「見えた…!最後の部隊が帰って来たぞ!ビーコンを付けろ!」

「あいつら…たった三機で“しんがり”を務めあげやがった…!なんて奴らだ…。」

既に太陽は燃え尽き、涙で満たされた様な暗い闇の空の中に、三つの赤い光がふらふらと蜉蝣の様に頼りなくこちらに向かって来ます。

「サムライ達が帰還するぞ!消化班!急げ!救急班!早くしろ!」

今にも墜落してもおかしくない程、ふらふらと揺れながら滑走路に設置されているサーチライトに照らし出される“真っ赤なジン”と二機の“深緑のジン”。

「こ…これは…ここまで耐えて…よくぞ…」迎えた整備班は、その姿を見てがく然とします。

崩れ落ちる様に倒れこんだ“深緑のジン”は、左脚と右肩のスラスターを失っていました。

もう一機のジンも右腕がありません。その二機を従えて来た“真っ赤なジン”も全身傷だらけです。

右手に1/3の部分で折れた『サムライ・ソード』を握りしめながら…。

「ようし、02!03!任務完了!よくやった。無事帰還出来たぞ。」

同時に“真っ赤なジン”は自分達より少し前に帰って来た巡洋艦を見つけました。

そこには…憔悴し切って泣き崩れている「セラミック・ガール」…。

ついにBEE-HIVE艦隊は、巡洋艦perfumeを残すのみ…。

辛い現実が、彼女達を押しつぶしています…。

「……くそおおお!!!」《ガン!》コックピットを思わず殴り飛ばす彩人隊長。

『彼女達は…こんなものじゃあ終わらない…!こんなものじゃないんだ…!』

『…奇跡を…奇跡を呼べるんだ…perfumeは…これからなんだ…これから…』

熱い夏の夜、悔しい想いを胸に刻み込んだ彩人隊長は…声を殺して…泣きました…。