繊細さんの読書・映画鑑賞記録

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「ガーンジー島の読書会の秘密」 (2018)

 

あらすじ

1946年、終戦の喜びに沸くロンドンで暮らす作家のジュリエットは1冊の本をきっかけに、゛ガーンジー島の読書会”のメンバーと手紙を交わすようになる。

ナチスに脅えていた大戦中は、読書会と創設者であるエリザベスという女性の存在が彼らを支えていた。本が人の心をつないだことに魅了されたジュリエットは読書会についての記事を書こうと島を訪ねるが、そこにエリザベスの姿はなかった。

 

 

※ネタバレだらけです注意!!!

 

 

ロンドンの書店でサイン会ツアー中のジュリエット。戦後のヒット作家がどれだけ裕福なのかいまいちわからないけれど、良い身なりで軍人の彼と夜はパーティーに参加。ジュリエットの部屋は彼から贈られたバラの花束でいっぱいです。

一瞬で想像できる、この軍人とは絶対にくっつかないぞ....。

 

自宅で受け取った手紙の中に、心当たりのないドーシー・アダムズという養豚家からの手紙が。

大戦中ドイツ占領下の生活の中でたまたま彼の手に渡った1冊の本に、ジュリエットの名前と住所が書いてあったため、我々「読書とポテトピールパイの会」に唯一笑いを与えてくれた、というお礼と、島には本屋がないため良ければシェイクスピアの本を入手してほしいというお願いが書いてありました。

ジュリエットは、読書会についてもう少し教えてくれたら、シェイクスピアをプレゼントとして贈りますよと返事を出します。

2人の文通はしばらく続き、ジュリエットはこの読書会について起きたことを記事にしたいと島へ行くことを決めます。

 

船へ乗る前、大勢の人の中で彼からプロポーズ。ジュリエットは喜んでそれを受けます。大きく輝く指輪をつけて船へ乗り込むジュリエット。

わかってる、島へ行っていろいろなことを経験したあと、彼とはやっぱり価値観が合わないとかなんとか言って指輪返すんでしょう…!

 

 

そしてガーンジー島へ降り立ち、調べてあった宿へ行ってみるとそこは工事中。男性に「郵便局へ行ってみて。」と言われ郵便局へ向かいます。

郵便局で宿を紹介してもらい、受付の年配の男性が「エベン・ラムジー」と名乗ると、

「エベン?!ポテトピールパイの生みの親?私そのために来たのよ!」

とテンション爆上がりのジュリエット。ドーシーから作家の文通していることを聞いていたエベンはジュリエットを歓迎し、宿まで馬車を出してくれます。

 

日が暮れて、読書会の集会所を訪ねると、ジュリエットをあまり歓迎していない様子のモーグリー夫人(アメリア)から「ジュリエットね?急な訪問だこと。」と一喝くらってしまいます。中へ入ると、アメリアとは対照的に「会えて嬉しいわ!」とアイソラがハグをしてくれます。

遅れてやってきたドーシーは昼間に工事中のホテルで郵便局へ行くよう助言してくれた男性でした。

ドーシーは贈ってくれたシェイクスピアのお礼にどこかで摘んできたような花を差し出します。戸惑いつつ受け取るジュリエット。いつもバラの花束貰ってるからね…。

なかなか現れないエリザベスについて尋ねると、「彼女は今島にはいないの。」

 

 

そしてジュリエットの著書で読書会がスタート。最初こそぎこちない雰囲気だったものの、感想戦で大盛り上がり。その勢いで、この読書会のことを記事にしたいと話してみる場は一瞬にして凍り付いてしまいました。アメリアは「無駄足だったわね。」と放ち解散の空気に。

そこへぬいぐるみを抱いた小さな女の子が「夢を見たの」と言ってやってきます。

女の子はエリザベスの娘でキットといい、なぜかドーシーのことを「パパ」と呼んでいます。

 

キットを抱いたドーシーとの帰り道、招かれもしないのに勝手に島へやってきて、記事を書こうと先走って迷惑をかけてごめんなさいとドーシーに話します。あなたの顔がわかってよかった、とほほ笑んでくれるドーシー。

 

翌日、ドーシーに島を案内してもらったあと島の市場のようなところでジンを売るアイソラを訪ねます。モーグリ―夫人と違い、友人が出来て嬉しい、とジュリエットとの交流を楽しんでくれるアイソラ。エリザベスについて、

「エリザベスはロンドンに住んでいて、アメリアの娘ジェーンと親友だった。本土へ帰ることもできたけど、ジェーンが妊娠していて心配で島に残った。そして空爆が始まった。ジェーンは空襲に合い母子共に助からなかった。アメリアにとってエリザベスはもう1人の娘。」

回想が入り、島を行進するドイツ軍へ向かって、「恥を知りなさい!」と突撃するエリザベス。のちにドイツ軍へ引き渡されてしまった、だから記事にしてほしくないのだとアイソラは話します。
 

軍に努める彼に電話をし、エリザベスが今どこにいるのか調べてほしいと頼みます。

しばらくし、ドーシーの養豚所でなんだかちょっといい感じになりかけていたところへ突然彼が花束を持って現れます。「彼が手紙を送ってきた養豚家?会えて嬉しいよ」とわかりやすく嫌味を放ち、ジュリエットに島を案内してと手を引きます。

 

夜、集会所へ読書会のメンバーが集まったところで、エリザベスの現在についてわかったことを話すジュリエット。

エリザベスはすでにドイツで亡くなっていました。収容されている女の子を庇い射殺されたと。

申し訳ないといい島へ帰ることを決めたジュリエット。

 

島へ戻り、何も書けない状態が続いていたが、ある夜参加したパーティーでわかっていたけど指輪を返し、何かふっきれたように部屋へこもって読書会、エリザベスについて書き始めます。寝る間も惜しんで書き上げた原稿を編集のもとへ持っていきます。

『ガーンジー 読書とポテトピールパイの会』

出版はしない、だけどこれからたくさん本を書くわよ!とテンション上げのジュリエット。

(担当編集の彼が一番いい男だった)
 

 

 

読書会のもとへ届いたジュリエットからの小包み。中には原稿が。「これは皆さんのものです。」

同封されていた手紙を読み終えるとアメリアにキットを見ていてくれ、と頼みジュリエットのところへ行く!と集会所を飛び出したドーシー。

 

そしてエンディングです。

 

 

繊細さん、特に戦争が苦手な方に注意のシーンは、回想で空爆機が飛ぶところと、エリザベスが撃たれた瞬間の銃声が響くシーンですかね。この映画を観て、自分が銃声がとても苦手なことに気が付きました。

 

割と先の展開が読めてしまうし、エンディングに関しては着地点そこか…?って感じで個人的には若干もやもやが残りました。

アメリアとは最初はあまり歓迎されていなかったところから、ジュリエットの寄り添い方に少しずつ心を開いていくところ、アイソラとは変な知り合い方だったけど、ずっと前から絆を感じていたみたいだと良い友人関係になっていくところ、と関わりがあったのに、エベンとはそんなに重要な関わりがないまま終わりでしたね。

ドーシーなんか最後絶対くっつくじゃんてベタベタ展開でした。

 

ほかの人の感想を色々見てみたいなと思った映画でした!

 

 

 

 

 

「幸せなひとりぼっち」(2015)

 

あらすじ

愛する妻を失い哀しみにくれるオーヴェ。

ある日そんなオーヴェの隣にパルヴァネ一家が引っ越してくる。堅物なオーヴェの罵声をモノともせず、何かと問題を持ち込むパルヴァネにオーヴェは次第に心を開いていく。悪態はいつしか愛嬌となり、彼は愛する妻との思いでをゆっくりと語り出す―

 

 

※盛大にネタバレしてます注意!!
 

 

冒頭から、割引のきかない花屋の店員に冒険を吐き、区内のゴミの分別を細かくチェックし、止めっぱなしの自転車にルール違反の紙を貼り、犬を散歩する女性にまた暴言を吐き、とかなり堅物でなかなか共感できないおじいちゃん。

毎朝8時に区内の違反見回りをするのが日課のようです。

 

43年務めた会社をクビになり、妻への墓参りを済ませると自宅へ戻り綺麗なスーツに着替え、首を吊る準備を始めます。さあ踏み台を蹴るぞ…ってとこで隣に越してきたイラン人家族がピンポンピンポン!!

まるで妻以外の人間には関心がないというように見えて、実はご近所の人たちから頼りにされていたよう。頼まれごとをされると無視できず、文句を言いながらも自殺を中断する繰り返し。

(繊細さんに注意、銃口を口にくわえるシーンがあります。)

ストーブの調子を見たり、隣人女性パルヴァネの車の教習をしたり子守りをしたり。

 

 

あれ、実は心根の優しい人なのでは?

だんだんと心を開いていき、愛する妻ソーニャとの思い出をパルヴァネに聞かせるオーヴェ。

 

若き日の回想が入ります。

(繊細さんに注意、オーヴェのお父さんが突然列車に轢かれる瞬間、バスの横転事故で人が死ぬショッキングなシーンがあります。)

 

バスの事故でなんとか命は助かったものの流産し、さらに半身麻痺になり、教師としてどこでも雇ってもらえないソーニャ。

「今を必死に生きるのよ。」

そんなソーニャの言葉で、雨が降る夜家を飛び出し、学校の玄関口に勝手にスロープを作るオーヴェ。2人の熱意に動かされ無事に雇って貰えることに。

 

 

パルヴァネ一家ともすっかり親しくなり、なんだかご近所付き合いも広く穏やかになってきた頃、パルヴァネの目の前で倒れてしまうオーヴェ。

病室で目覚めたオーヴェに、人より心臓が大きいけれど命に別状はないと看護師が告げると、

「本当に死ぬのが下手ね!」

と大笑いするパルヴァネ。その勢いで産気づきます。(笑)

 

産まれてきた赤ちゃんのために、昔ソーニャと自分の赤ちゃんのために手作りしていた揺りかごをメンテナンスするオーヴェ。新生児を「抱いてて!」と任されるほどすっかりパルヴァネ家に馴染んでいます。

 

そしてたくさん雪が降り積もった朝、パルヴァネは目覚めてカーテンを開け外を見ます。

「雪かきされていないわ。もう8時よ。」

ハッとして外へ飛び出すパルヴァネ。

 

 

そしてクライマックスです。

 

 

最初は首吊り、練炭、銃、さらにはホームから線路へ飛び込もうとするなどあらゆる手段で淡々と自殺に挑むオーヴェ。

その都度何かしらの邪魔が入り、それが結局はご近所との距離が縮まるきっかけになります。

 

パルヴァネのド下手な運転の練習に付き合い、公道でパニックになったパルヴァネに、

「2回の出産に耐えて次は3回目。イランの戦場からここまで辿り着き新しい言葉を学んだ。運転くらいなんでもないはずだ。」

と叱咤激励するオーヴェ。

はあ~??めっちゃいい人じゃんなんなのオーヴェ…ってなります。

 

冒頭では「私有地に入るな!」と邪見にしていた野良猫も、弱ってうずくまっているのを見たら放っておけずブツブツ文句を言いながらも家に迎えてしまいます。(猫めちゃかわいい)


 

 

生きる希望がなくなり一刻も早く妻の元へ、と死ぬことばかり考えていたけれど、良いタイミングで縁が出来、1人でひっそり死んでしまうかもしれなかったところを、たくさんの人と交流し、自分の死をたくさんの人に悲しまれるなんて思っていなかっただろうな。とても幸せな最期だな。

悲しいけれどほっこり。堅物な人にはそれなりの過酷な過去があるんだな。

オーヴェのこんな笑顔が見れるなんて。

あたたかい気持ちになりたいときに是非観てほしい映画でした。