私の年代は父から戦争の話をリアルに聞かされたギリギリの世代だろう。
父は田舎の次男坊だったので予科練の経験者で赤紙一枚で軍隊に無理やり招集された。
『兄貴は免除されて本当に腹立ったわ』とか、酒が入るとよく愚痴っていた。
当時の親父は16.7歳とか言ってた。親父の態度が生意気なので鬼軍曹に目をつけられて顔がボコボコになるまでよく殴られたそうだ。
『和歌山に帰りたいなぁ…』と、布団を被って悔し涙を流していたと語ってくれた。
父は実際の戦闘行為に参加する前に訓練生として軍隊でボコボコに殴られただけで終戦を迎えたが、『例え敵と言えど人を殺めたくなんかなかったから戦争が終わってくれて良かったよ…』としみじみ語りながら杯を傾けて何度もうなづいていた。
79回目の原爆の日
親父、はっきり言うよ。人類が世界平和なんて無理だ。お父ちゃんが噂で聞いた【ピカドン】が落ちてから79年も経っても、世界は未だにどこかで戦争をやっているよ。人類はいつか自分達の手で地球を壊して絶滅したいらしい。
【平和への誓い】の読み上げが虚しく聞こえるよ…。