ニート天使B/W

ニート天使B/W

38歳でニートのどうしようもない僕の前に天使たちが降りてきた…

ニートからの脱却を決意した僕の前に二人組の天使が降臨した。


天使1「私は『白』なのです。あなたを明るく楽しく導きますなのです!」

天使2「私は『黒』と呼ばれているわ。あなたを愛のムチで厳しく導くわよ!」


このブログはこの天使たちから教わったことをメインに書いていくことになると思います・・・

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何処かに買い物に行ってた黒が帰ってきたとき、僕はいすに座りながら力なくのけぞったまま動けないでいた。口からはきっとエクトプラズムがダダ漏れになっていたかも知れない。


黒「なっ、何なんですか!そのていたらくは!?」

白「おかえり、黒ちゃん。何でもね~、先月めちゃくちゃアルバイト頑張ったのに、目標金額にわずかに届かなかったみたいなのです」

黒「そのショックで?一体いつからそんな調子なの?」

白「かれこれ2時間ぐらいなのです。荒川静香もビックリなのです」

黒「付き合いきれないわ。このまま放っておきましょう」


そういいつつ、黒はニンテンドーDSで何かのゲームをやり始めた。時々、パソコンの画面を見ては、「さすがに彼のブログは参考になるわね」とか呟いていた。が、何だか徐々にいらつき始めて・・・。


黒「あーもうイライラする!いい加減そんなうっとうしい格好やめなさい!!」

黒はヤクザがやるみたいなやたらとモーションのでかい蹴り(通称ヤクザキック)で僕を椅子から蹴り飛ばした。完全に脱力状態だった僕はモロにその蹴りを喰らって1メートル以上飛ばされ、壁に激突して一瞬呼吸が止まったりした。

僕「ひ、ひどいじゃないか!もうちょっと優しく励ますとかは出来ないのかよ!」

黒「え~い、うるさいですわ!大体今回何処がまずかったか判ってるんですか、あなたは!」

僕「え?そりゃ、もっともっと頑張れば良かったのに、途中でわずかに気を緩めたのがまずかったんじゃない?」

黒「そうではないですわよ?あなたは目標を立てるのはいいですけど、いつだってイッパイイッパイのものばかりじゃないですか!」

僕「仕方ないだろ?何と今年でジャスフォー(40歳ジャスト)になっちまうんだし、人生の残り時間は決して多くないんだから」

黒「だからそういうことを言ってるんじゃないですわよ。いいですか、目標は3段階で立てるものなんですわ!」

僕「え?3段階?そんなの聞いたこと無いけど?」

黒「ではよく聞いて下さいね。まず第一に、このくらいまではギリギリ死守したいという最低限の目標を立てます」

僕「うーん、例えば月に最低5万は貯金出来るくらいに頑張るとか?まあ5万なら、1年で60万、5年でも300万にはなるか」

黒「次にまあまあの目標を立てます。大体最低の目標の2~3割増しぐらいですかね」

僕「とすると、大体月に6万5千円、年でおよそ80万、5年でおよそ400万ってところか」

黒「最後にかなり難しいけれども達成出来たら最高だと思えるような目標を設定します。大体あなたがいつも掲げているような目標がこれに当たるでしょうね」

僕「え、月8万、年間約100万、5年で500万ってのが?これでも少ないと思うんだけど?」

黒「フリーターの身であんまり無理するものでは無いですわよ。大体ここまで無理したらよりよい仕事を得る為に面接を受けに行く時間も、せどりやアフィリエイトについて研究して収入アップを図ることも出来ないでは無いですか!少しは自重しなさい!!」

僕「ああ、まあ確かにやりすぎな気はしてた。マイミクさんとの約束もなかなか果たせなかったりしたしな」

黒「大体他の全てを犠牲にしての目標達成なんて、一体何の意味があると言うんですか?それに達成出来なかったといちいち気に病んで屍みたいになって、それが一体何になるって言うんです?胃に穴を開けまくりたいんですか!」

僕「確かに。『目先の目標を達成出来なかった。何て自分はダメなんだ』とか落ち込んでばかりじゃ、その内挑戦し続けることも億劫になってくるよな」

黒「そう。それが完璧主義の弊害と言うものですわ。100点なんて試験でだって目指さない癖に、現実でそれを自分に強制してる様なものですわよ。少なくとも最低限の目標だけはクリアして、続けていかないとただの時間の浪費でしか無くなりますわよ」

僕「そうだな~。今後は脇目もふらずに最低限の目標だけはクリアして、後は多少手綱を緩めて冷静にいろいろ考えながら動いてみるか~」


今日も今日とて、僕は自分の運命を呪っていた。ちくしょう、どうしてこんなにもうまくいかないんだろう?

すると、今日もまた神様が僕の前に姿を現した。


神様「何だ。また自分の運命を呪ってるのか?」

僕「呪いたくもなるだろ?他の奴らはもっと楽に幸せをつかんでるよ。なのにどうして僕だけこんな!」

神様「そうか。では今日はそれについて話をしてやろう」

白「いいのですか、神様?それは秘密にしておくはずだったのでは?」

神様「致し方ないさ。こいつをこのまま絶望に支配されたままにしとく訳にもいかないしな」

黒「まあ確かに。予定からはだいぶ遅れていますしね・・・」

僕「予定?何のことだよ?」

神様「実はな。お前にはある使命がある。決して簡単ではないが、お前になら出来る、いや、お前にしか出来ない使命がな。それは本当に簡単ではないのさ。お前の全てを、可能性までも費やして、多くの人の力を借りてやっとの事で達成出来るようなことだ。そしてそれはわずかにだが、世界そのものの流れを変えることでもある。その途上でしか、お前の幸せは手に入らないのさ」

僕「そんな!どうして僕なんだよ!どうして僕がそんな運命を背負い込まなきゃならないんだよ!僕はもっと安楽に暮らしたいのに!小さな幸せで十分なのに!」

神様「他のやつでは駄目なんだよ。みんな多かれ少なかれ、既に幸せを手にしてる。手にしつつある。目についた中でお前だけがまだ何も持っていなかった。そして危険だった。お前は常日頃の夢見の通りの結末を迎えたりする可能性や、或いはもっととんでもない事をしでかす恐れもあった。でもな、そんな訳にはいかないのさ。いいか、お前はあたしだ!お前はあたしなんだよ。お前にもあたしと同じ事が出来るはずなんだ。いや、するべきだ。しないなんてあたしが許さない!」

僕「そんな無茶な!横暴だろ、あんた」

神様「ふっ、無茶はあたしのデフォルトさ。別の並行世界のお前と同じくな。それにあたしは神だ。お前ごときが文句を言うな!第一もう既に条件は揃ったんだぞ?自分では召喚出来ないみたいだから、あたしがお前のところに白と黒を派遣した。白と黒を使ってお前に目標を書かせた。その時点でもうお前は運命のレールに乗ったんだ。遅かれ早かれお前はその目標の先にある定められた場所へ自動的に運ばれるしかないのさ」

僕「嫌だ~!降ろしてくれ!途中下車だ~。乗り換えるんだ~!」

神様「そうか?そこまで言うなら、仕方がないな。その途上でお前の『運命の女』も待っているというのに、残念なことだな」

僕「え?『運命の女』?」

神様「ああ、あたしが元居た並行世界ではあたしの腹心の友でな。一応女のあたしから見ても実にいい女なんだ、これが」

僕「う~・・・。それなら、嫌だけど、非常に気が進まないけど、仕方ないか。乗るよ。その運命に」

神様「そうこなくてはな。山あり谷ありスタート地点に戻るもありで乗り心地は最悪だろうが、まあ幸せな事だってそれなりにあるさ。ボン・ボヤージュだ!ふはははははははは!」

神様はマントを派手にひるがえして帰って行った。最後の笑いの意味は何だろう?非常に不安だ・・・。

見事なまでに顔の形を変えられた。顔中が痛くて熱を持って、2~3日寝込んだ。口の利き方には気をつけなくてはならないと痛感した僕だった。


神様の経歴はそれなりに判ったけど、まだまだ細かいところはよく判らない。僕と神様と一体何処がそんなに違うのか、もっと詳しく知りたい気もしたが、さしあたって神様にどうしてももの申したいことがあったので、数日ぶりに家にやってきた神様に、思い切って言ってみた。


僕「ねえ神様、前から思ってたんだけど、引き寄せの法則って、しょせんはデマでインチキで何の根拠もないただのオカルトだろ?何でそんなのの流布を許しておいてるんだ?」

神様「はあ~~~。やれやれだな。全く」

神様は深く深~くため息をつき、黒と白をぎろりと睨んだ。

神様「黒、白、よくまあこんな状態でこいつを放置しているものだな。どうにかすることは出来なかったのか?」

白「あうあう、そうはいってもこの人、なかなかかたくななのです~」

黒「どうにかしようとは思っても、ここまでひどいとなかなか打つ手が無くて・・・」

神様「まあ、確かに難しいな。体で思い知らせるのが一番効果がありそうではあるが・・・、そうだな~」

神様がこちらを不穏な目つきで見ている。僕はこのときほど生命保険を解約してしまったことを後悔したことはなかった。神様が何か無いかと家中を探す為に僕から目線を切って部屋から出て行ったとき、思わず全身の力が抜けてしまった程だった。

しばらくして神様がまた僕の部屋に戻ってきた。

神様「なあ黒、今夜一日で構わないから、こいつにお前の寝具一式を貸してやってくれないか?あたしたちは今夜は例のネットカフェの特別室で過ごすとしようじゃないか?」

黒「そんな!神様とご一緒するのはともかく、この男に貸すなんて嫌ですわ!この男のキモい体臭が染みついてしまうじゃないですか!!」

僕「orz・・・。僕、ここまでこいつに嫌われてたのか・・・」

白「一応フォローしとくと、私たちは元々嗅覚が鋭いのですよ。だからものすごく気になってしまうのです」

神様「う~ん、そうだな。だったらせめてマットレスだけ貸してやってくれ!それならこいつの体に直接密着しないし、臭いもそれ程つかないだろう?」

黒「う~、まあそれくらいでしたら仕方ないですが。・・・帰ったら超盛大に消臭スプレーをかませば何とか・・・」



こうして僕はその晩、黒がいつも使ってる低反発マットレスを借りて、その上に布団を敷いて寝ることになった。

考えてみると、黒や白が使ってる寝具一式は元々僕が金を出したものだった。極貧にあえぐ僕になんて高価な買い物をさせるんだと夜ごと涙で枕を濡らしたものだったけど、常々どんな寝心地なのかは気になっていたのだった。


僕「まあ、そんなに大した違いはないだろうけど・・・って、おお、あんまり体が沈まない!そうか、これが低反発って事なのか!」

前日のアルバイトの疲労でなかなか寝付くことは出来なかったけど、目覚めたとき、いつものような体の節々が痛む感じはなかった。僕が使ってたマットレスは薄くてへたっていて、ろくに僕の体重を支えず、フローリングの床に直接寝転がってるのと大差がなかったけど、この低反発マットレスで寝ている限りは、床の堅さを全く感じることはなかった。

今まで寝具なんてどうでもいいと考えて、ここ10年程は激安価格で買った寝具を使っていたけど、どうやらその考えは間違いだったらしい。


昼頃になって、神様たちは帰ってきた。どうやら本当に一晩中まんがを読んでたらしい。何だかひどく眠たそうだ。黒は速攻で僕からマットレスを奪い取ると、大量に買い込んできた消臭スプレーをがんがん消費し始めた。

神様「つまりはそう言うことなんだよ」

僕「・・・神様、それじゃ文脈がつながらないんですが?」

神様「つまり、お前は今まで寝具なんてどうでもいいと考えていただろう?だから、その考え通りにどうでもいいような質の眠りしか得られていなかった訳だよ。ある物事をどうでもいいことと考え、対価としておざなりの行動しかしなかったり、金をけちったりすれば、どうでもいいような結果しか得られないと言うことだ。思い、考え、行動し、その原因に対して忠実な結果しか生まれることは無い。それが引き寄せの法則ってものだ。それを地でいく展開だったろう?」

僕「確かに・・・」


言われてみれば確かにそんな気もする。

ファッションなんてどうでもいいと思ってしまうから異性にもてた試しがないんだし、

体力作りなんてどうでもいいと思って特に鍛えもしなかったからこそ貧弱な体力しかない訳だし、

ネトゲ癈人になっていて、リアルなんてどうでもいいと思い込んでいた時期は本当にリアルの生活は荒廃しまくっていたんだよな。

知人のように、プレイ時間を何時までと決めて、ちゃんとそれを守れていればよかったんだろうけど、僕は全くそんな風には出来なかったしね・・・。


神様「本田健さんは『ユダヤ人大富豪の教え』の中で、『宇宙のレストランでの注文は目標を定めることで、対価は行動だ』と書いていたが、あたしには対価は行動だけでなく、金銭や時間も含まれると思えるな。どうでもよくないと思っていてもただ単に金をけちっていてはイモを引くだけのことだ。安くていいものをと思うならば、自分の足で探したり、ネットで情報を集めたりしなければならないしな。時間も金もかかるが、それをけちっていてはちゃんとした結果なんて得られないのさ」

白「だからね、どんなことも『どうでもいい』なんて思わないでね。どんな小さいことでも何が最善かを自分でちゃんと考えて。そうやって選び取っていってね」