2014FIFA ワールドカップブラジル大会

決勝トーナメント対戦表&テレビ中継


日本時間

6/29(日)1時 ブラジル ☓ チリ /TBS

6/29(日)5時 コロンビア ☓ ウルグアイ /フジテレビ


6/30(月)1時 オランダ ☓ メキシコ /NHK

6/30(月)5時 コスタリカ ☓ ギリシャ /NHK


7/1(火)1時 フランス ☓ ナイジェリア /日本テレビ

7/1(火)5時 ドイツ ☓ アルジェリア /NHK


7/2(水)1時 アルゼンチン ☓ スイス /NHK

7/2(水)5時 ベルギー ☓ アメリカ /テレビ朝日



予想

ブラジル 3-2 チリ 結果 1-1延(PK3-2)

コロンビア 1-2 ウルグアイ 結果 2-0

オランダ 2-2 メキシコ(PK3-5) 結果 2-1

コスタリカ 1-2 ギリシャ 結果 1-1延(PK5-3)

フランス 3-0 ナイジェリア

ドイツ 3-0 アルジェリア

アルゼンチン 1-0 スイス

ベルギー 1-3 アメリカ


GLで勝ち点9のチーム(主な得点者)

オランダ・10得点(ファン・ペルシー3点、ロッベン3点、デパイ2点)

コロンビア・9得点(ハメス・ロドリゲス3点)

アルゼンチン・6得点(メッシ4点)

ベルギー・4得点(フェライニ1点、メルテンス1点)


GLで勝ち点7のチーム

ブラジル・7得点(ネイマール4点)

コスタリカ・4得点(キャンベル1点、ドゥアルテ1点、ウレーニャ1点)

フランス・8得点(ベンゼマ3点)

ドイツ・7得点(ミュラー4点)


GLで勝ち点6のチーム

クロアチア・8得点(マンジュキッチ2点、ペリシッチ2点)

チリ・5得点(サンチェス1点、バルディビア1点、ボーセジュール1点、バルガス1点、アランギス1点)

ウルグアイ・4得点(スアレス2点)

スイス・7得点(シャキリ3点)


GLで勝ち点4のチーム

ギリシャ・2得点(サマリス1点、サマラス1点)

ナイジェリア・3得点(ムサ2点)

アメリカ・4得点(デンプシー2点)

アルジェリア・6得点(スリマニ2点)


グループH

6/18 ベルギー 2-1 アルジェリア 結果 2-1

戦評:

ベルギーは3大会ぶりの出場だが、FIFAランキング11位で。W杯予選なんと10戦無敗というダークホース。平均年齢は若いがどうやら黄金世代が勢揃いしているらしい。注目選手はものすごい破壊力のあるFWルカクと、アイデアのあるドリブル突破が魅力のアザール。どのように試合を組み立てるか楽しみだ。


対するアルジェリアはFIFAランキング22位。高い身体能力と組織力。チームの総合力で戦おうというチームだ。果たしてアザールとルカクを止められるだろうか。


前半、強く早いプレスで人数をかけてボールホルダーの脚に行くアルジェリアと、ボールを持つ相手に対して間合いを取るベルギー。ポゼッションは自然とアルジェリアに多くなった。人数をかけて守られたベルギーはディフェンス・中盤ともにパスの出しどころがなく、苦し紛れのパスをカットされてアザールやルカクには渡らない。期待していたアイデアのある崩しも無い。


どちらもシュートまで行けない硬直した展開のなか、先制点はカウンターを仕掛けたアルジェリア。ファーサイドに走り込んだプレイヤーの腕を5番フェルトンゲンが捕まえて倒してしまい、アルジェリアは貴重なPKを獲得した。前半25分、これをしっかり決めてアルジェリア先制。


1点先取後、アルジェリアはますます堅い守備を見せた。人数をかけて守って、とにかくパスを出させず、出てもカットする。守備隊形が良い。そして奪ってからの攻撃はカウンター。攻撃が終われば速やかに守備に戻る。ひたすらこの繰り返しでベルギーを苦しめる。


前半の終わり頃になって、ベルギーにミドルシュートが見られるようになった。どの選手にもシュート力があるので、この攻撃は脅威だが、とはいえペナルティエリアよりさらに一回り外からしか打てないのでは、枠に飛んでもなかなか決まることもない。

後半はおそらくベルギーの選手交代があるだろう。マンU所属のフェライニの登場はあるだろうか。前半のボールポゼッションはベルギーが67%、アルジェリアが33%。


後半の入り、ベルギーは右ウイングの位置にメルテンスを投入。しかし後半になってから双方、ボールに行くディフェンスが相手の脚を蹴るファウルばかりが目立った。笛でプレーが止まるのでどちらも攻撃のリズムが生まれない。


後半19分、いよいよフェライニが投入される。アルジェリアはスリマニを投入。

交代したばかりの後半25分、フェライニがアフロ頭で得点。7番からのセンタリングをコントロールの効いたヘディングでGKの頭を越してゴール右上に流し込んだ。これで1-1の同点。

次はカウンターからだった。ベルギー・アザールが中央をドリブルで駆け上がり、ペナルティエリアで右に流す。これを途中出場のメルテンスが至近距離から豪快なゴール。これで2-1逆転。試合はこのまま勝利となった。


どちらのチームも守備が堅く、だからこそ試合展開に面白みはない。しかし両方ともこれといったミスがないのには感心した。数少ない決定機がそれぞれゴールになっての2-1というスコア。ファウルばかりで流れは悪かったが緊迫した試合だった。



6/18 ロシア 2-0 韓国 結果 1-1

戦評:

前半、攻守の入れ替わりの早い展開だった。しかしながらスタッツを見るとシュート数は互いに3~4本と少ない。これは双方が守備には人手を割いている一方で攻撃に人数をかけていないことを表している。韓国はボールや足に行くハードなタックルが目立ち、そのせいでイエローカードも2枚もらった。このカードが後半に効いてこないことを願う。高温多湿の状況の中ハードワークをした選手たちにはつらいだろうが、相手に走り負けないことが得点への近道になるだろう。カペッロ、ホン・ミョンボ両監督の選手交代采配にも注目したい。


後半、消耗しつつも相手のボールキープを容易にさせない両チームには高い集中力が見られる。足が止まってきて少しだけルーズになってきているのだが、雑なミドルシュートを打たれる以外は特に危機的状況はない。途中出場したイ・グノの切り込みも、ロシアの守備の前に力及ばず。それぞれヘディングシュートやミドルシュート、セットプレーで好機は作るのだが、ゴールに結びつくことはない。

それでも後半23分。イ・グノが強烈なロングシュートを放つ。キーパーはこれをキャッチングできず、インゴールしてしまう。1-0。

続いて後半29分、後半代わって入ったロシアのケルザコフはゴール前のこぼれ球を押し込んでゴール。1-1にした。そしてこのスコアで試合終了。グループHは混戦となりそうだ。



6/23 ベルギー 2-2 ロシア 結果 1-0


戦評:

ベルギーは初戦を勝利で飾り、ロシアは引分けている。この試合に勝ってGL突破を確実にしていきたい両国だ。


スターティングメンバーだけを見ると、ベルギーのほうが圧倒的に豪華に見える。チェルシーのアザール、ボルフスブルグのデブライネ、ナポリのメルテンス、エバートンのルカク、マンUのフェライニ、アーセナルのベルメーレン、マンCのコンパニー、GKのA・マドリードのクルトワはチェフの後継者と言われている。

一方のロシアメンバーは、ほとんどがロシア国内リーグでプレーしている。タレントのネームバリューだけ見れば圧倒的にベルギーが有利かと思った。


ところが、サッカーはそういうことにはならない。前半は序盤がメルテンスの個人突破を中心としたベルギーペースで、その後ロングパスを控えてビルドアップをしっかり行っていったロシアペースに移行していったように感じた。印象としては五分と五分の試合だ。


ロシアは左サイドのFWカヌンニコフやDFコムバロフがメルテンス対策で守備に借り出される時間が多く、おそらく体力の消耗も激しい。選手交代も含め、このサイドの対策をどうしてゆくかが後半の鍵になりそうだ。


ロシアの攻撃面にも期待が持てる。何しろほとんどのシュートが枠に飛んでいる。ベルギーGKクルトワの好セーブがなければゴールを割られていてもおかしくなかった。ベルギーのDF陣は高名だが隙がないわけではない。先制点を決めた途端に試合の様相が変わりそうだ。


後半では、相手のボールに厳しく行く両チームの前線からのディフェンスが効いていた。なかなか攻撃の形を作れないながらも、地道にセオリー通りの攻撃を繰り返して行った両チームだった。


後半43分に試合が大きく動いた。左サイドをドリブルで独走したエース・アザールがマイナスのボールでのグラウンダークロスを上げた。これをルカクに代わって前線を務めていた19歳のオリジがダイレクトで決めきった。これが決勝点になり試合終了。甲乙つけ難い実力の両チームだったが、最後はアザールの個人の能力が試合を決定づけた。



6/23 韓国 1-0 アルジェリア 結果 2-4


戦評:

初戦引分けの韓国と、初戦敗戦で後が無いアルジェリアの一戦。

韓国はこの後、ベルギー戦を控えているので、このアルジェリア戦は何としてでも勝っておきたい。ともに全力プレーが予想される。個人技やタレント性は韓国が上のように思うが、アルジェリアには地力があり身体能力の強さもある。1トップのスリマニは要注意すべき特別な選手だ。FIFAランキングに至ってはアルジェリアが22位で韓国が57位という点にも注意しておきたい。


前半はしばらく一進一退、そして組織と組織ががっちりと四つに組む展開が続いた。どちらのチームも攻撃の良いアイデアを持っているのだが、それを上回って守備能力が高い。アルジェリアは初戦から5人もスタメンを変えてきている。一方で韓国のスタメンは同じ。なかなかシュートまで至らない韓国。じわじわとメンタルの強さを削られているように見える。


均衡が崩れたのは前半25分、ラインが上がっていたところに縦パス一本。それをスリマニが追いつき両側からプレスを掛けるDFをものともせずにペナルティエリアに一直線。ゴールキーパも外してシュートを決めた。

続けざまに前半28分。CKのクロスボールを6番のハリシェがマークを外してフリーでヘディングゴール。

試合がアルジェリアペースに傾いている後半38分、やはり縦一本のボールをDF2人に競り勝ったスリマニが、近くに上がっていたジャブーにアシスト。これをジャブーが落ち着いてゴール右下に転がしてゴール。3点目。

前半終了。韓国はここまでシュートゼロ。味方にパスもろくにつながらなくなってしまっている。アルジェリアはひとりでボールキープして敵を引き付けてパスを出す。力の差はポジショニングや個人技にあるのか、勇気や信頼などの精神面なのか・・・。


後半に入って韓国は少し落ち着きを取り戻したかのように見える。それにしてもアルジェリアのほうが調子が乗っているので、なかなか上手くいかない。

後半5分。ソン・フンミンが縦パスを背中で受けて、体制を崩しながらもGKの股の間を抜くシュートを決める。

後半17分、ブラヒミがゴール前でスリマニとのワンツーを決め、コントロールされたゴールも決める。4-1。

後半27分、ゴール前の混戦に3人詰めた韓国。キャプテンのク・ジャチョルが最後は押し込んだ。4-2。

結局、韓国は最後の20分をパワープレーに費やしたが、ことごとく跳ね返されてしまい、得点の匂いはしなかった。


3戦目はアルジェリア☓ロシア、韓国☓ベルギー。どのチームにも決勝Tへの道が残されている。



6/27 韓国 1-3 ベルギー 結果 0-1


戦評:

98年のフランスワールドカップの時に選手同士として対戦したことのあるホン・ミョンボ監督とウィルモッツ監督。年齢も同じ45歳だ。当時の対戦は引分けだったが今回はどうだろう。

韓国は現在グループHの4位。この試合にはまず絶対に”勝ち”が求められている。さらに他会場(アルジェリア☓ロシア)の結果にも依存する。最後のアジア勢として、善戦してできれば決勝Tに進出してほしいものだ。


前半中は韓国もベルギーも2回ずつくらいは個人技から決定的なチャンスを作って、しかし味方と呼吸が合わず不意にした。また、どちらもボールを持つ選手へのプレスがきつく、かなりハードに(ファウル気味に)体にあたってくる。

前半終了間際にはベルギーのデフールがレッドカードを受け退場。タックルの際に足の裏を向けて踏みつけたところを主審にしっかりと見られていた。

ロシアが1点取ったので、今のままでは韓国は決勝T進出できない。


後半になり、どちらも少し足が止まってきた。そのせいでコンタクトプレーは減って、長い距離をフリーランニングできるようにもなってきたが、ゴール前に味方が詰めていないので大したチャンスにならない。

後半32分、ディフェンスのフェルトンゲンが韓国GKのキャッチしきれなかった跳ね返りのボールを押し込んでゴール。一人少ないベルギーが先制した。

もともと焦る必要のないベルギーは8人でディフェンスの黒い壁を築き、韓国の攻撃陣に仕事をさせない。韓国は4点取らなければならない状況。

後半41分になって背番号10アザールが登場。少ない時間だが活躍を見せた。


6/27 アルジェリア 2-3 ロシア 結果 1-1


前半6分、アルジェリアのフェグリが一人頭部から流血して治療中に、人数で優位のロシアはコーナーキックからぴったりと合わせたココリンのヘディングで先制ゴールを決めた。

アルジェリアは縦の意識の高い速いパスを、味方を見つけてはどんどん入れてくるタイプのチーム。ゴール前ではスリマニやブラヒミが超攻撃的に活躍する。

一方のロシアは選手同士が距離を保ってコンパクトな陣形のまま押し上げてくるタイプだ。ケルジャコフ、サメドフが前線に張る。

それぞれのストロングポイントを出してはいるものの、最後は個人技に頼らないとフィニッシュまで行けない膠着感がある前半になっている。


後半14分、ゴール左側からのブラヒミが蹴るFKを、スリマニが高い打点のヘディングで決めた。ただこの時、ロシアGKのアキンフェエフの顔に緑のレーザーポインターが当てられていて嫌な感じだった。

このまま試合が終わればアルジェリアが2位通過という状況で、ロシアはミドルシュートや裏へのパスなどを試みたが、アルジェリアの守りが堅く、だんだん悲壮感にあふれてきた。ロシアが1点でも取れば形勢逆転で決勝トーナメント進出なので必死だ。

試合が終了すると、アルジェリアの選手やベンチメンバー、スタッフらは歓喜に湧いた。


予想


②ベルギー 7+3

アルジェリア 0-3

①ロシア 7+3

韓国 3-3


結果

①ベルギー 9

②アルジェリア 4

3ロシア 2

4韓国 1





グループG

6/16 ドイツ 2-2 ポルトガル 結果4-0

戦評:

GL切っての好カードのひとつ。ドイツの総合力は凄まじいと予想されるし、一方でポルトガルはC・ロナウドを擁する。いったいどんな試合になるのか想像もつかない。


始まってみれば、ドイツの攻撃参加タレントの多さが目立った。人材が圧倒的に多く、双方ともにコンパクトな布陣で展開しづらい中でも、人数をかけてゴール前まで攻める機会を作れたのはドイツだった。

前半10分にはゲッツェがゴール前でPKになるファウルをもらい、これを前大会得点王のミュラーがきっちり決めた。32分にはDFフンメルスがクロースの正確なCKを頭で決めて2点目。


この直後、ポルトガルCBぺぺが頭突きをしてしまい一発退場。10人対11人の戦いを強いられる。前半46分にはポルトガルのペナルティエリア内でセンタリングを巧妙にトラップしたミュラーがゴールに流し込み3点目。


前半が終わって3-0というワンサイドゲームの様相だが、点数の割にポルトガルが崩れているという印象はない。双方がコンパクトで組み立てに苦労している中、攻撃的なパフォーマンスをできるタレントがドイツに多いというだけの話だ。そして、ポルトガルは決定的なシーンでC・ロナを頼りにしすぎていて、チャンスを台無しにしている場面がいくつか見られる。


足の故障で途中交代したFWウーゴ・アルメイダに代わって入ったFWエデルは身体能力と得点嗅覚の高い良いストライカーのようだ。ポルトガルに得点機が全くないとは思わない。1点、2点と返してほしい。ただ、10人になってしまった後半、3点を返せるとも思えない。ポルトガルのパウロ・ベント監督の采配が楽しみだ。


後半、やはりポルトガルは1人少ないことで苦しんだ。ただでさえ組織立っていてミスも隙もないドイツは自在にボール回しをし、ポルトガルにほとんどチャンスを与えなかった。ポルトガルはC・ロナにボールを集めようとしたが、周囲の選手のレベルがいまひとつ及ばず、エースを生かせなかったように思う。それでもC・ロナウドは前半よりはずっと躍動的だった。

後半35分、ゴール前でキーパーの弾いたこぼれ球をミュラーが押し込んでハットトリック。終わってみれば4-0でドイツの勝利だった。




6/17 ガーナ 1-2 アメリカ 結果 1-2


戦評:

なんと3大会連続の対戦カードになるらしい。しかも過去2戦はガーナが2-1でアメリカを下しているとか。ガーナのFIFAランクは37位。FIFAランク13位のアメリカは今度こそ負けられない。

しかしギャン、ボアテング、ムンタリ、エッシェンらを擁するガーナは今回も強そうだ。アフリカのリズミカルで俊敏性とアイデアのあるサッカーを、アメリカは身体のタフさと高度な戦術で止められるか。また、コンタクトプレーのファウル判定をレフェリーはどう出してくるのか。カードを積極的に出す主審ならアメリカに有利か。その辺りもゲームの成り行きに影響するだろう。


開始30秒でアメリカ、デンプシーのゴール。斜めに切り込んで遠いサイドに決めた。この先制点でアメリカの方針は決まった。ガーナがボールを保つ時は引いて守り、堅守速攻の構えだ。この戦術がハマり、ガーナは60%のボールポゼッションを持つのに効果的な攻めができない。シュート数も前半6~7くらいで、惜しい!というシュートはほぼ皆無だった。しかし、ひとつガーナにアイデアプレーが出ればいつ同点弾を決めてもおかしくない展開でもある。セットプレーのチャンスを得ればその可能性はより高まる。同点になった時にアメリカの戦術がどうなるか。この試合、意外と面白い。後半が見ものだ。


いやぁ・・・死闘だった。前半のうちに怪我で2人選手交代してしまったアメリカは切るカードがない。ピッチに立つ選手も腿の裏やふくらはぎを気にするなど、体力的に相当きつい様子。一方のガーナはイケイケムード。攻めて攻めて、攻め続ければ後半のうちには必ず同点&逆転できると信じている様子で攻め続ける。守るアメリカはキツそう。何しろガーナは3倍以上のシュートを放っている。いつガーナがゴールするかと見守る中、後半38分になってやっとアンドレ・アユーによるゴール。


次は逆転か?というムードで、なぜか体力的に限界のアメリカが再逆転ゴールを決める。後半になって投入されたDFのブルックスがCKを頭で叩きつけてのゴールだった。

残り時間は10分ちょっとだが、ゲームは依然としてガーナペース。ガーナが追いついて引分けになる可能性もまだまだあろうかという試合状況だったが、アメリカはよく時間を稼ぎ、よく守り、なんとこの死闘を2-1で勝ち切った。クリンスマン監督やベンチメンバーはまるで優勝したような騒ぎで喜んだ。


6/22 ドイツ 3-0 ガーナ 結果 2-2


戦評:

ドイツとガーナとに別れて代表入りしているボアテング兄弟に注目が集まる。’10年の大会でもこのカードは激突しており、その際はエジルのゴールでドイツが勝っている。

ただ、この対決は兄弟対決だけが見物のぬるいゲームではない。ガーナにはギャンやアサモアがいる。ムンタリ、アイェウといった有能な中盤もいる。アツのミドルシュートも魅力だ。さしものドイツも苦戦を強いられるだろう。


前半はガーナが押し込まれる展開が多いものの、その守備は堅く、ドイツはなかなか10人で守るガーナのディフェンスの穴を見つけられなかった。ガーナが攻撃に転じるシーンも同じで、共に堅い守備を敷いているので、どんな波状攻撃が来ても集中力を高くして決して崩れなかった。守備が堅いのを覚悟の上で、チャンスがあれば一か八か攻撃してみようという両チームの攻撃姿勢で、それでそれぞれ決定的なチャンスは幾度か迎えたのだが、結局得点に結びつくことはなかった。両チームが強いということが証明された前半だった。


後半6分、右サイドからのクロスを、ガーナDFに挟まれたゲッツェが頭で押し込み先制点。

しかしその3分後、すぐに同点弾が生まれる。ガーナは人数をかけてゆっくりとドイツペナルティエリア内で展開。ドイツDFの間に入れられた右からのクロスをアンドレ・アイェウがヘディングでゴール左に流し込んだ。初戦アメリカ戦を落としているガーナは必死だ。

後半18分、ギャンが相手のコントロールミスしたボールを奪い、まっすぐにゴールに向かってドリブルシュート。さしものノイヤーも、弾丸のようなシュートには反応しきれなかった。ガーナは勢いづく。


ドイツはゲッツェに代わってクローゼ登場。W杯総得点王者(15点)を狙う。そしてシュバインシュタイガーも投入される。


そしてクローゼの得点!!!同点弾!これでW杯総得点王・ブラジルのロナウドについに並んだ。コーナーからファーに流れたボールをなんとか足の裏で押し込んだ。クローゼらしいゴール。そしておなじみのバク宙を魅せる。


2-2になってから、ドイツはクローゼ、ミュラー、ゲッツェが3トップ気味に前線に張る。かたやガーナもボールを奪うやフィニッシュまで持ち込むケースが多く、どちらのチームも惜しいシュートが連発する。


後半ロスタイム、最後のプレーと思われたドイツのFKではミュラーが鼻を打ち大量に出血。交錯相手のボイエも肩を相当痛めていた。この二人が倒れたままで試合終了。どちらも得点場面の他にいくつもチャンスを作りつつ、しかし最後のところで決まらないハードな試合だった。



6/23 アメリカ 1-1 ポルトガル 結果 2-2○


戦評:

前半の5分、ポルトガルはアメリカDFのクリアミスをナニが落ち着いてゴールの天井に突き刺すゴール。

負傷者が非常に多いポルトガルはFWのポスティガが前半15分のうちに負傷交代。エデルに代わる。


展開はアメリカ優勢。紙一重のシュートまで行けたのはアメリカのほうが断然多かった。ポルトガルのゴール前のプレスや壁が弱いためにシュートまで行かれているのだが、シュートが枠を外してくれているおかげで得点にはなっていない。主にミドルやロングレンジでのシュートを打っているのはデンプシー、ジョンソン、ブラッドリーだ。またGKのハワードは前半44分にゴールポストから跳ね返ったシュートをさらにナニにループで押し込まれそうになったのを枠の外に掻き出すという離れ業のスーパーセーブをしている。


ポルトガルはC・ロナウドが自由に動き回り、ポストプレーをしたりゴール前に走り込んだりしているのだが、基本的にマークがきつく、ロナウドにボールが渡ってくるチャンスは少ない。ボールを持てばさすがのパフォーマンスをするが、それでも少し物足りない。攻撃面で活躍しているのは先制点を挙げたナニくらいで、他の選手は効果的なボール回しをなかなかできずに停滞してしまっている。

マナウスのスタジアムもまた、高温多湿の厳しい環境のようだ。前半40分頃には主審が給水タイムを命じている。


後半19分、ゴール前を固められて出しどころのない状態で、ジョーンズが左斜めの遠目からゴール右側のネットに突き刺す同点ゴール。

さらに後半の36分、右サイドからのクロスの押し込みやクリアが二転三転したところを、デンプシーが胸でゴールに押し込み逆転。


ロスタイムに入り、このままアメリカが勝利して決勝T進出を決め、同時にポルトガルの予選敗退が決まるかと思いきや、ロスタイム5分が経過しようとしていたときにいよいよあの男が活躍を見せてくれた。

もうパワープレーしかない雰囲気になっていたポルトガルは、なんとか右サイドに開いたクリスチアーノ・ロナウドにボールを渡した。C・ロナは右サイド深いところから早くて正確なセンタリング。これを途中登場していたバレラが頭で叩き込んで、何と終了のほんの間際に同点とした。この勝ち点1があるのとないのとでは天国と地獄だ。予選敗退を逃れ、対ガーナの3戦目に望みを残した。アメリカは勝ち点4になったが次戦の相手はドイツ。最後の最後にクリスチアーノ・ロナウドがやってくれた。


6/27 アメリカ 0-3 ドイツ 結果 0-1


戦評:グループGで勝ち点4ずつ獲っているアメリカとドイツの一戦。引き分ければ両チームともGL突破するのだが、そういった打算が試合上でなされることはないだろう。勝ったほうが1位通過。負けたほうは、ポルトガル☓ガーナの勝者と得失点差争いになる。

前半は強い雨の中でドイツペース。左右のサイドからGKの前を横切るクロスボールが何本か入る。特に右サイドのボアテングからのグラウンダーのボールが精度が高い。あとは、アタッキングサードでドイツはボールをなかなか取られないところが強みだ。最後は必ず危ないポジションにいるエジルやミュラーに渡している。アメリカはよく守っている。ペナルティエリア内に入られているということは、一歩間違うとPKを与えてしまう危険があるのだが、きちんとボールに行くタックルや複数人数での囲みでボールを奪っている。

アメリカの攻撃陣はなかなかペナルティエリア内に入れないことで悩んでいる様子だ。ドイツの中盤からディフェンス陣は、人数を掛けてプレスを掛けてアメリカのミスを誘っている。

前半の展開を見る限りドイツが優勢なのだが、現状0-0なのでどちらが勝つかは予断を許さない。

ちなみに裏のポルトガル☓ガーナの途中経過によるとポルトガルが1点先取している。ポルトガルはここまで得失点差がマイナス4なので、ドイツかアメリカが負けても得失点差でポルトガルを上回る。


後半10分、これでもか!という攻撃。ショートコーナーからのクロスを後半から出たクローゼがヘディングシュート。これがキーパーのセーブで跳ね返されたところをミュラーがダイレクトボレーで決めた。先制点。


全体を通じてドイツが一枚上手だった。ボール回し一つを取っても極めて安全に行う。攻め込んだ後のカウンターも受けない。アメリカはいい加減な縦パスが目立ち、簡単にボールを失ってしまう。一見、慎重な試合のようだったが、実力差は明白だった。



6/27 ポルトガル 2-1 ガーナ 結果 2-1


戦評:アメリカ☓ドイツを生中継で観戦するので、16時からのBS1再放送で試聴する。

G組の裏の試合の結果次第ではポルトガル、ガーナ共にGL敗退となる。

クリスチアーノ・ロナウドの動きは良く、前半4分にはクロスバーを叩くシュート、前半18分には惜しいヘディングシュートがある。ポルトガルは両サイドから良いボールが上がる。ボールポゼッションもポルトガルがリードしている。

ガーナにも高さと強さがある。ハイクロスで常に競り勝つのは身体能力の高いガーナ選手だ。アンドレ・アユーやギャンなど、テクニックのある選手もいる。


前半31分、ミゲル・ベローゾのクロスを21番のボイエがクリアしようとしたオーバーヘッド気味のキックがオウンゴールとなり、ポルトガルに先制点が入った。


後半12分、左サイドを駆け上がり精度の高いクロスを入れたアサモア。ギャンがこれに頭で合わせ、ゴールに叩きつけるような同点弾が出る。しかし引き分けでは決勝トーナメントには行けない。両チームとも追加点がほしい。


後半35分、クリスチアーノ・ロナウドによる勝ち越し点。今大会初得点だ。この試合中、相手GKと1対1の場面を3~4回作ったがどうしても生まれなかった待望のゴールが、ようやく生まれた。

試合終了。ポルトガルは勝ち点ではアメリカに並んだが、初戦の大量失点が響き、得失点差でグループ3位となり、GL敗退が決まった。


予想


①ドイツ 7+6

②ポルトガル 5+1

ガーナ 0-5

アメリカ 4-2




結果

①ドイツ 7+5
②アメリカ 4+0

ポルトガル 4-3

ガーナ 1-2