何処かに買い物に行ってた黒が帰ってきたとき、僕はいすに座りながら力なくのけぞったまま動けないでいた。口からはきっとエクトプラズムがダダ漏れになっていたかも知れない。
黒「なっ、何なんですか!そのていたらくは!?」
白「おかえり、黒ちゃん。何でもね~、先月めちゃくちゃアルバイト頑張ったのに、目標金額にわずかに届かなかったみたいなのです」
黒「そのショックで?一体いつからそんな調子なの?」
白「かれこれ2時間ぐらいなのです。荒川静香もビックリなのです」
黒「付き合いきれないわ。このまま放っておきましょう」
そういいつつ、黒はニンテンドーDSで何かのゲームをやり始めた。時々、パソコンの画面を見ては、「さすがに彼のブログは参考になるわね」とか呟いていた。が、何だか徐々にいらつき始めて・・・。
黒「あーもうイライラする!いい加減そんなうっとうしい格好やめなさい!!」
黒はヤクザがやるみたいなやたらとモーションのでかい蹴り(通称ヤクザキック)で僕を椅子から蹴り飛ばした。完全に脱力状態だった僕はモロにその蹴りを喰らって1メートル以上飛ばされ、壁に激突して一瞬呼吸が止まったりした。
僕「ひ、ひどいじゃないか!もうちょっと優しく励ますとかは出来ないのかよ!」
黒「え~い、うるさいですわ!大体今回何処がまずかったか判ってるんですか、あなたは!」
僕「え?そりゃ、もっともっと頑張れば良かったのに、途中でわずかに気を緩めたのがまずかったんじゃない?」
黒「そうではないですわよ?あなたは目標を立てるのはいいですけど、いつだってイッパイイッパイのものばかりじゃないですか!」
僕「仕方ないだろ?何と今年でジャスフォー(40歳ジャスト)になっちまうんだし、人生の残り時間は決して多くないんだから」
黒「だからそういうことを言ってるんじゃないですわよ。いいですか、目標は3段階で立てるものなんですわ!」
僕「え?3段階?そんなの聞いたこと無いけど?」
黒「ではよく聞いて下さいね。まず第一に、このくらいまではギリギリ死守したいという最低限の目標を立てます」
僕「うーん、例えば月に最低5万は貯金出来るくらいに頑張るとか?まあ5万なら、1年で60万、5年でも300万にはなるか」
黒「次にまあまあの目標を立てます。大体最低の目標の2~3割増しぐらいですかね」
僕「とすると、大体月に6万5千円、年でおよそ80万、5年でおよそ400万ってところか」
黒「最後にかなり難しいけれども達成出来たら最高だと思えるような目標を設定します。大体あなたがいつも掲げているような目標がこれに当たるでしょうね」
僕「え、月8万、年間約100万、5年で500万ってのが?これでも少ないと思うんだけど?」
黒「フリーターの身であんまり無理するものでは無いですわよ。大体ここまで無理したらよりよい仕事を得る為に面接を受けに行く時間も、せどりやアフィリエイトについて研究して収入アップを図ることも出来ないでは無いですか!少しは自重しなさい!!」
僕「ああ、まあ確かにやりすぎな気はしてた。マイミクさんとの約束もなかなか果たせなかったりしたしな」
黒「大体他の全てを犠牲にしての目標達成なんて、一体何の意味があると言うんですか?それに達成出来なかったといちいち気に病んで屍みたいになって、それが一体何になるって言うんです?胃に穴を開けまくりたいんですか!」
僕「確かに。『目先の目標を達成出来なかった。何て自分はダメなんだ』とか落ち込んでばかりじゃ、その内挑戦し続けることも億劫になってくるよな」
黒「そう。それが完璧主義の弊害と言うものですわ。100点なんて試験でだって目指さない癖に、現実でそれを自分に強制してる様なものですわよ。少なくとも最低限の目標だけはクリアして、続けていかないとただの時間の浪費でしか無くなりますわよ」
僕「そうだな~。今後は脇目もふらずに最低限の目標だけはクリアして、後は多少手綱を緩めて冷静にいろいろ考えながら動いてみるか~」
