医療者のさりげない一言が、患者さんに与える影響は大きいです。
先日、そのことを思い出させてくれたエピソードをご紹介します。
90代女性で入院中の患者さんです。
先週から調子が悪く、食事量も減り、寝ている時間が増えてしまいました。
微熱があり、痰も増えていたので、肺炎を疑いました。
抗菌薬治療を開始すると、少しづつ目を開けたり食べることができるようになりました。
ここまでは一般的な肺炎の治療経過なのですが、この方はちょっと違ったのです。
ある朝、回診して聴診をした際に、「良くなりましたよ!」と声をかけました。
患者さんはとてもうれしそうな顔をされました。
その日の午後です。
久しぶりに車椅子に乗って、スタッフステーションまでやって来たのです!
あまりにもうれしくて、二人で手をつないでしまいました。
担当看護師のOさんによると、「今朝、先生から良くなったと言われたので、私は良くなったんだ」といって急に元気になったようです。
Oさんもうれしそうに、「先生、本当に言薬ですね」と言ってくれました。
安易に励ますことには注意が必要ですが、私たち医療者の一言が患者さんに与える影響は計り知れません。
入院生活というのは、決して楽しいものではありません。
ですが、ちょっとしたことが誰かのこころを癒やす可能性も秘めています。
あたかも砂漠のオアシスのように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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