私の働いている訪問看護ステーションのオンコールは、9時から翌朝9時までのちょうど24時間の緊急電話を当番で回していくという決まりになっています。
 
ちなみに、基本的に出勤日と出勤日の間に当番をつけるようにしているので、9時から通常業務開始+当番開始ということになります。
 
定期の訪問をこなしつつ緊急の電話対応をしながら必要あれば緊急訪問という中々ハラハラする仕事内容です。
 
この訪問看護のオンコール当番。病院の夜勤と何が違うの?と思われる看護師さんも多いと思います。
 
 
今回は訪問看護のオンコールについて、現役訪問看護師の私の実際のオンコールエピソードについてご紹介します。


 
 

訪問看護のオンコールって?

 
夜間のオンコール当番の仕事内容はこちら。
 
・患者さんからの緊急コール窓口
・夜中でも訪問が必要となれば出動
 
至ってシンプルです。
 
しかし、このオンコール当番。
全く電話が鳴らない日もあれば、電話が鳴りまくり夜中に出動することも…。
もちろん定期の訪問をこなしている日中にも鳴ることがあるので、その場合は日勤のメンバーで分担調整しながら緊急訪問を行います。
 
私の場合は、翌日は普通に訪問の仕事が入っているのでこの夜のオンコールの頻度によってはかなり辛いのです。
 
ただ、病院の夜勤と比べると負担は少ないです。自宅に帰宅して普通の生活を送ることもできますし、きちんと睡眠時間を確保することもできます。
 
 

実際のオンコール内容

以下は、私が実際に体験したオンコールの電話内容です。
 

①精神疾患患者さんや認知症患者さんの不穏連絡

「財布が無くなったんだけど」「あそこのお店の電話番号教えて」など訴えは様々ですが、あれ?何でも屋さんのコールセンターかな?と感じる日もあります(笑)
上記の内容であれば、少し傾聴したり不明点をお伝えしたりという対処で済みますので、わざわざ緊急訪問に行くことは少ないです。
 
ただ、電話口で明らかに錯乱している様子があったり、徘徊リスクがありそうな場合は様子を見に訪問に行くこともあります。
 
 

②症状出現時の対処方法について

本人やご家族から「痛いって言ってるんだけど、どの座薬使えばいいかな?」「息が苦しいんだけど、どうしたらいい?」「いきなり変なことを言い出したんだけど大丈夫かな?」「今食べ物を吐いてしまった、このまま様子を見ていいか?」など様々です。
 
疾患や重症度によって対処が異なります。
例えばターミナル期(看取り期)であれば、「熱が出た」「痛み」「呼吸困難感」「吐き気」「せん妄」という症状は必ずといっていいほど出現してくる症状です。あらかじめ医師から頓服薬が処方されていれば、電話口でその薬を使用するよう指示したり、ヒアリングし次回の定期訪問日までに看護師の訪問が必要と判断すれば緊急訪問します。
 

実際に緊急訪問する具体的な事例は以下のような時です。

・息が苦しいと言って、薬を使ったけどまったくよくならない。

→HOTが手配必要な状況であれば、医師と連携を取り手配し酸素療法開始のため訪問

 

・痰が上手く吸引できない。
ご家族によっては吸引手技を指導し実施していただく場合が多いです。しかしやはり医療者に比べると十分な技術力ではないため、看護師の吸引が必要な場合は訪問する場合もあります。
 
・息をしていない
→いよいよ最期の時が近づけば、ご家族から呼吸停止の連絡がくることもあります。その場合は医師に連絡しつつ訪問し、医師の死亡診断を待ちつつ希望があればエンゼルケアも実施します。
個人的にはこの事例が一番大変な緊急出動です。だいたい1回の訪問に1-2時間程度は要しますので、夜中だとかなりキツイお仕事になります。
 
 

③ルートなどのデバイス類のトラブル

皮下から麻薬鎮痛剤の持続点滴を使用していたり、CVポートを使用し高カロリー輸液を持続投与している患者さんがいらっしゃいます。その他にも経鼻胃管チューブ、尿道カテーテル、末梢静脈点滴など病院と同様の医療処置を継続しつつ、自宅で過ごしている方々は思ったより多いのです。
 
針が入っていれば、事故抜去や刺入部トラブルは起きる可能性があります。
また、それに伴い在宅で使用する輸液ポンプ(CADDやカフティポンプ)のアラーム対応にご家族が不慣れな場合はその指導や対応も訪問看護師が行います。
 
電話口での指導で対応が可能であれば緊急訪問はしませんが、針の再留置が必要であれば訪問に伺いますし、機械のトラブルの場合も同様です。
 
 
 
 

患者さんの在宅生活を支えるオンコール

 
以上、現役訪問看護師の私の実際のオンコールエピソードについてご紹介しました。
 
「大変そうだな~」「そんなこと私は一人で判断できない…」「夜って安心して眠れるの?」など、不安になった方も多いのではないでしょうか。
 
そう、実際大変なことが多いのは本音です。そこは嘘を言うつもりもなく、包み隠さずお話していきたい部分です。
ですが、緊急訪問した帰り際「本当にありがとう、訪問看護師さんが居ないと家に帰ってこられなかったわ」「安心して涙が出そうだった」「最期、あなたでよかった」など有難いお言葉をいただけることは多いし、私自身『ああ、頑張ってよかった』と思える瞬間でもあります。
 
迷って一人で判断できない時は、遠慮なく真夜中でも上司に相談電話をしますし、実際そのようにきちんとフォロー体制が整っているステーションは多いと思います。
 
24時間オンコールを取っていないステーションもあるので、そちらは就職活動の際の選ぶポイントにしてもいいかもしれません。