「こちらブラック・ドーター、七面鳥の隠れた区域に到着した。」

「ブラック・ドーター、護衛に“変態色”のMSがいるから注意しろ。」

「例の“金色”のMSか?心配するな。あんな“悪趣味”一機で何が出来る?ハッタリをかますにしても、もう少しマシな色にしろってんだ!ははは…!」

「確かにな…!あんなのに乗っている奴は、そうとう逝かれているに違いない。」

「ようし、オレンジ・フォックス、七面鳥を見つけたぞ…!」

「例の“金色”は?」「見当たらん。着陸にでも失敗したか?」

「へへ…!積み荷を持ち帰れば、一躍ヒーローだぜ!」一台のMSがミディアに接近した。

≪ビシュ―――ン!!≫ 「が…!」≪グオバ―――ン!!≫

「ブラック・ドーター!」軽薄な黒尻娘は、正確なビーム・ライフル射撃によって爆発した。

「やはり潜んでいたか!衛星リンク確立!照会!…出たぞ!」

「…!!こ、こいつは…!」「どうした!グリーンベアー?」

「気を付けろ!オレンジ・フォックス!見た目に騙されるな!こいつは…エースだ!」

「あの“金色”は、perfume09小隊所属のMSだ!くるぞ!」

突然、目の前の森の中から、黒い機影が彼らに向かって飛び出してきた。

「…き、来たぞ!撃て!撃て!」あわてて反撃するオレンジと緑。

≪ドオン!ガリガリガリ…!≫ 命中した! 墜ちた!

「ようし!やったぞ!」「いや!待て!あれは…下駄だけ…?」

彼等は気付いてしまった。今しがた打ち落とした物。

それは『幸福の色』が乗っていたフライング・モジュールである事に。

それと同時に込み上げてくる絶望の予感。

『敵に居場所を教えてしまった!?』

≪ビシュ―――ン!!≫ 「は!?」≪バッカ―――ン!≫

「オレンジ・フォックス!」オレンジは後方に吹っ飛ばされ爆発した。思わずとっさに伏せる緑熊。

「アホやな~!こんな簡単なトラップに引っかかるやなんて。」

「ちょっと俺を見くびってたようやな…。伊達に“金色”に乗ってるんやないで。」

既にかっしゅかしゅ隊員は、正確な射撃を終えた後、素早く敵の側面に移動していた。

「003!聞こえるか?敵は俺が引きつけた。お前さんはそこを動くな!ええか?敵の狙いはあくまでも積み荷や。破壊せずに持ち帰らんと意味無いからな。撃たれる心配は無い。」

「了解!しかし気を付けろ!増援のMSが近づいて来ている。無茶はするな。お前だけでも逃げてくれ!」

「その積み荷は、誰の為の積み荷や?」

「中身は我々にも知らされていないが、ケースには『secret・secret』

『KASHIYUKA』の明記がある。」

『それだけで十分!!これは俺が命がけで守り抜く価値があるモノや…。』

『いくで…相棒。これが最後の戦いになるかもしれんけど…勘弁してな…。』