け抜けている。その小路を抜けたところ、そこは?
知らない場所だった。そしてさらに感動。
2009年その時期の、自分の内面の葛藤と、希望とが織り交ざっていた複雑な時期、だからこそ生み出されたひとつの自由への憧れだと思う。
作曲者Gayoのそういう内面は横においたとして、純粋に面白いと思っていただければそれでうれしい。
また聴きたいという声が多ければ、またライブやコンサートにいれています。なにせ、ほかにも曲いっぱい書いちゃったから。(使えるのは数曲だろうけど)
2月の初演にあたり、リハーサルしたときに初めて耳にしたメンバーの感想
「どこが馬車?」
・・・・たしかに、どこがといわれると、私の曲にしては珍しく視覚を音に変換したものではないから難しい。けれど、私の中では確実に「馬車」。イントロの4小節も、何を表しているのだろう。いろいろ推察してみると面白いかも。何も表していなくても、はずせないフレーズなのです。不思議と。箏という限界のある楽器だからこそ、楽しく演奏できるといいなと作りました。難しくないのも私の作る曲の特徴です。めざせ大衆化!
「中近東のイメージだね」
ともいわれました。
なるほどなるほど。音階を狙って使ったわけではないのだけど、できあがってみると、たしかに。ということは、ウィーンから西へ西へといったのだろうか?南へいったのだろうか・・・・世界地図よろしく!
ベリーダンサーの方からも、馬車で踊ってみたい・・・といっていただけました。踊れるんだ・・・この曲で。
そんなステージもありですよね。
本人としては、毛色の違う私の作品をという思いでプログラムにいれたのですが、思わぬところで好評でした。
今度ウィーンに行く機会があったら、この馬車に乗ってみたい。誰かと。そう思います。
Gayo
DATA『馬車』
・二十絃箏とヴァイオリンの二重奏作品
・作曲:2009年11月30日21時、オーストリア・ウィーン(シューベルトガッセにて)
・初演:2010年2月5日「Gayo Origin Live 2010act.1」銀座Tactにて、ヴァイオリン・楢村海香さんと
・「Viennaによせる33のエスキス」が、Op.31にあたるため、枝番号をつけて、Op.31-7とした