主人公、樫間高之は阿川グループという巨大なグループの娘阿川朋美と婚約をしていた。しかし結婚式の1週間ほど前、車のスピードを上げすぎたことがきっかけで崖から車ごと落下し事故死してしまう。

そこから一週間後阿川家➕樫間➕下条(秘書さん)で阿川家の別荘にバカンスに行く。

気を落としている人たちとでゆっくりするはずが、逃走中の銀行強盗にジャックされてしまう。2つの事件(朋美の事故死と銀行強盗のジャック)を軸に物語が進んでいく。


最初は仲間意識が強かった人達が警察へのヘルプを消したり停電のタイマーを壊されていたりと続いていく間にだんだん綻んでくるのがリアルだった。特に印象的だったのは下条さんと主人公の疑い会いになるところです。SOSを書いたのは下条さんなのですが、タイマーを壊したりできるのは下条さんだけなのではと気がついた時です。私も最初下条参加と思ってたので違かった時に驚きました。逆に私たちは主人公と一緒に行動している(三人称小説だけれども)から主人公のことなど微塵も疑ってなかったので確かに主人公という結論もあるのかと思いました。

最後に殺された雪音を人質として持っていけと言ったことも印象的でした。確かに論理として殺人がバレたくないという気持ちがわかったのですが、それを飲むとは思えずびっくりしました。

この作品は人の心理描写を描くのが上手いなと思いました。