病院でも外来でも在宅でも、当たり前のように決められている目標、短期・長期ゴールについて少し疑問に思うことがあります。


患者さん、利用者さん本人の口から目標や希望などを言っていただけるとそれに向けて皆で頑張りましょう!という流れになります。それはとても良いことだと思います。


ただ、中にはそんな方達ばかりではなく、特に目標がなく何をしていいかわからない人の方が多いですよね。その方達の目標を見つけてあげる事も大事だと思いますが、すべて正しい事だとは思いません。


理学療法、作業療法という職種が誕生し、はや何十年経ちますが、時代の流れと共に考え方も色々変わってきています。新しい考え方が流行していくと、皆それを毎回対象者全員に当てはめようとする。


それはちょっと違うんじゃないかと。



大雑把に言えば、今は参加を促し、目標を細かく設定していきましょう!という流れになっていますが、全員目標がないと生きていけないみたいな考えになりつつあるような気がします。



本当に目標がないとダメなんですかね?皆が全員目標がなければ良い人生を送れない。そんなはずはないと思います。



例えば働いていて、会社から今月の売り上げを1000万に決めたから、皆頑張っていきましょう!なんて言われて頑張れますか?中には頑張る人もいます。



これは周りが決めた目標に対して、ついてきて下さいね!って事であり、現在のカンファレンスなどでは本人が決める目標よりも、周囲が決めた目標に本人を合わさせるような流れになっている事が多い。



あなたが今仕事をしている中で目標がありますか?と聞かれてすぐに答えれない人も多いと思いますし、目標自体ない人もいます。そんな人の中にも真面目に働いて好成績を残す人だっています。



本来目標はすぐに決めれるものではないような気がしますし、数年この仕事をしていても、自分の中で明確な目標がない時期の方が多いです。明確な目標はないけれど、今できる事を一生懸命やろう!って考えで勉強をしてます。



痛みがあったり、動ける状態ではないのに、先走った目標だけたてられて、それに合わされるのがしんどい方だっているでしょう。



今の状態が改善されて、何か少しでも余裕ができた結果、この状態なら何かができるかも。って気持ちの余裕ができてから目標を決めるのでも遅くはないと思います。


そして、漠然として、明確な目標が無理なら、言い方は悪いですが寿命が来る前に何かしたいことはありますか?とよく聞きます。そうすると、色んな答えが返ってくることもあります。


自分だったら、後10年生きれるかどうかわからない状態で、目標は?と言われても答えられません。ただ、死ぬまでにやりたいことは?と聞かれ
ると色々やりたい事もあります。その中でできそうな事を目標にしてもいいと思います。



そして、人によって目標を決めるよりも、1日1日を大事に生きてもらう事を教えてあげることの方が大事な場合もあります。そんな人には、こちらもその日にできる精一杯の事をしてあげたらいいんじゃないかと。



昔の話になりますが、中学生の時に高校進学のために塾に通ってました。親は自分の将来の事を考えて、良い高校に入れてあげる事を目標にしていたのでしょうが、自分は特にこの高校に行きたい!って明確な目標はありませんでした。


なので、塾には行っていましたが、やらされている感もあり、成績は良くならず、誰でもいける高校に入学することになりました。



これも似たような話ですよね?自分がたてた目標じゃなく、周囲が決めた目標だとやる気がでないんです。利用者さんや患者さんだってそんな人いっぱいいると思います。



そんな人にまで無理して目標を決める必要が果たしてあるのか?



未だに疑問です。