最近入れ込んでる某SNSで、
「大人は社交を目的としたサードプレイスを複数作ることが大事」
「友達作りでも居場所でもなく、ふらっと寄って少し話す場所」
という書き込みを見て、なんか肩の荷が下りた。
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もともと、オタクしかいない時代からインターネットをやり、
「ネットで知り合った人と会っちゃダメ」って言われてた時代に、
twitterで知り合った同世代の人たちとオフ会をやるような、
家族学校職場以外のサードプレイスが必要なタイプで、
かれこれ15年、色んなコミュニティをジプシーしてきた。
どうしようもない自分を救う力を与えてくれたのも、
遅れてきた青春時代を送れた居場所があったのも、
この先もずっと付き合いがありそうな人を見つけたのも、
そんなコミュニティの中での出来事なので、
まさに今の自分を作ったと言っていいと思う。
というか、学校職場の人付き合いがヘタクソで、
そっちの友達がほとんど残っていないこともまた、
逆説的にサードプレイスが必要な証明だとも思う。
たぶん、そゆ世界からはみ出る部分が多いんだろうな。
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そんな感じでなまじ成功体験があるからか、
新しい場(コミュニティ)に出ていくときの期待値が青天井で、
常に出来すぎた成功例からの引き算で考える自分がいる。
程よいところで満足しようという思考回路はなく、
飢餓感と文句を抱えている状態がデフォである。
さすがにもう、うまくいかない可能性も織り込み済みだけどね。
なんていうか、宝くじの1等を本気で当てるつもりで買ってて、
2等や3等にすら手放しで喜んでない感じというか。
だから、場の力が弱くなって撤退戦の様相になってくると、
なんでうまくいかないんだろうって気持ちにもなるし、
鮮度の落ちた人間関係を切っていくときに虚しさを感じる。
いつか別れが来ることがわかっていても、
少しでも長く、少しでも深く関わっていたかったという、
(その人ではなく)人間関係そのものに対する執着が出てくる。
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残念ながらもういい年した大人なので、
ちゃんと距離を伺う人間関係が多く、
ましてや今の時代、あまり無遠慮に近づけないので、
もう簡単に友達なんてできないなと感じていた。
そんな中で、
サードプレイスを社交の場として再定義することは、
期待値の調整という意味で感情的な部分にすごく効いた。
前向きな諦めとして受け入れるキッカケになった。
実際のところは、
既になんとなくこの感覚に思い至っていたんだけど、
今回、形がはっきりしていなかった概念に名前がついたこと、
つまり、「社交の場」というラベリングがされたことが大きい。
これまで「社交の場」という言葉に対して、
社長とか自営業とかビジネスが絡むものをイメージしていたので、
自分がやってることと結びつけようと考えたこともなかった。
こんなんを「社交」と呼んでいいんだと思った。
正直なところを言えば、
顔のない付き合いって勝手に呼んでる、
その場に居合わせただけの誰かって関係性ではなく、
個人対個人で顔のある付き合いが良い。
分人主義的な限られた面だけ見せてもらうより、
その人のおおよその人となりが見える関係が良い。
だけども、そういうのはある種の下心であって、
知り合ったその先で考えるものとして、
最初から頭に置くのをやめようと思った。
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ということで改めて、
自分の中でコミュニティをこう定義しようと思う。
現実はここまでストイックにならないだろうけど。
コミュニティはそのときにいる人と、
コミュニケーション欲という互いのニーズを満たす場であり、
コミュニケーションに飢える気持ちがケアされれば、
それで十分であり、糊口をしのぐことになっている。
そして、その場その場の一回性の関係であって、
長期間の付き合いは前提ではない。
だから来るもの拒まず去るもの追わず、
結果的に定着したらそれは幸運なことである。
よって、大人にとってコミュニティは社交の場であり、
友達作りは目的として方向性が少しズレる。
そして、もう1つ。
友達作りという観点から見るならば、
コミュニティの役割は知り合うところまでで、
友達を作りたいなら、相手の様子を伺いながら自然な形で、(※ここ重要)
ちゃんと個人対個人で仲良くなるためのアプローチが必要である。
そして、その方法を改めて技術として会得する必要があることからも、
いつの間にか友達ができた時代とは状況が異なる。
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もちろん今後も場に出ていくことはしようと思うし、
常にサードプレイスが必要な人間として、
コミュニティジプシーそれ自体は宿命として受け入れている。
ただ、常に高い目標を目指すだけでなく、
目の前の良かった時間もちゃんと肯定しようと思った。
際限なく距離感を詰められる人探しはやめようと思った。
そうそう。
「大事なことは2番目に」だ。これは糸井さんの言葉。
ほぼ日刊イトイ新聞 - 愛と言うにはちょっと足りない。
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もう少し仲良くなれそうって思ってもらえたら嬉しいし、
そゆ人と仲良くなるチャンスが来ることを願ってる。
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BGMは 帝国喫茶 の 帝国喫茶III ストーリー・オブ・マイ・ライト (Al)
今回も粒ぞろいで良い曲が並んでてすごい。