誕生日は楽しく! ダヤンの場合は? 『ダヤンのたんじょうび』 | 手当たり次第の本棚

誕生日は楽しく! ダヤンの場合は? 『ダヤンのたんじょうび』

誕生日を祝ってもらうのは、いくつになってもいいものだ、というのが、私の持論だ(笑)。大人になると(成人すると?)、もう、どうでもいいや。いや、むしろ、誕生日は来て欲しくない! なんていう人もいるけど、60になったって、70になったって、
「お誕生日おめでとう!」
と言ってもらえるのは、うれしい事じゃないかなあ?

少なくとも、友達をたくさん呼んで、パーティーするのは楽しいだろ。

でも、自分の誕生日がわからなかったら?
まあもちろん、我々にとっては、そんな事はまずないけど、「アルス生まれの猫」であるダヤンは、そうだったのだ。
わちふぃーるど生まれと違い、地球(アルス)に生まれれば、誰も、
「あなたの誕生日はいついつです」
なんて教えてくれないからね。
生まれたばかりの赤ん坊は、日付なんて知らないし、そもそも生まれたばかりの時の記憶なんて、ふつー、とっておけないし!

というわけで、ダヤンが誕生日を祝うには、まず、自分の誕生日を調べなければならなかった。それをやってくれたのが、カシガリ山の魔女たち。
この魔女たちの魔法のかけかたって、面白いよね(笑)。
今回の魔法も、なかなか面白かったよ。

あとは、まちにまった誕生日だけど、ここでダヤンはとんでもないミスをしてしまうのだ!
友達はぜーんぶ呼んだと思ったけど、ついつい、魔女たちを呼ぶのは忘れちゃった。誕生日を調べてくれた恩人なのにね?

でも、魔女とか妖精のうち、誰かをお祝いに呼ぶのを忘れるというのは、伝統みたいなものなんだけど(笑)。
ほら、『眠り姫』(いばら姫) だって、そうだっただろ?

ダヤンが、そのために魔女たちから受けた仕打ちは、100年もいばらの城で眠る……のではなくて、もっとおかしく、もっと笑える事。それに、すぐにジタンが助けてくれた。

今回の絵本は、ダヤンの魅力もさることながら、魔女たちがすごく活躍してるよなあ。楽しいです( ‥)/


著者: 池田 あきこ
タイトル: ダヤンのたんじょうび