いま読んでる歴史小説に、

「乳母」ってのが出てきているんやけど。

身分が低い女性が、貴族の子どもに、

おっぱいをあげて育てるっていう。

乳母には、その時期に子どもを産んでて、

母乳の出が良い女性が採用されたらしい。

貴族の女性は、「子育て」なんていう

「雑事」に関わるべきじゃない、

とかって考えがあったんやとか。



これ、すごい制度やなーと思う。



きっと昔の貴族の女性の中には、

「自分の母乳あげたいー(泣)」

って、涙を流した人もいたんやなかろうか。

自分が貴族やったら絶対そう思うと思う。



まぁ、ミルクもない時代のことやから、

万が一貴族の女性に母乳トラブルがあって、

母乳が出なかったりしたら、

その子の命に関わったことも確かで。

身分の高い子どもをなんとか無事に育てるために生み出した、

上手い制度なんかもしれんけど。



ていうか、「子育て」が「雑事」って。

なーんか、〈男性〉性的な考え方やなぁ。



閑話休題。



この時代の朝廷って、

血縁で結ばれた実の兄弟が、

政権争いで殺しあったりする場所。

逆に、乳母や乳兄弟との絆は強くて、

生涯大切にしてたらしい。



血縁があることより、「大切に育んだ」ことが、

ずっと「絆」を強くするものらしい。



そういう意味では、

この時代の「兄弟」って、

今の感覚とはだいぶ違うのかも。



史実に触れて、

「実の兄弟を暗殺するなんて、

考えられへん!!」

って思うかもしれんけど、

そもそも現代の兄弟とは、

心の距離が違ってたのかもなぁ。