子どもの頃は、英語が好きだった。
英会話教室はとても楽しくてワクワクしていた。
だから英語に力を入れているという中学に入学したときは
それはそれは、期待に胸を躍らせた。
なのに。
中学・高校で学んだ英語は、それはそれはつまらなかった。
一気に私の英語に対するモチベーションは下がり(むしろ嫌いになり)、
一気に苦手科目となった。
高校時代なんて、英語が週8時間もあって(学校に通うのは週6日なのに!)
嫌で嫌でたまらなかった。
ただただ、文法と読解の日々。
単語を延々と調べるのが予習。
解説を聞いてもいまいちピンとこない。
読めない、書けない。
単語スペルを覚えることで点数がつくから、正しい発音なんてわからない。
もちろん話せるようになんてならない。
これは一体、なんの勉強をさせられているのだろう…?
昔から、日本の学校の英語教育は疑問視されているけれど
多聞に漏れず、私も疑問を感じながらひたすら辞書をめくった。
そんな高校2年の夏。
中国に親善交流に行くことになった。
そこで私は、言葉に対して驚くべき体験を持つ男性と出会う。
日本から中国に渡った高校生は確か20~30人。
詳しい人数は覚えていないけれど。
そこに市役所の職員数名と通訳さんが同行して、四都市(上海、西安、洛陽、北京)をまわった。
その通訳さんが、私にとって驚くべき体験を持っていた。
彼は当時20~30代くらい(だったと思う)。
日本人だ。
中国という国そのものや中国語に興味を持っていた私は、彼に聞いてみた。
「どうして中国語が話せるようになったんですか?」
その時の彼の答えが、すごくショッキングだった。
「仕事に疑問を感じて会社を辞めた後、3ヶ月くらい中国をぶらぶら放浪してたんだよね。
その時に身についた」
は?
意味がわからなかった。
え?じゃあ、勉強してないの?
勉強しないで話せるようになったの?
でもどうやって?
だって意味もわからない言葉で、基本も学んでいなければとっかかりもないじゃない。
なのに話せるようになっちゃったの?
しかも通訳ができるくらいに??
目から落ちるウロコがなくなるくらい、目からウロコだった。
その時からだ。
“耳から聞いて、現地での体験と共に人は自然に外国語と言われている言語を話せるようになる”
ということに興味を持ち始めたのは。
今から20年ちょっと前の話。
その時の答えを今、私は自分で実験しながら掴み始めている気がする。