「途中まで読んだけど、可哀想すぎて先に進めない。」
「もう読めないから、読んで。」
と、母から渡された一冊。
実の祖父が、どんな人だったのかを探る主人公。
零戦乗りで、特攻隊員として戦死。ということらしいが、詳しいことは分からない。
祖父の知人を探し出し、話を聞いていくうちに思ってもいなかった事実に辿り着く。
手にしたときには既に、
「号泣必至」と世間で話題になっており、さらにこの本が自分に回ってきた経緯も経緯だったので、それなりに覚悟して読んだ。
つもりだった。
ラスト、外套のくだりで耐えきれず落涙。
戦争をテーマにしたお話は、どれも読んでいて悲しく、辛く、心が痛い。
物語自体はフィクションだとしても、そのような時代があったのは事実だから。
ミステリー小説を読む感覚とは訳が違う。
読了後、途中でリタイアした母に再度、
「最後まで読んでみて!」と言おうと思った。
けれど、無理に読ませて(おそらく)泣かせるのもな、と考え直し、やめた。