『くそう!直撃だ!メーデー!メーデー!』

『だめだ!コントロール出来ない…!あ~ちゃん!すいませ…』

≪ブツ…≫ _シグナルロスト_

「くそおおお!001がやられた!」「積み荷は…!」

「だめだ…!墜落と同時に自爆した!」

「敵に渡るくらいなら破壊せよってか…!馬鹿な上層部が考えそうなこった!」

「それだけ厄介なシロモノを運んでいるって事さ…!」

“幸福の色”で、カラーリングされたそいつは舌打ちした。

「緊急回避!下からの高射砲がまた来るぞ!」

「002!ロックオンされている!回避しろ!」

≪ズガ――ン!!≫ 「002ー!」

002への砲撃はまさに積荷であるコンテナを直撃。轟音と共に空で砕け散った…。

「…のっち…ごめん…な…」

パイロットの最後の言葉をインカムに残して…。

「可笑しいやんけ!?極秘ルートのはずやろうが!なんで高射砲が配備されてるねん!」

「けっ!ほんまに彼女らに活躍されたない奴がおるみたいやな…!」

「003のパイロット!聞こえるか?一旦森の中に不時着せい!このままやったらエエ的や!」

「わ、分かった!」生き残ったミディア003号機は、速度を保ったまま、ギリギリの高度まで下げた。

「よっしゃ…!この角度なら高射砲の射程外や。」

フライング・モジュール「下駄」に乗った“幸福”色のMSは、ミディア003号機の前をカバーしながら着陸を促す。

ホバリングを使って003号機は、ゆっくりと森と森の境目に着陸した。

「よっしゃ!ええ子や。この『お兄ちゃん』が、ちゃんと守ったるさかいに…。」

『こちら、perfume支援部隊所属・第01独立部隊かっしゅかしゅ。可愛いターキーを保護した。繰り返す。可愛いターキーを保護した。至急援軍を頼む。』

…緊急無線が入る。『今そちらに向かっている。だが、しばらく掛かりそうだ。』

『どれくらい掛かる?』『一時間だ。行けるか?』

『分かった!どうやら、グリルに火を入れた奴等がやって来そうだ…。急いでくれ。』

無線を切ると同時に、幾つかのMSの起動音を確認。

「さあて…こればっかりは、ゆかちゃんに届けさせてもらうわ…。いくで!相棒!」

その声に、量産型“百式”が、こくりと頷いた…。