グインサーガシリーズなどで有名な作家、栗本薫(中島梓)さんが記した闘病記。


確か10年以上前に読んだもの。


著者の死の結末が見える闘病記というジャンルの本を読むことは、なんとなく後ろめたいような気がして、それまで手にすることはなかったのだけれども。


自分がまだ中学生くらいの頃のこと。栗本薫さんの「魔界水滸伝」をドキドキしながら読んだことがあり、その縁もあって初めて「闘病記」なるものに手を伸ばしてみた。


闘病中の記録だから、ずっと体調が悪い状態を延々と綴られているのだろうなと、恐る恐る読み始めたところ、意外に体調の良い日のことも記されておりホッとした覚えがある。


作家さんなので、執筆活動、それだけではなく音楽活動、趣味の着物や家事のこと。元気があるときはあれもこれもと精力的に活動されている。


しかし残りページが少なくなるにつれ状態は悪く。


この辺りで、「やっぱり読まなければ良かったかな。」と少し後悔するも、途中でやめられるわけもなく、最期まで読み進めた。


最後の文章?のあたりなど読んでいて胸が痛い。


意味不明の文字列が、想像を絶する苦しさを思わせる。


「まだ生きてしなければいけないことがあるのだ!」

「まだ、色々書いて残さなければ!」

という執念が滲み出て。辛い。


リアルすぎて(勿論ノンフィクションだから)、読了後、暫く引きずった。