『世界の怪物・神獣事典』 | 手当たり次第の本棚

『世界の怪物・神獣事典』


 まだ隅々まで読んだわけではないけど、手元に届いたんで、ざっと見てみた。この手の事典としては、さほど偏りがなく、世界中の神話伝説から、網羅して抽出していると思う。
でも、記述(または訳文)に、いささか、甘いとこあり! 特に東洋(私が気づいただけで、中国・日本)関係のものは、注意が必要。微妙に違ったりするところあり。つまり、事典の記述を全て鵜呑みにしてはいかんって事だな。
(この事典に限らず、内容についてはクロス・リファレンスした方がいいのは当然だ)。

映画が世界的にヒットしたとはいえ、『指輪物語』 のものまで入っているのは、感心した。ここで、「ムマキル」の項目には「じゅう」とも書いてほしかった、なんてのは、瀬田訳『指輪物語』 のファンとして、要求しすぎ(笑)?

『指輪物語』を取り入れるなら〈クトゥルー神話〉も、というのは、ラヴクラフトのファンとして要求しすぎ(笑)?

いや、いいんだけど。
「こんなもんまで載ってるのかあっ」
なんてマイナーなものまであるみたいだしね。

それはそれとして、この事典の良いところは、巻末付録として、特定のテーマごとに、項目名をまとめてある事かな。何か特定のグループを探す時に、便利そう。

著者: キャロル・ローズ, 松村 一男
タイトル: 世界の怪物・神獣事典  2004年12月7日新刊