『ダヤンのカントリー・ダイアリー』 | 手当たり次第の本棚

『ダヤンのカントリー・ダイアリー』

ダヤンが暮らすわちふぃーるどは、自然に恵まれた土地だ。
というより、環境汚染をするような科学技術の産物がない、と言った方が良いのかもしれないけれども。

ともあれ、わちふぃーるどは、「古き良きカントリー」といった雰囲気が濃厚で、それはイギリスやアイルランドに、日本をちょっと入れて、フュージョンしたような感じと言えるだろうか。

そんな素敵な田舎生活を、というより、ほとんど田舎のアウトドアを、楽しむための本がこれだ。
絵本なので、わちふぃーるどの野山がたくさん登場する。
そしてもちろん、1年を通じて、季節を追っていくので、春、夏、秋、冬……とわちふぃーるどの1年が楽しめるのだ。

しかし、なかでも私の好みとしては、これ、秋が一番素敵なのだ。
椎の実、どんぐり、くぬぎの実、そして手に入れやすい茸のたぐい。
葉は紅葉し、そのなかをダヤンやマーシィが歩いていく。

レシピブックではないが、本作も、野山で手に入るものをどんな風に利用するかとか、簡単なアウトドア料理が載っているので、そういうものを見ていても別の楽しみがある。


ダヤンのカントリーダイアリー/塩野 米松
(中公文庫版も有)